ものつくりおじさんの制作日誌

ものつくり大好きおじさんがいろいろなものを作っていきます。

【革細工】フリスクケースを作る。

2023年04月09日 | レザークラフト

今回もゆったりレザークラフトをやっていきます。今回は私のBASE販売ページから売れた「フリスクケース」です。販売ページは↓です。

 

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手縫いの革製品を2021年9月から販売を開始しています。商品はあくまで参考で、微妙な仕様変更がある可能性もあります(日々良い物を作るために改良を重ねています)。在庫の...

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つい2週間前にもフリスクケースが売れまして、作ったばかりだったので型紙は埋もれずに残っていました(笑)

基本的な流れは、型紙を革に写す→革を切り出す→革を染色する→水で型を固定させる→縫い合わせる→仕上げ処理です。

CADではなく工作用紙で作った型紙です。実際のフリスクケースから型を合わせて作るのでCADよりも紙で作っちゃったほうが早く、寸法の失敗もないです。何かのケースの場合は極力、現物合わせしたほうがいいです(経験談)

革は無染色ヌメの1.5㎜を使います。薄すぎるとペラペラ、厚すぎると窮屈になりすぎるので1.5㎜厚くらいがちょうどいいです。ある程度の大きさに切り出したらエアスプレーを使って染色していきます。USB充電式のモバイルエアスプレーですが、余分なコードもなく手のひらサイズで完結するので超便利です。たしかamazonで1万円くらいでした。

使う染料は水性革染料で、空色・青色・黒色の3色です。ご依頼品は横浜ベイスターズの色とロゴで、ということで青のグラデーションに仕上げます。エアスプレーがあればグラデーションも簡単で、最初に空色を満遍なく吹き付け、次に青色を中心部を避けて吹き付け、最後に黒色を遠目から外縁部に吹きかけます。そうすることで外側から内側に段々薄い色に変化していくグラデーション革が完成します。

染色が終わったら、半乾き(もしくは乾いた状態)で革をオイルアップしていきます。基本的に無染色ヌメ革は油のないカラカラ状態で、染色後はさらに油不足の状態です。人間の肌と同じで濡れて乾いたあとはカサカサなのでしっかりと保湿して柔軟性を与えてあげます。私はニーフットオイルを使用していますが、作家ごとにどのような油を使うのか拘りがあると思います。

革をオイルアップした後は色落ち防止のために色止め材を塗ります。最近はワックスコートを使っていますが、基本的には水性の樹脂系仕上げ材で染色面をカバーします。トコ面はボサボサと毛羽立っているのでトコノールなどの床面処理剤で毛羽立ちを抑えてあげます。

次に革を型紙からけがいた通りにカットしていきます。カットの道具は革包丁やカッターで行い、角部を丸くするためにヘリ落としで角を落とします。

次の工程が重要で、革にたっぷりと水を含ませた後にフリスクケース本体に巻き付けてマスキングテープで覆います。この状態で翌朝まで放置して乾かします。ヌメ革は濡れた時に柔らかくなり、乾くと硬くなる特性があります。その特性を利用して、濡らした状態で形をつくってあげて乾かして形状を固めます。

乾くとこんな感じでしっかりと形が出来上がります。コバ部分が白いので綿棒に染料を浸して部分的に塗って青く染めます。

コバを染めた後に縫い線を作っていきます。ステッチンググルーバーで端から3㎜の場所に線を引き、菱目打ちで軽く縫い穴の跡を付けます。

菱目打ちの跡を錐(目打)で穴を開けて、手縫い糸でクロスステッチしていきます。使う糸はもっぱらポリエステル系の糸です。これは蝋引きされていないので蜜蝋を糸に擦り手縫いします。

手縫いが終わるとこんな感じになりました。この後はトコノールでコバ面をしっかりと磨いてあげます。

レーザー刻印するとこんな感じです。依頼主の名前と、横浜ベイスターズのロゴを刻印しました。まぁ版権的にはアウトかもしれませんが、これを量産して売っているわけではないのでセーフ?(ギリギリアウト?)

まぁ大きい声ではあまり言えないですが、ご依頼があればオーダーメイドなので刻印します!これが何十個も版権ものを作ってくれという依頼だと断りますが…

このフリスクケース、かなりタイトに作っているので装着が結構キツキツです。水に濡らした状態で柔らかくして入れたり、十分濡らして外せば大丈夫です。フリスクケースに嵌めた状態で縫い合わせたので必ず入ります。側面はクロスステッチなので、やっぱり糸が摩耗で擦り切れる可能性は高いです。といっても私自身2年前に作った同じケースを愛用していますが、今のところ大丈夫そうです。

 

では、本日はここまで。割と良心的な値段でフルオーダーを受け付けているので、気になる方はぜひご利用ください。

とはいってもあくまで趣味の延長なのでそれなりに時間はいただきます。

 



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