心の刺・背中の針

シロクマブログ 2nd ステージ。ヒトとクマとハリネズミのドイツ暮らし。

刺青 この身体に刻んでおきたかったもの 2

2015-10-04 | 日記とか、日々のいろいろ
もう10月なんですね~。今年の僕の一番のニュースであろう、刺青。
いやあ、この後に及んで、これ以上の大事件が起きてくれちゃったりしないことを切に願ってますですよ。
だいたい、まだ厄年抜けてないんだっけか?数え年で43って…

僕はスタジオ内での普通のセッションが三回(四回だったかな?)の他にタトゥコンベンションの会場で二回掘っているんだけど、今回はちょっとだけ、コンベンション会場って、その刺青をどんなところでどんな風にやってたのか、ご紹介しますですます。

会場になるのは、フランクフルト・メッセ。本の見本市やフランクフルトモーターショーなど、国際的な大きなメッセが開かれる大きな、そして有名なところなんで、お仕事で、趣味で、行ったことある人も結構あるかもですね。
もちろん、そんなメッセ会場の中のホールを一つだけ使って(モーターショーではほぼ全部のホールを使います)わりとこじんまりと行われるのだけど、それでもすごい規模。出展数だけでも相当なもんで、世界各地からタトゥーアーティスト/スタジオが、参加してます。
海外やドイツでも遠方の都市から参加しているアーティストは、メッセの後、それぞれドイツ国内やヨーロッパの他の都市のホストスタジオで数週間から数ヶ月ほど滞在して、お仕事していったりしてるんですね。まぁ、そりゃ三日間のイベンドだけでは、大きな荷物持ってはるばる海外からやってきて元が取れないですもんね。



で、メッセのホールの中をこんな風にパーテーションで仕切って所狭しとブースが並んでるわけです。
ほとんどがタトゥスタジオのブースで、そこでアーティストなり絵がきにいったら、時間に余裕がある限り、その場で即刺青彫ってくれます。
とは言っても、人気のあるアーティストやスタジオは大体既に仕事中か、期間中全部予約が入っていたり、大きな作品だとコンベンションの期間中に仕上がらなかったり。
そうなると、その人がいるスタジオに後日行って(予約を取って)、そこで彫ってもらうことなるわけです。
僕も腰のやつは結局期間中に彫り終わらなくて、後日車で一時間ほどかけて、スタジオ行って仕上げてもらってきたクチです。

僕自身、当初はこの会場で刺青入れる予定はなくて、この後にスタジオの予約とってあって、初めてのタトゥを入れるから、その前に『刺青彫る』ってどんな感じかこの目で見ておこう!くらいの軽い気持ちで行ったんですね。
入場料は決して『軽い気持ち』で入れるお値段ではなかったですが(笑)、それでも中は満員御礼!

もともと、この時点でも大体欲しい絵柄は決まってたんですねどね。
なんとなくタトゥかっこいいから、じゃなくて『こういう理由で、これが欲しいから』だからその手段としてタトゥ、って感じだったんで。

僕たちは初日のわりと早い時間に会場入りしたんだけど、もうどっこもかしこも彫ってます!あはは~!これ、スッゲー光景だね。本当壮観!上半身裸になって施術台に横になって背中全面とか既に始めてる人もいたり、すげーすげーとしか声が出ないの(笑)。
そのコンベンション会場で気に入ったスタジオの名刺もらってきたり(一個気に入ったスタジオがうちの近くだった!)、話を聞いたりしながら会場を一回りぐるっと一周。
今時のタトゥってみんな機械で彫るんですね、これ。
日本のスタジオってわけじゃないんだろうけど、日本人のアーティストさんも数人見かけました。

ほとんどがタトゥスタジオ(機械彫り)のもので、中にはTシャツや書籍などを扱うショップのブースもちらほら、という感じの会場の一角に伝統的な手彫りをするアーティスト太刀のコーナーがあります。
マオリやタヒチ、ケルトのそれぞれの伝統的なタトゥを施す人たちは数も少ないし、やっぱり目立ちます。
針のついた短い棒を小さなハンマーのようなもので肌に打ち付けて小さな点一つづつを肌に墨入れしていくアーティストはやっぱり圧巻で、おしゃれでヒップなピストルみたいなタトゥマシンを握ったニイちゃん達とは全く違うオーラ出してます。
手彫りのアーティストもブース出してるよ、興味深いよ、というのはいつも通ってるプールの監視員のおねいちゃん(二十代前半のブロンドの女の子で、自分もびっしりタトゥ入ってる)からも聞いて事前に知っていたのだけど、やっぱり見てると、目を奪われますね。

そんな手彫りアーティストのコーナーで、その時まだフライヤーを並べたり準備中だった方が僕の目をひときわ引いて。
それが僕の刺青を掘ってくださった相秀さん。
後ろに貼ってあった旗がね、絶対日本だ!って思って。
漢字のバナー自体は、世界的な和彫り、ジャパニーズモチーフの大人気もあって、中国系のアーティスト以外でもヨーロッパのアーティストのところでも『和彫り』『刺青』なんていっぱい見るんだけどやっぱり、パチモンとホンモノは持ってる空気からして違う!

それで、作業中のお忙しいところを、ちょっとお話ししたりして、やっぱり刺青っていいなぁ、って思って。
もともと、自分の日本人としてのアイデンティティ、どんどん遠くなる祖国日本を自分の中に刻み込んでおきたい、ってのがあったから、それならこれ以上にふさわしい人いないじゃん!って思って。

日本から来た、日本人の伝統手彫り師!

フランクフルトは初めてという彼に、それでお願いすることにしたんですます。
ちょうどコンベンションの期間中はまだ予約とかは入ってないって言ってたけど、僕とシュテファンで三日間の予約、全部押さえちゃいました(笑)。


(後半へ続く!)