切れば血が出る此の生身の身体で、幾年の年を越えて来れたのは奇跡である。
自然の運行には、一切の容赦は無い
風雨、落雷、噴火、地震、竜巻は容赦無く襲う。
生き物の都合を配慮する事は無く、自然の都合が繰り広げられる。
吾々が出来るのは備えて身を守る事のみである。
自然は、帳尻合わせと云うものを能く考えている。
或る生き物だけが突出して増えぬ様に調整している。
バランスを取る。
気候や環境を巧みに変えて、生き物の間引きをする。
戦争、自然災害、疫病。
生き物が増え過ぎたら食物が不足し其の地の生き物が絶えてしまう。
弱肉強食、食物連鎖で或る推移を保とうとする。
其の運行に、生き物の善悪の行為(原因と結果)等の配慮は自然と云うやつは一切しないし、そんなものは関係無い。
一々、「此の人はこんな善行を積んでいる」と、「あの人は他人にあんな酷い悪行をした」等と選分ける事は無い。
こんな事を云えば、「何をしても構わないではないか」と身も蓋もないかも知らぬ。
だが、現実は非情ではないか。
善行を積む事は、「自他の人生を豊かに過ごす為の手段」では在る。
吾は聖人君子の様な生き方は出来ぬし、そんな生き方をしようと思った事は一切無い。
此れ迄、他人を精神的に傷付けた事は数え切れぬし、他人から愛想を尽かされた事も多い。
だから人望も、人脈も皆無である。
其れでも、斯様に細々とでも年を越せている。
災難や病は善人や悪人に関係無く襲う。
人生途上の苦労も善人や悪人には関係無く襲う。
だからこそ思う。
新年を迎える事が如何に慶ぶべき事かと。
早朝、コンビニの駐車場で今年一発目の朝食を摂っていたら厚く垂れ込めた雲が切れてお天道様が日を注いでくれた。
初日の出である。