人口減少に悩む岩手県葛巻町が、「若者限定アパート」の建設計画を進めている。
Uターン、Iターンを希望する若者らを町に呼び込み、安い家賃で定住につなげるのが狙い。県は「年齢制限がある公営住宅は県内では聞いたことがない」としている。町の未来を語り合う若者が集う、葛巻の“トキワ荘”となるか。
町の人口は2014年12月末現在、6854人で、減少傾向にある。民間の研究機関「日本創成会議」は、40年に若年女性人口が10年比で69・8%減ると推計し、「(町は)消滅する可能性が高い」としている。
町は町外からのUターン、Iターンを積極的に受け入れているが、ネックは「賃貸住宅の家賃が意外と高い」こと。町総務企画課によると、そもそも町内には集合住宅が少なく、新しい建物だと家賃が5万円を超えることがあるという。担当者は「都市部からは安く見えるかもしれないが、給与水準も高くない。給与の多くを家賃に取られては、若者の流出が進んでしまう」と懸念する。
定住しやすい環境を整えようと、家賃3万円程度の町営「若者限定アパート」を計画している。第1弾は江刈地区に建設予定で、1階に家族向け2戸、2階に単身者向け4戸の計6戸とする。早ければ夏頃の入居開始を目指す。入居条件は今後決めるが、町外からの移住者は40歳未満、町内の若者は就職時などの入居を想定してもう少し下げる方針。入居期間は原則3年、最長5年とする。
町は13年度から、若者を対象とした一戸建ての定住促進住宅を3棟建設したが、アパートも加えることで、より多くの入居環境を整える。将来は、小学校がある5地区にそれぞれ若者向けアパートを整備していく方針。事業費はうち2棟で1億円を見込む。総務企画課は「入居者には自治会や消防団、地域の行事などに積極的に参加してほしい」と期待している。
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