ファチマの秘密(1)
ファチマの牧童の一人ルシチアはこう書いている。「秘密は3つの別々の部分からなっています。私はそのうちの2つをあらわにしましょう。最初の秘密は地獄のヴィジョンでした。・・・第二の秘密はマリアの汚れ無き御心への信心に関するものです。」(第三の手記[回顧録])
残念ながら、まだ私たちには第三の秘密は完全には分かっていない。しかし、シスター・ルシアがその第三の手記の中で最初から最後まで詳細に聖母のメッセージを書いているにもかかわらず、そこには第三の秘密は書かれていない。しかしそれを読むとあたかもこの聖母のメッセージには何らの分断も切れ目も無いかのようだ。
実はファチマの秘密を分析研究するにつれて、それらの3つの部分の秘密が1つのメッセージを形作っていることが分かってくる。そしてこの唯一の秘密は1917年7月13日に聖母によって告げられた。3つの部分は互いに分かち難くつながっている。
もちろんファチマのメッセージを信ずることはカトリック信仰にとって不可欠なことではない。しかし、私たちの母なる教会はこれを「信仰と道徳とに反するものではない」として信じることを認可したのだから、私たちはこれを安心して信じよう。天主の御母のメッセージに耳を傾けてみよう。だから私たちはしばらくの間このメッセージを黙想することにしよう。
まず、シスター・ルシアの手記に忠実に従い、事実関係を把握しよう。時は1917年7月13日金曜日である。私は以下にルシアが書いたポルトガル語の原文に最も忠実だと考えられるフランス語のテキストをもとに、その時何が起こったかを訳出してみよう。私はこの記事を書くために主に次の文献を利用する。
Toute La Verite sur Fatima, Tomes I a III par Frere Michel de la Sainte Trinite, Renaissance Catholique, Contre-Reforme Catholique, F-10260, Saint-Parres-les-Vaudes, France.この本はルフェーブル大司教様も、先日来日されたウィリアムソン司教様も強く勧めておられた本である。(この本をどなたかが全て日本語に訳して下さることを私は強くお願いします。)この本には英語版もあり、The Whole Truth about Fatima, available from: Immaculate Heart Publications, Box 1028, Buffalo, New York 14205 USA. 或いは、Immaculate Heart Publications, 452 Kraft Road, Fort Erie, Ontario, Canada L2A 4M7 CANADA.である。
また、日本語になっている文献として、光明社からの「ファチマの牧童」C.バルタス神父著[Chanoine C. Barthas (+26 aout 1973)]中山利喜太郎訳と、ドンボスコ社から出ている、「現代の危機を告げるファチマの聖母の啓示ールチア修女の手記」ヴィットリオ・ガバッソ志村辰弥 共訳編とをも参照した。
以下の訳でアンダーラインが引いてあるところは、ドンボスコ社から出ている、「現代の危機を告げるファチマの聖母の啓示ールチア修女の手記」では省略されているか、別の言葉になってしまっているところである。
「『あなた様は私に何をお望みですか』と私は尋ねました。
『私はあなたがここに来月の13日に来ることを望みます。そしてロザリオの聖母を崇敬するために、世界が平和を得、戦争の終わりを勝ち取るためにロザリオを毎日唱え続けることを望みます。なぜなら、そのお方(彼女)だけがあなたたちを助けることが出来るからです。』
『私はあなたがどなたでいらっしゃるのか私たちにおっしゃって下さるよう、そして誰もが私たちに御出現なさっているということを信じるように一つ奇跡をなさって下さることをお願いいたします。』
『毎月ここに来続けなさい。10月には私は私が誰か、私が何を望んでいるか、言いましょう。私は皆が見、信じるために一つ奇跡を行いましょう。』・・・
そしてこのお方は続けてこう仰いました。
『罪人たちのために犠牲をしなさい。たくさんこう言いなさい。特に何か犠牲をするときにこう言いなさい。”イエズスよ、これは御身を愛するため、罪人たちの回心のため、そしてマリアの汚れ無き御心に対して犯される罪を償うためです”、と。』
これらの最後の言葉を聖母が話されると、以前2ヶ月の間なさったように、もう一度両手を開かれました。
光線が大地を貫いたように見えました。そして私たちはあたかも火の海の様なものを見ました。
この火の中に浸かり込んでいるのは悪魔たちと人間の形をした霊魂たちでした。霊魂たちは透き通った燃える炭火のようで、皆真っ黒か褐色のようでした。彼らは雲のような煙と共に自分自身からわき出る炎によって持ち上げられ、この大火事の中に漂っていました。彼らは、恐ろしくまた恐怖のあまり震えおののかせる苦悩と絶望の叫びとうめきのまっただ中で重さも平衡感覚もなく、大火災の火の粉のようにあちこちに、また下に落ちていました。(私が「キャ!」という叫びをあげたと私の周りの人が聞いたといいますが、それはこの光景を見たときのことに違いありません。)
悪魔は燃えさかる黒い炭のように透き通ってはいましたが、汚らしい見たこともない動物の恐ろしい厭な形をしていたので地獄に落ちた霊魂たちとは区別されました。
この光景は一瞬間しか続きませんでした。私達の天の良きお母様が、最初の御出現の時に私達を天国に連れていくと約束されたおかげでです。もしそれがなかったら、おののきと恐れのために死んでいたことでしょう。
恐れのあまり、助けを求めるかのように私達は聖母に向かって目を上げました。聖母は優しく悲しそうにこう言いました。
「あなたたちはかわいそうな罪人たちが行く地獄を見ました。彼らを救うために、天主はこの世に私の汚れ無き御心に対する信心を確立するように望んでいます。もし私があなたたちにこれから言うことを人が実行するなら多くの霊魂たちは救われ平和になるでしょう。
戦争は終わるでしょう。しかし、もし天主を侮辱することを止めないなら、ピオ11世の統治下で別の更にひどい戦争が起こるでしょう。
あなたたちが未知の光を見るとき、天主がこの世をその罪のために戦争と飢饉、教会と教皇に対する迫害を使って罰を下そうという大いなる印を天主様があなたたちに下さっているのだと言うことを知りなさい。
これを避けるために私はロシアを私の汚れ無き御心に奉献することと、月の初土曜日に償いの聖体拝領をすることとを求めに来るでしょう。
もし人が私の要求を聞くなら、ロシアは回心し平和がやってくるでしょう。さもなければロシアはその誤謬を世界中に広め、戦争と教会に対する迫害とをもって挑発するでしょう。多くの善良なものが殉教し、教皇様は多く苦しまねばならないでしょう。無くなってしまう国々もあるでしょう。
*
最後には、私の汚れ無き御心が勝利を収めるでしょう。教皇様は私にロシアを奉献するでしょう。そしてロシアは回心するでしょう。そして世界には平和の一時期が与えられるでしょう。
ファチマの牧童の一人ルシチアはこう書いている。「秘密は3つの別々の部分からなっています。私はそのうちの2つをあらわにしましょう。最初の秘密は地獄のヴィジョンでした。・・・第二の秘密はマリアの汚れ無き御心への信心に関するものです。」(第三の手記[回顧録])
残念ながら、まだ私たちには第三の秘密は完全には分かっていない。しかし、シスター・ルシアがその第三の手記の中で最初から最後まで詳細に聖母のメッセージを書いているにもかかわらず、そこには第三の秘密は書かれていない。しかしそれを読むとあたかもこの聖母のメッセージには何らの分断も切れ目も無いかのようだ。
実はファチマの秘密を分析研究するにつれて、それらの3つの部分の秘密が1つのメッセージを形作っていることが分かってくる。そしてこの唯一の秘密は1917年7月13日に聖母によって告げられた。3つの部分は互いに分かち難くつながっている。
もちろんファチマのメッセージを信ずることはカトリック信仰にとって不可欠なことではない。しかし、私たちの母なる教会はこれを「信仰と道徳とに反するものではない」として信じることを認可したのだから、私たちはこれを安心して信じよう。天主の御母のメッセージに耳を傾けてみよう。だから私たちはしばらくの間このメッセージを黙想することにしよう。
まず、シスター・ルシアの手記に忠実に従い、事実関係を把握しよう。時は1917年7月13日金曜日である。私は以下にルシアが書いたポルトガル語の原文に最も忠実だと考えられるフランス語のテキストをもとに、その時何が起こったかを訳出してみよう。私はこの記事を書くために主に次の文献を利用する。
Toute La Verite sur Fatima, Tomes I a III par Frere Michel de la Sainte Trinite, Renaissance Catholique, Contre-Reforme Catholique, F-10260, Saint-Parres-les-Vaudes, France.この本はルフェーブル大司教様も、先日来日されたウィリアムソン司教様も強く勧めておられた本である。(この本をどなたかが全て日本語に訳して下さることを私は強くお願いします。)この本には英語版もあり、The Whole Truth about Fatima, available from: Immaculate Heart Publications, Box 1028, Buffalo, New York 14205 USA. 或いは、Immaculate Heart Publications, 452 Kraft Road, Fort Erie, Ontario, Canada L2A 4M7 CANADA.である。
また、日本語になっている文献として、光明社からの「ファチマの牧童」C.バルタス神父著[Chanoine C. Barthas (+26 aout 1973)]中山利喜太郎訳と、ドンボスコ社から出ている、「現代の危機を告げるファチマの聖母の啓示ールチア修女の手記」ヴィットリオ・ガバッソ志村辰弥 共訳編とをも参照した。
以下の訳でアンダーラインが引いてあるところは、ドンボスコ社から出ている、「現代の危機を告げるファチマの聖母の啓示ールチア修女の手記」では省略されているか、別の言葉になってしまっているところである。
「『あなた様は私に何をお望みですか』と私は尋ねました。
『私はあなたがここに来月の13日に来ることを望みます。そしてロザリオの聖母を崇敬するために、世界が平和を得、戦争の終わりを勝ち取るためにロザリオを毎日唱え続けることを望みます。なぜなら、そのお方(彼女)だけがあなたたちを助けることが出来るからです。』
『私はあなたがどなたでいらっしゃるのか私たちにおっしゃって下さるよう、そして誰もが私たちに御出現なさっているということを信じるように一つ奇跡をなさって下さることをお願いいたします。』
『毎月ここに来続けなさい。10月には私は私が誰か、私が何を望んでいるか、言いましょう。私は皆が見、信じるために一つ奇跡を行いましょう。』・・・
そしてこのお方は続けてこう仰いました。
『罪人たちのために犠牲をしなさい。たくさんこう言いなさい。特に何か犠牲をするときにこう言いなさい。”イエズスよ、これは御身を愛するため、罪人たちの回心のため、そしてマリアの汚れ無き御心に対して犯される罪を償うためです”、と。』
これらの最後の言葉を聖母が話されると、以前2ヶ月の間なさったように、もう一度両手を開かれました。
光線が大地を貫いたように見えました。そして私たちはあたかも火の海の様なものを見ました。
この火の中に浸かり込んでいるのは悪魔たちと人間の形をした霊魂たちでした。霊魂たちは透き通った燃える炭火のようで、皆真っ黒か褐色のようでした。彼らは雲のような煙と共に自分自身からわき出る炎によって持ち上げられ、この大火事の中に漂っていました。彼らは、恐ろしくまた恐怖のあまり震えおののかせる苦悩と絶望の叫びとうめきのまっただ中で重さも平衡感覚もなく、大火災の火の粉のようにあちこちに、また下に落ちていました。(私が「キャ!」という叫びをあげたと私の周りの人が聞いたといいますが、それはこの光景を見たときのことに違いありません。)
悪魔は燃えさかる黒い炭のように透き通ってはいましたが、汚らしい見たこともない動物の恐ろしい厭な形をしていたので地獄に落ちた霊魂たちとは区別されました。
この光景は一瞬間しか続きませんでした。私達の天の良きお母様が、最初の御出現の時に私達を天国に連れていくと約束されたおかげでです。もしそれがなかったら、おののきと恐れのために死んでいたことでしょう。
恐れのあまり、助けを求めるかのように私達は聖母に向かって目を上げました。聖母は優しく悲しそうにこう言いました。
「あなたたちはかわいそうな罪人たちが行く地獄を見ました。彼らを救うために、天主はこの世に私の汚れ無き御心に対する信心を確立するように望んでいます。もし私があなたたちにこれから言うことを人が実行するなら多くの霊魂たちは救われ平和になるでしょう。
戦争は終わるでしょう。しかし、もし天主を侮辱することを止めないなら、ピオ11世の統治下で別の更にひどい戦争が起こるでしょう。
あなたたちが未知の光を見るとき、天主がこの世をその罪のために戦争と飢饉、教会と教皇に対する迫害を使って罰を下そうという大いなる印を天主様があなたたちに下さっているのだと言うことを知りなさい。
これを避けるために私はロシアを私の汚れ無き御心に奉献することと、月の初土曜日に償いの聖体拝領をすることとを求めに来るでしょう。
もし人が私の要求を聞くなら、ロシアは回心し平和がやってくるでしょう。さもなければロシアはその誤謬を世界中に広め、戦争と教会に対する迫害とをもって挑発するでしょう。多くの善良なものが殉教し、教皇様は多く苦しまねばならないでしょう。無くなってしまう国々もあるでしょう。
*
最後には、私の汚れ無き御心が勝利を収めるでしょう。教皇様は私にロシアを奉献するでしょう。そしてロシアは回心するでしょう。そして世界には平和の一時期が与えられるでしょう。