もうすぐ土曜日も終わっちゃうじゃないですか〜、やだ〜、の追加クエストもどき。今回初期装備がどうのつるぎとかってどーなのよ?的な話なんですが、そして初期装備がロトのつるぎとかだったら冒険の日々ってどうなってしまうんでしょうね〜と思っていましたが、ドラクエの「ふっかつのじゅもん」システムって、ある意味そんな感じだよなあ。ただ、自分も強いならともかく、武器だけ強いって、武器を使うのではなく武器に使われる感じになって、なんとなく良くはないかな、という気はします。ゲーム的に面白くない、というメタ目線を除いても。
天の箱舟で移動していたミミに、窓の外を覗いていたサンディが声をかけた。
「ね〜ミミー、高台に何か見馴れないもんが見えるんですケド!ちょっと見てみなよ〜」
そこでミミは飛行を一時停止にして、窓辺のサンディの隣にちょこんと並んで、頭を寄せ合うようにして窓の外を見た。
「ほら、アレ!」
サンディの指差す方を見ると、東ナザム地方の高台に、確かに見馴れないものが見える。山頂の南北に一つずつある井戸の中間に、小さな小屋のような建物がある。
「ほんと・・・。ここにあんな建物、見たことなかったのに」
ミミが首を傾げると、サンディはニヤニヤしながら言った。
「気になるデショ〜?どーせ調べてみるんデショ〜?」
「うん」
ニヤニヤ顔で言われると、悔しいがその通り、と大概の者は思うところだが、ミミは特に悔しがることもせず、素直にこっくりと頷いてさっそく着陸させた。
改めて目の前で見ると、小屋と思った建物は、四角く切り出した石を積み上げて作られていて、屋根にはよくよく見ると小さな旗が翻っていた。旗の紋様は動物がモチーフのようだが、よくわからない。
「何コレ?まあヤバい魔物の気配はしないケド・・・」サンディが呟く。
入り口の扉は金属枠の付いた木製で、スライムが金属の輪をくわえたデザインのノッカーがあったので、ミミはそれでコツコツと扉を叩いた。すると、中から声がした。
「うむ、入るがよい」
特に危険な気配も感じなかったのでミミが扉を開けると、いきなりの玉座と、それに座っている王冠をかぶった老人が目に入った。よくよく見ると、玉座の脇に兵士のような男も立っている。老人は、おどりこのドレス姿のミミを見て、嬉しそうに顔をほころばせて言った。
「おお、旅の踊り子か。うむうむ、もっと近う寄れ、わしは寛大な王で、オープンな王室を目指しておるのでな、遠慮は要らぬぞ」
近う寄れも何も、小屋は玉座とその奥にある二つの扉でほぼいっぱいいっぱいで現在目の前である。おそらく奥の部屋は、寝室と水回りになっているのだろう。この高台に住んでいるのは盗賊のケリーとモーダメ王とメイドだけだと思っていたので、新たな王が増えたことにミミは少し驚いた。彼女は挨拶をしてから、呟いた。
「王様がお住まいとは、存じ上げませんでした」
「うむ、そうであろう。ついこの前遷都したばかりじゃからな。わしはここで、世界を救う勇敢な若者の旅立ちの手助けをするべく、準備を調えておるのじゃ」
「世界を救う?!もしかして世界にまた何か危機が?!」
世界滅亡の危機は何度も止めた(堕天使エルギオス、いにしえの魔神、フォロボシータ、その他エトセトラである)筈なのにまだ新たな何かが?!とミミが驚くと、王は首を振った。
「いやいや、世界はずーっと平和じゃがな。しかし、いつ何が起こるかわからん。だからわしはこうして、いつでも勇者が旅立つ際の助言ができるように、備えて待っているというわけじゃ」
「そ・・・そうなんですか・・・」
備えるのはいいけど、それだけの為に待っているというのも、何か本末転倒な気がするなあ・・・とミミは思った。サンディも、「ミミとイザヤールさんが地上の守り人やってる間は、世界は絶対平和だからけっこームダだよね〜」と苦笑している。
「しかしなあ、その件に関して、少々問題が持ち上がったのじゃ」王は言った。「陛下、旅芸人に陛下のお悩みを打ち明けても力になるとは思えませんが・・・」玉座の傍の兵士が口を挟む。
「私、こう見えて冒険者です。よかったらお伺いしたいのですが」
ミミが言うと、王は喋れることが嬉しいらしく嬉々として話し始めた。
「そなたは知らぬかもしれぬが、勇者の旅立ちの際に王は、旅の助言と武器と路銀を与えることになっておる。その際の剣は、伝統的に『どうのつるぎ』だとわしは思っておった。しかしなんと、それではセコい、という声があるというのじゃ。恐ろしい魔物退治に行くというのに、そんなので勝てるか、何故に王家の武器を貸与しない、という声まである始末じゃ。無知な庶民に我ら王族の深い考えがわかる筈も無いが、セコいと言われるのも沽券にかかわる」
「ふか〜い考えがあるんなら、セコいと言われて気にしなくてもいーじゃん。気にするなんてそれこそセコくね?」
サンディが言ったが、もちろんその声は人間たちには聞こえない。ミミはまあまあ、とこっそり彼女をなだめた。
「そこでわしは思いついたのじゃ!宝の地図の洞窟には、『ほしくずのつるぎ』という至高の剣が有るという。それを取ってきて、旅立つ勇者に与える剣とすれば、誰もが納得するであろうと!・・・しかし、やはり問題があってのう」
「と、おっしゃいますと?」
「この城には、兵士が一人しか居らぬ。この者が剣を取りに行っている間に、この城が魔物の襲撃を受ける畏れがある。わしが倒れたら、誰が勇者に旅立ちの助言を与えられるのじゃ?かといって、商人から買い取れば、国家予算に多大な負担をかけるしのう。それで困っているというわけじゃ」
なるほど、とミミは頷き、言った。
「私、よく宝の地図の洞窟に行くので、もしもほしくずのつるぎを見つけたら、お持ちしましょうか?」
「おお、まことか!もし本当に持ってきてくれたら、素晴らしい褒美を取らすぞ!」
ミミはクエスト「旅立ちの剣」を引き受けた!
それから数日後。ミミとイザヤールは宝の地図の洞窟に潜っていた。ルイーダの酒場に来た冒険者が、新たな高ランクの宝の地図をくれたので、どんな地図か調べるついでにほしくずのつるぎを探すことにしたのだ。
「でも、最高レベルの宝箱があっても、必ずほしくずのつるぎが取れるとは限らないよね〜」
サンディが呟く。宝箱の場所を憶えておいて、出るまで何度もセットし直し出直すしか無いが、その手の根気の要る系作業はお手のものである。
「まあ気長に行こう。他の物も役に立つしな」イザヤールが言った。
「お付き合いありがとう、イザヤール様、サンディ」
ミミがキラキラオーラが出ていそうな輝く笑顔で感謝を伝えると、イザヤールは嬉しそうに、サンディは照れくさそうに笑った。サンディ曰く「その笑顔はズルいわ〜」
この地図は自然タイプの洞窟だった。そして、高ランクなだけあって出てくる魔物も初めから手強い。いつものようにステルスで移動し、宝箱をチェックしつつ下のフロアへと急ぐ。ほしくずのつるぎが出てくるような宝箱は、かなり潜らないと出てこないからだ。
地下九階の宝箱で「せかいじゅのは」を見つけた。これが最高ランクの宝箱なので、場所をよく記憶しておいてから先に進む。
地下十一階で「リサイクルストーン」が出た。やはり武器、更に言えば狙っている物はなかなか出ないものだ。このフロアの階段降りたらボスのフロアで、黒竜丸が蹄を鳴らしていた。洞窟のマップを完成させる為にはボスに勝たなければならない。だがむしろそれまでの通常モンスターの方が強かったので、光の力をまとってあっさりと撃退し、一度洞窟の外に出た。
地図をセットし直し、先ほどチェックした最高ランクの宝箱に的を絞って開けに行くこと四回。その間にビュアールの蛇を踏んでしまったり、メタルキングがいきなり降ってきたり、だいおうクジラに階段を塞がれたりと、ステルスでも防ぎきれない戦闘でかなり体力を消耗しつつ、ようやく「ほしくずのつるぎ」を手に入れた!それでも早く手に入った方だとミミの疲れも吹き飛んだ。
「確かにコレなら、その辺のザコ敵バッサバサだよね〜。なんで王様ってヘボい武器しかくれないワケ?そーいやミミ、アンタも初期装備どうのつるぎだったよねー。天使界もそーなの?セコいの?」
サンディの言葉に、イザヤールは苦笑して口を挟んだ。
「天使界の場合は、理由が一応有るぞ。守護天使は、その時点の実力と、任地の魔物の強さに応じた武器が支給される。武器の強さだけに頼っていては、どうしても実力の伴わない慢心と、万が一武器を失った時の危険が大きすぎる畏れがあるからだ。まあ本人のより良い成長の為、ということだな」
「ふ〜ん、モノは言い様ね〜」
「サンディ、私にとっては、本当にそうだったよ。自分で錬金したり探したりして、武器だけでなく自分自身も少しずつ確実に強くなっていけたもの。・・・う〜ん、やっぱりこの剣、あの王様に渡していいのかなあ・・・」
「えー、ミミ〜、今さらソレ言う?!」
「ご・・・ごめんね・・・。でも、私、剣を渡す前に、王様にそのことを話してみるね」
そしてミミはアギロホイッスルを吹いて天の箱舟を呼び、東ナザムの高台に向かった。
高台の小屋、もとい「城」に着くと、ミミは王に言った。
「王様、ほしくずのつるぎは手に入れました。・・・ですが、やはり、伝統の『どうのつるぎ』も立派な理由があるのだと、改めて気付くことができました」
「おお、そなたか。ふむ・・・そうであるか・・・」
何故か王と、そしてお付きの兵士が、なんだか元気が無い。
「あの、どうかなされましたか?」
「実はな、ここの井戸の中に住んでいる王と、領土争いになってのう。先住権を主張され、しかも兵士がメイドに負けてしまってなあ・・・。やむ無くここから立ち去ることになったのじゃ」
「そ・・・そうなんですか・・・」
モーダメ王の許可取ってなかったんだ、ていうか、モーダメ王のメイドさん強いなあ・・・と思いながらミミは、かける言葉が見つからなかった。
「そんな訳で、新たな遷都先を見つけるまで、勇者の旅立ちの手助けもおあずけじゃ。その剣は、そなたが使うがよい」
ミミは「ほしくずのつるぎ」をもらった!
兵士は玉座などを荷車に積み込み、ハンマーで石壁を崩して小屋を跡形もなく片付け、キメラのつばさで王共々去っていった。
あの王様はどこに行ったのかなと気になっていたミミだが、よりによってエルシオン学院の校庭に城を作ろうとして守衛や教師たちにものすごく叱られたという話が、生徒経由で伝わってきた。
「なんでわざわざかぶるっつーかありえない場所選ぶんだろね〜」サンディも呆れ顔だ。
その後の王たちの行方はわからないが、またひょっこりどこかであの石造りの小さすぎる城を見かける気がする。それでも、王様が魔王退治の為に勇敢な若者に剣を授けて旅立たせるような時代は当分来ない方がいいなと、自分たちが勝ち取った平和をしみじみとかみしめるミミだった。〈了〉
天の箱舟で移動していたミミに、窓の外を覗いていたサンディが声をかけた。
「ね〜ミミー、高台に何か見馴れないもんが見えるんですケド!ちょっと見てみなよ〜」
そこでミミは飛行を一時停止にして、窓辺のサンディの隣にちょこんと並んで、頭を寄せ合うようにして窓の外を見た。
「ほら、アレ!」
サンディの指差す方を見ると、東ナザム地方の高台に、確かに見馴れないものが見える。山頂の南北に一つずつある井戸の中間に、小さな小屋のような建物がある。
「ほんと・・・。ここにあんな建物、見たことなかったのに」
ミミが首を傾げると、サンディはニヤニヤしながら言った。
「気になるデショ〜?どーせ調べてみるんデショ〜?」
「うん」
ニヤニヤ顔で言われると、悔しいがその通り、と大概の者は思うところだが、ミミは特に悔しがることもせず、素直にこっくりと頷いてさっそく着陸させた。
改めて目の前で見ると、小屋と思った建物は、四角く切り出した石を積み上げて作られていて、屋根にはよくよく見ると小さな旗が翻っていた。旗の紋様は動物がモチーフのようだが、よくわからない。
「何コレ?まあヤバい魔物の気配はしないケド・・・」サンディが呟く。
入り口の扉は金属枠の付いた木製で、スライムが金属の輪をくわえたデザインのノッカーがあったので、ミミはそれでコツコツと扉を叩いた。すると、中から声がした。
「うむ、入るがよい」
特に危険な気配も感じなかったのでミミが扉を開けると、いきなりの玉座と、それに座っている王冠をかぶった老人が目に入った。よくよく見ると、玉座の脇に兵士のような男も立っている。老人は、おどりこのドレス姿のミミを見て、嬉しそうに顔をほころばせて言った。
「おお、旅の踊り子か。うむうむ、もっと近う寄れ、わしは寛大な王で、オープンな王室を目指しておるのでな、遠慮は要らぬぞ」
近う寄れも何も、小屋は玉座とその奥にある二つの扉でほぼいっぱいいっぱいで現在目の前である。おそらく奥の部屋は、寝室と水回りになっているのだろう。この高台に住んでいるのは盗賊のケリーとモーダメ王とメイドだけだと思っていたので、新たな王が増えたことにミミは少し驚いた。彼女は挨拶をしてから、呟いた。
「王様がお住まいとは、存じ上げませんでした」
「うむ、そうであろう。ついこの前遷都したばかりじゃからな。わしはここで、世界を救う勇敢な若者の旅立ちの手助けをするべく、準備を調えておるのじゃ」
「世界を救う?!もしかして世界にまた何か危機が?!」
世界滅亡の危機は何度も止めた(堕天使エルギオス、いにしえの魔神、フォロボシータ、その他エトセトラである)筈なのにまだ新たな何かが?!とミミが驚くと、王は首を振った。
「いやいや、世界はずーっと平和じゃがな。しかし、いつ何が起こるかわからん。だからわしはこうして、いつでも勇者が旅立つ際の助言ができるように、備えて待っているというわけじゃ」
「そ・・・そうなんですか・・・」
備えるのはいいけど、それだけの為に待っているというのも、何か本末転倒な気がするなあ・・・とミミは思った。サンディも、「ミミとイザヤールさんが地上の守り人やってる間は、世界は絶対平和だからけっこームダだよね〜」と苦笑している。
「しかしなあ、その件に関して、少々問題が持ち上がったのじゃ」王は言った。「陛下、旅芸人に陛下のお悩みを打ち明けても力になるとは思えませんが・・・」玉座の傍の兵士が口を挟む。
「私、こう見えて冒険者です。よかったらお伺いしたいのですが」
ミミが言うと、王は喋れることが嬉しいらしく嬉々として話し始めた。
「そなたは知らぬかもしれぬが、勇者の旅立ちの際に王は、旅の助言と武器と路銀を与えることになっておる。その際の剣は、伝統的に『どうのつるぎ』だとわしは思っておった。しかしなんと、それではセコい、という声があるというのじゃ。恐ろしい魔物退治に行くというのに、そんなので勝てるか、何故に王家の武器を貸与しない、という声まである始末じゃ。無知な庶民に我ら王族の深い考えがわかる筈も無いが、セコいと言われるのも沽券にかかわる」
「ふか〜い考えがあるんなら、セコいと言われて気にしなくてもいーじゃん。気にするなんてそれこそセコくね?」
サンディが言ったが、もちろんその声は人間たちには聞こえない。ミミはまあまあ、とこっそり彼女をなだめた。
「そこでわしは思いついたのじゃ!宝の地図の洞窟には、『ほしくずのつるぎ』という至高の剣が有るという。それを取ってきて、旅立つ勇者に与える剣とすれば、誰もが納得するであろうと!・・・しかし、やはり問題があってのう」
「と、おっしゃいますと?」
「この城には、兵士が一人しか居らぬ。この者が剣を取りに行っている間に、この城が魔物の襲撃を受ける畏れがある。わしが倒れたら、誰が勇者に旅立ちの助言を与えられるのじゃ?かといって、商人から買い取れば、国家予算に多大な負担をかけるしのう。それで困っているというわけじゃ」
なるほど、とミミは頷き、言った。
「私、よく宝の地図の洞窟に行くので、もしもほしくずのつるぎを見つけたら、お持ちしましょうか?」
「おお、まことか!もし本当に持ってきてくれたら、素晴らしい褒美を取らすぞ!」
ミミはクエスト「旅立ちの剣」を引き受けた!
それから数日後。ミミとイザヤールは宝の地図の洞窟に潜っていた。ルイーダの酒場に来た冒険者が、新たな高ランクの宝の地図をくれたので、どんな地図か調べるついでにほしくずのつるぎを探すことにしたのだ。
「でも、最高レベルの宝箱があっても、必ずほしくずのつるぎが取れるとは限らないよね〜」
サンディが呟く。宝箱の場所を憶えておいて、出るまで何度もセットし直し出直すしか無いが、その手の根気の要る系作業はお手のものである。
「まあ気長に行こう。他の物も役に立つしな」イザヤールが言った。
「お付き合いありがとう、イザヤール様、サンディ」
ミミがキラキラオーラが出ていそうな輝く笑顔で感謝を伝えると、イザヤールは嬉しそうに、サンディは照れくさそうに笑った。サンディ曰く「その笑顔はズルいわ〜」
この地図は自然タイプの洞窟だった。そして、高ランクなだけあって出てくる魔物も初めから手強い。いつものようにステルスで移動し、宝箱をチェックしつつ下のフロアへと急ぐ。ほしくずのつるぎが出てくるような宝箱は、かなり潜らないと出てこないからだ。
地下九階の宝箱で「せかいじゅのは」を見つけた。これが最高ランクの宝箱なので、場所をよく記憶しておいてから先に進む。
地下十一階で「リサイクルストーン」が出た。やはり武器、更に言えば狙っている物はなかなか出ないものだ。このフロアの階段降りたらボスのフロアで、黒竜丸が蹄を鳴らしていた。洞窟のマップを完成させる為にはボスに勝たなければならない。だがむしろそれまでの通常モンスターの方が強かったので、光の力をまとってあっさりと撃退し、一度洞窟の外に出た。
地図をセットし直し、先ほどチェックした最高ランクの宝箱に的を絞って開けに行くこと四回。その間にビュアールの蛇を踏んでしまったり、メタルキングがいきなり降ってきたり、だいおうクジラに階段を塞がれたりと、ステルスでも防ぎきれない戦闘でかなり体力を消耗しつつ、ようやく「ほしくずのつるぎ」を手に入れた!それでも早く手に入った方だとミミの疲れも吹き飛んだ。
「確かにコレなら、その辺のザコ敵バッサバサだよね〜。なんで王様ってヘボい武器しかくれないワケ?そーいやミミ、アンタも初期装備どうのつるぎだったよねー。天使界もそーなの?セコいの?」
サンディの言葉に、イザヤールは苦笑して口を挟んだ。
「天使界の場合は、理由が一応有るぞ。守護天使は、その時点の実力と、任地の魔物の強さに応じた武器が支給される。武器の強さだけに頼っていては、どうしても実力の伴わない慢心と、万が一武器を失った時の危険が大きすぎる畏れがあるからだ。まあ本人のより良い成長の為、ということだな」
「ふ〜ん、モノは言い様ね〜」
「サンディ、私にとっては、本当にそうだったよ。自分で錬金したり探したりして、武器だけでなく自分自身も少しずつ確実に強くなっていけたもの。・・・う〜ん、やっぱりこの剣、あの王様に渡していいのかなあ・・・」
「えー、ミミ〜、今さらソレ言う?!」
「ご・・・ごめんね・・・。でも、私、剣を渡す前に、王様にそのことを話してみるね」
そしてミミはアギロホイッスルを吹いて天の箱舟を呼び、東ナザムの高台に向かった。
高台の小屋、もとい「城」に着くと、ミミは王に言った。
「王様、ほしくずのつるぎは手に入れました。・・・ですが、やはり、伝統の『どうのつるぎ』も立派な理由があるのだと、改めて気付くことができました」
「おお、そなたか。ふむ・・・そうであるか・・・」
何故か王と、そしてお付きの兵士が、なんだか元気が無い。
「あの、どうかなされましたか?」
「実はな、ここの井戸の中に住んでいる王と、領土争いになってのう。先住権を主張され、しかも兵士がメイドに負けてしまってなあ・・・。やむ無くここから立ち去ることになったのじゃ」
「そ・・・そうなんですか・・・」
モーダメ王の許可取ってなかったんだ、ていうか、モーダメ王のメイドさん強いなあ・・・と思いながらミミは、かける言葉が見つからなかった。
「そんな訳で、新たな遷都先を見つけるまで、勇者の旅立ちの手助けもおあずけじゃ。その剣は、そなたが使うがよい」
ミミは「ほしくずのつるぎ」をもらった!
兵士は玉座などを荷車に積み込み、ハンマーで石壁を崩して小屋を跡形もなく片付け、キメラのつばさで王共々去っていった。
あの王様はどこに行ったのかなと気になっていたミミだが、よりによってエルシオン学院の校庭に城を作ろうとして守衛や教師たちにものすごく叱られたという話が、生徒経由で伝わってきた。
「なんでわざわざかぶるっつーかありえない場所選ぶんだろね〜」サンディも呆れ顔だ。
その後の王たちの行方はわからないが、またひょっこりどこかであの石造りの小さすぎる城を見かける気がする。それでも、王様が魔王退治の為に勇敢な若者に剣を授けて旅立たせるような時代は当分来ない方がいいなと、自分たちが勝ち取った平和をしみじみとかみしめるミミだった。〈了〉
DQ10では装備品にレベル制限があるのですが、なるほど、本人の実力以上の武器を持つと慢心ばかりが大きくなってしまうってのがあるのかもしれませんね。或いはその武器本来の力を引き出せないとか…
サンディにニヤニヤされても素直に頷くミミちゃん、でも彼女の事だから逆にサンディから止められても見に行くんだろうなぁ
モーダメ王のメイドさん強い…
9の世界って兵士よりメイドの方が強いのか?
リリン「でも確かに銅の剣とはした金やるから魔王倒して来いってのもね…ってククール?」
ククール「あ、いやエイトのやつ、なんでトロデーンの近衛兵なのになんで鎧、着ていなかったんだろ?って思ってさ」
リリ「ふぅん…ていうか何処の世界のお偉いさんも結局はこっちに丸投げよね…オムイ長老もなんの対策もしなかったし」
イザやん「リリン、ククール君!遂に私の本が完成したんだ!読んで読んで」
クク「えーとなになに?イザやんはポンコツ皇帝ナガダサイを倒しエルギオス様を助けて幸せに暮らしました。…って嘘ばかりじゃないか」
リリン「あー、エイプリルフールね」
イザやん「ち…違う!エイプリルフールだからじゃなくて!そんな可哀想なものを見る目で見ないで〜」
エイト「実はトロデーン城を出た時は鎧着ていたんだけど、日差しが暑くて暑くて…脱ぎ捨てちゃったんだよね。えへw」
いらっしゃいませこんにちは☆確かにマルチプレイで入手可、ただし異世界の強い仲間たちの全力フォロー必須!ですよね。
10の装備はレベル制限あるんですね。強くならないとその武器の真の力が発揮できないというのもありそうですね。
はい、止められても確実に見に行ってしまうと思います当サイト女主(笑)
モーダメ王のメイドさんが強い設定は捏造ですが、あんな場所で一人で何もかも切り盛りしている彼女はやはり強いのではないかと勝手に推定。兵士が弱いわけではない、と思いたいですが、兵士より強そうなんですよねDQ世界メイドさんたち。
お偉いさんは丸投げってストレートに言っちゃう女主さんステキです☆
そうか、ガナサダイの名前の由来は、名がダサいのアナグラムだったのか!(たぶん違)可哀想なものを見る目って叱責よりキツいw
8主人公さんなんか可愛いですが、そんな理由?!竜神王セットも捨てたりは・・・しないですよね?!