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R50913 視線恐怖者の見た夢

2023-09-13 13:25:00 | monology


意識は

地球のコアに向かっていた

マントルを抜け、

内核へと潜って行くと

巨大な目が現われた

 

ゆっくりと瞬きをする目

私の恐怖する目

静かにこちらを見ている


その目の奥には光り輝く何かがあって

私は視線恐怖を克服できるのかも知れない

などと考えた

 

私は目の中に入っていった

何か素晴らしいものを期待して

 

目の中に入っていくと

何百年も、

或いは千年も放置されているような

朽ちた廃墟が現われた


誰かに知られることもなく

何の生命もいないただの廃墟だった

 

廃墟に少し驚きながら進んで行くと

宇宙空間のような広い場にでた

さらに進んで

ようやく地球のコアに辿り着いた

  

そこで胎児の自分を見た。

コアに包まれ全く無防備に眠っている胎児。

不安や恐怖を知らない原初の存在

 

 

「目を見ればだいたいその人が分かる」

「目を見て話しなさい」

「目を見ない奴は信用できない」

「目は口ほどに物を言う」

人間界で目はとても重要な意味を持っている。

 

それなのにそこで見た目は

地球が教えてくれた目とは、

ただの廃墟への入り口でしかなかった

 

目のずっと奥、

遥か遠いところ

他者が決して辿り着けないところ

そこに人のコアはある


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