良き出会いが在った。
杖(つえ)が無い
室内で使っていた杖が無い
どこへ置いたか記憶が無い
キッチン・トイレ・居間・寝室など、どこを探しても見あたらない
20分も室内を歩き回って、ようやくキッチンの片隅に置いてあるのを見つけた
なーんだ、杖が無くても20分も歩けるんだ
埼玉県所沢市 増田博(87)
※出典:2024年7月8日付 産経新聞より
吾は特にそうだが、何かに頼りがちに生活している事が多い。
身体的な事だけでは無く、多方面に於いても同様である。
予防線を張りつつ、トラブル対処の為の保険を賭け乍ら生きている。
だが、十分熟せて対処出来るのに封印しているのではないか。
杖が在れば安心だが、本来要らない筈の杖は、此処では不安解消の為のアイテムになっている。
本当は要らない筈の杖を常に所持していると、一歩が踏み出せない。
吾はそうして自分自身に制限をかけてというか、必要以上に制限をかけて縛って封印しているなぁと、此の詩を読んで痛感した。
此の詩を読んで、常に抱いていた漠然とした不安感が晴れた思いである。
其れと、此の詩を投稿された87歳の御老人が、ハッと気付かれた事も凄い。
幾つになっても、此の方の様な感性を持ち続けたいと強く思った。
良き詩に出会えて良かった。