2010年5月21日、僕は東南アジアの最高峰・キナバル山(4,095m)に登頂しました。その顛末を、全15回(予定)にわたってリポートしていこうと思います。

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これがキナバル山。標高4095m。
堂々たる山容である。
■海外の山に登ってみようと思った理由
日本にはたくさんの山があります。その数は数千、もしかすると万を超えるかもしれません。そう聞いて、「山に登りたければ、日本の山に登ればいいじゃないか。わざわざ海外に出かける必要ないだろう」と思った人も少なくないでしょう。
確かにそのとおりです。にもかかわらず、どうして僕があえて海外の山に登ることにしたかと言えば、それには人間が持っている優れた美徳の一つである「向上心」が強く影響しています。
何らかの目標や成果を達成すると、さらなる高みを目指したくなるのが人間という生物の(悲しい?)性。特に登山を趣味とする人間は、ある山に登頂すると、それよりも高く険しい山に登ってみたいと思うようになるのが普通です。
日本で最も高い山と言えば、標高3,776mの富士山。僕はこの富士山に、これまで何度も登ってきました。富士登山もそれなりに魅力的ですが、やはり何度も登っていると物足りなくなってきます。
「もっと高い山に登ってみたい」
僕の心の中ではそうした思いがどんどん強くなっていきました。
ただ残念なことに、日本には富士山より高い山は存在しません。より高い山に登ろうと思ったら、海外に遠征する必要があります。日本を飛び出さないかぎり、3,776mより高い地点に立つことは永遠にできません。僕は富士山に登るうちに3,776m超えの思いがどうしても抑えきれなくなり、そこで思い切って海外の山にチャレンジすることを決意したのです。
■まずは日本から近くて標高が手ごろな山から
ひとくちに「海外の山」と言っても、それこそ「山ほど」あります。日本の比ではありません。その膨大な数の山の中から、どれかを一つ選ぶ必要があります。
「どの山に登ろうか」
そう考えたとき、真っ先に頭の中に浮かんできた候補が、台湾の「玉山(3,952m)」とボルネオ島の「キナバル山(4,095m)」でした。理由は大きく分けると三つあります。

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山頂からの眺め。
地球の隅々が一望のもとに見渡せるほど高いところに思えた。
一つ目は、日本から近いこと。台湾へは飛行機で3時間30分くらい、ボルネオ島へは5時間30分ほどです。この程度の移動距離と移動時間なら肉体的・経済的な負担が少なく、また万一、天候不順や機体不良などのトラブルでフライトに支障が生じても、どうにかスケジュールの立て直しが図れます。
二つ目は、標高が手ごろだったこと。高所登山の経験がない僕がいきなりヒマラヤの7,000m~8,000mクラスの山に挑むのは無謀以外のなにものでもありません。いつかチャレンジしてみたいという願望は持っていますが、やはり何事も段階を踏むことが大事。その最初のステップとして、富士山より数百m程度高い山を選ぶのが無難だと考えました。
三つめは、「玉山」「キナバル山」ともに登山初心者でも登れる難易度の低い山だったこと。いずれの山も登るのに特別な技術は必要なく、気力と体力さえあれば誰でも登れます。
「玉山」と「キナバル山」のどちらにしようか迷いましたが、最終的に選んだのがキナバル山。理由は単純で、3度訪れたことがある台湾に対し、ボルネオ島は一度も訪れたことがなかったからです。登山を楽しむだけでなく、できればボルネオ島を見て回りたいとも考えました。それが決め手となり、キナバル山に登ることにしたわけです。(続く)

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これがキナバル山。標高4095m。
堂々たる山容である。
■海外の山に登ってみようと思った理由
日本にはたくさんの山があります。その数は数千、もしかすると万を超えるかもしれません。そう聞いて、「山に登りたければ、日本の山に登ればいいじゃないか。わざわざ海外に出かける必要ないだろう」と思った人も少なくないでしょう。
確かにそのとおりです。にもかかわらず、どうして僕があえて海外の山に登ることにしたかと言えば、それには人間が持っている優れた美徳の一つである「向上心」が強く影響しています。
何らかの目標や成果を達成すると、さらなる高みを目指したくなるのが人間という生物の(悲しい?)性。特に登山を趣味とする人間は、ある山に登頂すると、それよりも高く険しい山に登ってみたいと思うようになるのが普通です。
日本で最も高い山と言えば、標高3,776mの富士山。僕はこの富士山に、これまで何度も登ってきました。富士登山もそれなりに魅力的ですが、やはり何度も登っていると物足りなくなってきます。
「もっと高い山に登ってみたい」
僕の心の中ではそうした思いがどんどん強くなっていきました。
ただ残念なことに、日本には富士山より高い山は存在しません。より高い山に登ろうと思ったら、海外に遠征する必要があります。日本を飛び出さないかぎり、3,776mより高い地点に立つことは永遠にできません。僕は富士山に登るうちに3,776m超えの思いがどうしても抑えきれなくなり、そこで思い切って海外の山にチャレンジすることを決意したのです。
■まずは日本から近くて標高が手ごろな山から
ひとくちに「海外の山」と言っても、それこそ「山ほど」あります。日本の比ではありません。その膨大な数の山の中から、どれかを一つ選ぶ必要があります。
「どの山に登ろうか」
そう考えたとき、真っ先に頭の中に浮かんできた候補が、台湾の「玉山(3,952m)」とボルネオ島の「キナバル山(4,095m)」でした。理由は大きく分けると三つあります。

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山頂からの眺め。
地球の隅々が一望のもとに見渡せるほど高いところに思えた。
一つ目は、日本から近いこと。台湾へは飛行機で3時間30分くらい、ボルネオ島へは5時間30分ほどです。この程度の移動距離と移動時間なら肉体的・経済的な負担が少なく、また万一、天候不順や機体不良などのトラブルでフライトに支障が生じても、どうにかスケジュールの立て直しが図れます。
二つ目は、標高が手ごろだったこと。高所登山の経験がない僕がいきなりヒマラヤの7,000m~8,000mクラスの山に挑むのは無謀以外のなにものでもありません。いつかチャレンジしてみたいという願望は持っていますが、やはり何事も段階を踏むことが大事。その最初のステップとして、富士山より数百m程度高い山を選ぶのが無難だと考えました。
三つめは、「玉山」「キナバル山」ともに登山初心者でも登れる難易度の低い山だったこと。いずれの山も登るのに特別な技術は必要なく、気力と体力さえあれば誰でも登れます。
「玉山」と「キナバル山」のどちらにしようか迷いましたが、最終的に選んだのがキナバル山。理由は単純で、3度訪れたことがある台湾に対し、ボルネオ島は一度も訪れたことがなかったからです。登山を楽しむだけでなく、できればボルネオ島を見て回りたいとも考えました。それが決め手となり、キナバル山に登ることにしたわけです。(続く)
玉山とキナバル山ってやはり行きやすい山ですよね。私たちも両方検討したのですが、玉山は45日以上前に申し込んで、抽選があると言うことなのでやめました。で、キナバル山は姿もいいし4000mを少し超えているし、やはり、キナバルにして良かったです。
続き楽しみにしています。
コメントありがとうございます。僕もキナバルにして良かったと思っています。
ちなみに今度、パプアニューギニアのウィルヘルム山への登頂を計画しています。
寒河江さんにもよろしくお伝えください! また山でお会いしましょう。
今年はウィルヘルム山ですか。いいですねー。キナバルより大変そうですね。私たちは玉山の予定です。