「まもなく日本円は紙くず化する…この半年で5兆円超の資産価値を失った日本銀行が債務超過で潰れる日」 藤巻健史 PRESIDENT Online
日銀破綻への藤巻健史氏の重要論文なので少し丁寧に整理してみよう
「日銀が11月28日に発表した4~9月期決算によると、保有国債を時価評価すると8749億円もの含み損が発生・・・6カ月で5兆2483億円も資産価値を失った・・・0.058%の金利上昇で」
「雨宮正佳日銀副総裁・・1%の金利の上昇で28.6兆円、2%で52.7兆円、5%の上昇で108.1兆円、11%上昇で178.8兆円の評価損を食らう・・・日銀の引当金+準備金は9月末で11.1兆円しかない」
「日銀の信用が揺らげば、貧乏と増税地獄が待っている・・・国債債券先物市場では、10年債金利6%の架空の債券が取引されている」
「黒田東彦日銀総裁・・「日銀は償却原価法すなわち簿価会計を採用しているから財務上、損失が現れることはない」・・・この答弁は国際標準では通用しない・・・世界の信用審査は問答無用で時価評価・・仮に簿価会計で信用を測り、純資産なら問題なしとなれば、リーマン・ブラザーズも、山一證券も倒産などしなかっただろう・・・つい先日、英国のトラス前政権が市場の反乱で史上最短で崩壊したが、あれも債券の時価評価の結果である」
「「紙幣をいくらでも刷れるから大丈夫」はウソ・・・米銀はG7の主要先進国であろうと、国も中央銀行も倒産の可能性があると判断し、時価評価をしたうえで取引枠を定めていた。信用が落ちれば取引枠が削られ、最悪の場合、廃止される。」
「2018年の日本金融学会の特別講演で、雨宮副総裁自身が以下のように述べている。「マネーが『信用』を基盤とする点は変わらないでしょう。そして、このような信用を築き上げるには『コスト』がかかります。(略)ソブリン通貨(円のような法定通貨のこと)の場合は、中央銀行の独立性を担保する制度的枠組みや、信頼に足る業務や政策のトラックレコードなどが必要となります。もちろん、中央銀行への信用がひとたび失われれば、ソブリン通貨といえども受け入れられなくなることは、ハイパーインフレの事例が示す通りです」」
「雨宮副総裁が述べたことは「日銀財務が健全ならば」という大前提が守られた上での話だ・・・しかし今は大前提が崩れている」
「現在日銀は、新発10年債に対し0.25%の指値オペを行うことにより、必死で長期金利の急騰を抑えている・・・長期金利が上昇すれば、巨額の債務超過で、日銀の信用、ひいては円の信用が失墜してしまう」
「495兆円の日銀当座預金に1%の付利を行えば4.95兆円の支払い金利が発生する。2%の付利で、9.9兆円もの支払い金利増だ。今の年間1兆円から1兆5000億円の収入だと毎年巨額の純損失の発生だ。生じた評価損を純利益で穴埋めなどできない・・・日銀の債務超過は、世界が一直線にデフレに逆戻りしない限り、簡単には解消しない」
「学問的に中央銀行が債務超過になっても大丈夫な条件が3つある
①債務超過が一時的だと考えられること
②中央銀行の債務超過がその国の金融システムを助けるためで中央銀行自身のオペレーションは適格におこなわれていること
③国の財政が健全化に向かっており、将来税収で、中央銀行の債務超過を補塡できる目途があること。
日銀は以上の条件を何一つ満たしていない・・・日銀は、日本の物価上昇が激しくなっても対処する手段が無い。債務超過がでかくなりすぎるからだ」
確かにその通りにも思えるが・・
10年ものを0.25%程度で、日銀が買い続けられれば、そこまでは持つように思えるが・・
1211の中尾元財務官が心配するように、極端に流動性が低くなり、突如暴騰・暴落という状況まで行って、破局が訪れるのではないかなぁ・・・
2023年に来るか?