すじにくシチューの意見

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女系天皇容認の某評論家の非論理性

2016-10-03 02:46:18 | 日記
天皇制の将来的な後継者不足の問題で、女性天皇の議論がされてる。
まあ、それ自体は構わない。

さて、女系天皇と女性天皇には違いがある。
女系天皇とは、その天皇になった女性の子供も天皇になるという事だ。

しかし、女系天皇は、日本の歴史では、過去に伝統が無い。
推古天皇などは女性天皇であるが、女系ではなく、男系天皇の子供の女性である。

で、女系天皇を主張している某評論家は、天皇制という階級差別的な伝統を主張する一方で、男女平等にもとづき女系天皇という非伝統を主張しており、アベコベであるにもかかわらず、その某評論家じしんはジレンマに悩む様子もなく、女系天皇を容認しない論敵を女性差別主義者よばわりするのだから、まったく非論理的である。

まあ、過去に伝統が無いからといって、それを検証してはならないなんて事はないし、もし前例ばかりに従ってたら、改革をできない。なので、過去に伝統がない改革を実施する事も、国の発展には必要だろう。

しかし、改革をするにしても、事前に段階的に、じっくりと検証をしてもらわないと困る。その検証も、某評論家の脳内だけでの検証(笑)ではなく、実際に、実社会で、長年の時間を掛けて、検証してもらうべきである。


たとえば、自動車や家電などの新製品の開発では、実際に試作品をつくって、さまざまな実証実験によって不具合を見つけ出し、そして不具合を修理した設計をしなおして、さらに、その新設計の試作品を実際につくって、実証実験によって不具合を見つけ出し、さらに・・・とするのが、常識である。
しかし、某評論家の脳内には、このような検証実験、実証実験の考えが、ほとんど無いようだ。

さて、皇位継承の議論に戻る。まず、歴史ある継承の仕組みを変えるのだとしたら、当然、段階的に、少しづつ変えていって、様子を見なければならない。
例えば、「とりあえず女性天皇を容認したあと、その実績や問題点を検証して、その後の時代に女系天皇を容認するかどうかを議論する。これを100年ほど掛けて、行う。」みたいに。

しかし、この某評論家の論調を聞くところ、どうも「いきなり女系天皇を容認しろ」と言ってるように聞こえる。
これでは、まるで、歴史を無視した共産主義の失敗や、イラクなどへのアメリカ型民主主義の押し付けの失敗、共産圏の計画経済の発想とその失敗と同じである。

このように、女系天皇容認を主張してる某評論家は、なんの論理性もない、インチキ野郎である。


どうしても「天皇制改革案の段階的な検証実験をせず、いきなり女系天皇を導入すべきだ」と主張したいなら、「女性天皇容認だけでは天皇制存続が無理な緊急事態で、さらに、女系天皇を容認せざるを得ない緊急の状況にある」という事を、立証しなければならない。しかし、現在の日本は、そのような緊急事態には、なってないのが事実である。

では私個人は、天皇制の後継者の女性天皇問題をどうすべきか思ってるか。
個人的には、女性天皇を容認するなら、後継者順位はこれから200年ていどは男女平等に限定せず、その200年間は、「過去の伝統を尊重しつつも、束縛はされない」という曖昧なスタンスで、裁量権を天皇や宮家や学識者などの裁量として後継者順位を委ねるのが、安全で良いだろうと思う。

もともと、日本の過去の歴史でも、後継者順位がハッキリと決まってなかった時代もあっただろう。もっとも、これはこれで、後継者争いなどの原因にもありうるかもしれないが。その対策として「過去の伝統を重視しつつも」という一文を加えているのである。


なぜ裁量に委ねるべきかというと、安全保障の観点からである。あらかじめ後継者順位を決めておいて情報開示していまうと、それを敵国などに悪用される可能性がありうる。
つまり、手の内を明かさないほうが安全、というわけだ。

この後継者順位がもし、今までどおりの男系天皇だけの場合なら、過去の歴史による膨大な検証と、不具合の修理によって、けっして敵国などに悪用されないような対策が、既に取られている。

しかし、これから新しく導入するとなりうる女性天皇、女系天皇では、まだ、不具合の洗い出しと、その修理は、現時点では、まったく行われていない。
このような状況で、女性天皇を含む後継者順位を決めて情報開示してしまうと、きっと、敵国に悪用されるだろう。