monology

R60628

2024-06-28 14:30:00 | monology

不意に合掌したくなることは
ないだろうか
不意に礼拝したくなることは
ないだろうか
何に対してでもなく

手を合わせ
ただ沈黙を捧げる
願いはなく
嘆きもなく

礼拝したくなることは
ないだろうか

この寺院に





R60523

2024-05-23 21:17:00 | monology
ヒメジョオンの群れの中を
初夏のモンシロチョウが舞っていた

未熟な新米探偵が尾行するように
ばればれに
少し離れて
後を付いてきた

そのあどけなさが
けなげさが
空へ旅立った白猫のようで、、、

あんまり私が悲しむので
ふらりと様子を見に来たのだろうか

しかし執着を嫌う彼は
いつものすんとした調子で
ヒメジョオンの中に紛れていった

R60428

2024-04-28 10:12:00 | monology
人は自分の尊厳を失った時、
生きたいように生きられない時
死にたいと思うのだろう。
でもなぜ私は死ななかったのかと言うと、自分が何か自分でないものに覆われている
と感じていたからだった。
自分以外の何ものかに支配されたまま
死にたくなかった。

催眠術にかけられた人が玉葱を果物だと思って美味しそうに食べているのを見たことがある。
自分もそうなんじゃないだろうか。
そんな感覚がある。

夢を見ているとき、夢の中では
普通に動いているけど
なんとなく現実とは違った感じがあるみたいに。

そう、まるで夢の中の住人のようだ。
だから、目を覚ましたい。
現実を変えるのではなく
今見ている夢から目覚めたい。

R60403 猫

2024-04-03 14:46:00 | monology
以前猫たちと暮らしていた。
なんだってこんなに可愛んだろうかと
何日も観察していた。
そうすると私の中から「可愛い」が
溢れて彼らに到達するのが分かった。

彼らが可愛いと言うより
私の中の「可愛い」と言う感情を
彼らが引き出しているのだった。

私の中にたくさんの感情が存在していて
外の刺激に反応して
(本当は自分の固定観念に反応して)
それが引き出される

彼らは私の錆びついた心の中から
優しさや慈しみや愛おしさなどの
感情を引き出してくれ

「これらはみんな君の中にあるんだよ」と
教えてくれたのだ

R60326 今

2024-03-26 09:19:00 | monology
「今」と「この瞬間」は私にとって違うものだ
今と言うと1秒位のことを言いそうだけれど
そうではなく、
例えばその1秒とか0.1秒の中に無限に
クリアファイルの様なものがあって
その無限に存在するファイル一つ一つに
これもまた自分の無限の意識が
滑り込んでいる、そんな感じだ。

1cmを分割し続けても理論上
永久に空間は存在するみたいに
そのファイルは存在する。

一般的に言う“瞬間”を「今」
と言うには長過ぎるし雑過ぎる。
・・・と言うより
今とは時間のことではないのだと思う。