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OHSUMIのへや

Sop大隅智佳子の好き勝手な呟きブログです

悲しみ

2008年02月19日 11時56分32秒 | Weblog
17日の日曜に無事に大作『妖精』を終えました。
今回はいつも演出される東京オペラ・プロデュースの
代表でもいらっしゃる松尾先生がご病気のため
直接の指導を受けられませんでしたが
先生がイメージされたプランを受け継いで
先生のご病気が治ることも祈りつつ、皆で頑張りました。

16、そして17日と2日間無事に終わり、
さぁ次!!と思っていた昨日18日…

まるで『妖精』の成功を見守り、安心したかのように、
松尾先生は天国へ旅立たれました。

あまりのタイミング。

私はいつものように仕事をし、夜は稽古。
何件か来てた電話やメールに出れず、
気が付いた時は夜中だったんですが、
連絡メールを見て、留守電を聞いて、

しばらくショックで動けませんでした。

昨年の『ルイーズ』で初めてお世話になり、
色んなご指導を頂きました。
歌い手の気持ちをとても深く理解してらして
稽古場を盛り上げ、時には厳しく、ユーモアに溢れ
その演出プランは常に美しくて…
何より、「大丈夫、頑張れ、いけー!」と応援してくださり…

あまりの早い別れに呆然としています。

結果として先生の遺作舞台ともなった『妖精』
その主役を演じられたことに今は深く感謝です。
最後のフィナーレの間、何故か達成感と共に湧き上がる
感情がありました。

今にして思えば何かを予感していたのでしょうか…

今回は体調も崩してまして何故かお肉だけ全く食べれない状況でした。
胃腸炎、なのですが、野菜や魚は食べれるのに
とにかく肉だけ受け付けない。
漢方を飲み、お酒も飲まず、まるで出家したような食生活。
でも考えてみれば妖精って肉食べないし
これも役作り?なんてお気楽に考えていました。

でもまるで精進料理のような日々が私を舞台へ向けて
清めさせていたのかも知れません。
日に日に調子は良くなり、本番は最高の集中力で迎えれました。

先生の命が込められた舞台。
その神聖な場に相応しい精神と体を作っていけた、
これって松尾先生の演出かしら…

今、色んなことをぐるぐる思い起こしています。

私にとって重要な舞台となった『妖精』
改めて先生への感謝と敬意を込めて、先生のご冥福をお祈りし
残された者としてどう生きていくべきか、
今後さらに努力と精進を、と強く思っています。

でも、
しばらくは泣かせてください。