ニュージーランドに永住を求める人は年々後をたちません。
毎年約5~6万人以上の移住者を、この国は受け入れています。他の英語圏のアメリカ、イギリス、オーストラリアと比べても移住者に対し、とても寛大なところがあります。新しい移住者に対する政府のサポートは中々しっかりしてとても親切だといっていいと思います。
私たちがやってきた2002年、現在の移民法が大幅に改正される前、永住権を申請するには比較的容易な基準だった最後の年でありました。最初の4ヶ月間、昼間は英会話学校で勉強していたので、全く永住権のことなどお互い念頭になかったのでありましたが、ある日、知人からその申請内容を聞いた瞬間、私たちにもその可能性があることを知ってしまったのでありました。現在ではその内容は変更されたものの、恐らく基本的なところは変わっていないと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
申請前の私たちは、
“一生のうちに二つの国を自由に行き来できるなんて、なんて幸せなんだろう!”
と妄想を繰り返し、夢のような気分に浸っていました。まだ取れてもないのに、心は弾みまくり。
秋の紅葉の季節。さあ〝善は急げ〟と、学校に一週間ほど休みをもらい、どうやったら申請できるのか調査に入りました。まず手始めにとった方法としては、日本人向けに発行されている雑誌広告の〝初回相談無料〟という見出しで、いかにも怪しげーな弁護士が町にウジョウジョといたので、それらを徘徊し上手く利用しながら永住権に必要な情報をタダで収集していったのでした。その節はお世話になりました、多くの弁護士さん!
日本からの必要書類として大学の卒業証明書、職歴証明書、警察証明書などで、それに加えて3ヶ月以内の健康診断書をニュージーランドの病院で作成していただく必要があったと思います。一部の大学及び専門学校などを卒業した場合、更にNZQAという政府の資格審査機関があり、そこでニュージーランドの大学と同等の資格を有することの証明が必要でした。
このNZQAの審査に出すと、判定が下るまで最低でも6ヶ月間かかってしまいますので、前もってニュージーランド移民局のサイトを観て自分の学校が該当しているかどうか、確認されておかれたほうが良いでしょう。
特殊な技術を有さない申請者以外、残念ながら高卒ではまず申請は不可能でありました。また特殊技術といいましても、ニュージーランドに必要とされる技術、例えばIT・建築・農業・船舶等であれば、比較的容易に申請することはできますが、例えば「俺はトンネルを掘る仕事を日本で10年やってきた!」と、気を吐いたところでニュージーランドにトンネルは南島に一箇所しかありませんから、まず今後とも不必要な技術でしょう。ですから審査では間違いなく不合格となってしまいます。
また大学での「教員免許」「医師免許」を保持し、それに関係する仕事をニュージーランドで見つけたとしても、永住権申請のポイントとして見なされませんでした。私が良く使っていた駐車場で働いている荒井ちゅうに似たインド人と仲良くなったのですが、彼は本国では医者でした。ニュージーランドが自分の医者の資格を認めないと言っていました。勿論、英国人であろうと同等に審査されるのでありました。
さて、私は日本から不足している書類を一通り集め始めました。大学は一応NZQAの認定される学校だったので、一番時間がかかったのが警察証明書。日本領事館から申請依頼するのですが到着まで最低2ヶ月かかってしまいます。私たちは神に誓って駐車違反以外の日本における犯罪歴はありませんでしたが、お役所仕事にそんなことは関係ない!といった感じで、到着するのが遅かったこと。運命は我々に中々味方してくれようとはしてくれませんでした。
私たちが焦っていたのは、その2ヶ月間で移民政策の法律が急変し、その年の6月の末ポイント数が当初の25ポイントから28ポイント(ニュージーランドの永住権申請はポイント制度)に上がってしまったことでした。
申請時にポイントを達成させるためには、何がなんでも仕事を見つけなければならなくなってしまいました。仕事のポイント数は大きいのです。
しかし学生ビザで入国した私が一体どうやって、仕事を探せるというのだろう?私は毎日、新聞やInternetを眺めては出来る限りの仕事情報を集める毎日でありました。しかしビザなしの人間には世間はとても冷たいものでした。特殊技能などありません。ワーキング・ホリデービザを持った日本人が、簡単に仕事を見つけられることがどれほど羨ましく思えたことか。いろいろな販売店を脚で回り、何度も断れ馬鹿にもされながら、数少ないチャンスを待つだけでありました。
≪次回へ≫
毎年約5~6万人以上の移住者を、この国は受け入れています。他の英語圏のアメリカ、イギリス、オーストラリアと比べても移住者に対し、とても寛大なところがあります。新しい移住者に対する政府のサポートは中々しっかりしてとても親切だといっていいと思います。
私たちがやってきた2002年、現在の移民法が大幅に改正される前、永住権を申請するには比較的容易な基準だった最後の年でありました。最初の4ヶ月間、昼間は英会話学校で勉強していたので、全く永住権のことなどお互い念頭になかったのでありましたが、ある日、知人からその申請内容を聞いた瞬間、私たちにもその可能性があることを知ってしまったのでありました。現在ではその内容は変更されたものの、恐らく基本的なところは変わっていないと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
申請前の私たちは、
“一生のうちに二つの国を自由に行き来できるなんて、なんて幸せなんだろう!”
と妄想を繰り返し、夢のような気分に浸っていました。まだ取れてもないのに、心は弾みまくり。
秋の紅葉の季節。さあ〝善は急げ〟と、学校に一週間ほど休みをもらい、どうやったら申請できるのか調査に入りました。まず手始めにとった方法としては、日本人向けに発行されている雑誌広告の〝初回相談無料〟という見出しで、いかにも怪しげーな弁護士が町にウジョウジョといたので、それらを徘徊し上手く利用しながら永住権に必要な情報をタダで収集していったのでした。その節はお世話になりました、多くの弁護士さん!
日本からの必要書類として大学の卒業証明書、職歴証明書、警察証明書などで、それに加えて3ヶ月以内の健康診断書をニュージーランドの病院で作成していただく必要があったと思います。一部の大学及び専門学校などを卒業した場合、更にNZQAという政府の資格審査機関があり、そこでニュージーランドの大学と同等の資格を有することの証明が必要でした。
このNZQAの審査に出すと、判定が下るまで最低でも6ヶ月間かかってしまいますので、前もってニュージーランド移民局のサイトを観て自分の学校が該当しているかどうか、確認されておかれたほうが良いでしょう。
特殊な技術を有さない申請者以外、残念ながら高卒ではまず申請は不可能でありました。また特殊技術といいましても、ニュージーランドに必要とされる技術、例えばIT・建築・農業・船舶等であれば、比較的容易に申請することはできますが、例えば「俺はトンネルを掘る仕事を日本で10年やってきた!」と、気を吐いたところでニュージーランドにトンネルは南島に一箇所しかありませんから、まず今後とも不必要な技術でしょう。ですから審査では間違いなく不合格となってしまいます。
また大学での「教員免許」「医師免許」を保持し、それに関係する仕事をニュージーランドで見つけたとしても、永住権申請のポイントとして見なされませんでした。私が良く使っていた駐車場で働いている荒井ちゅうに似たインド人と仲良くなったのですが、彼は本国では医者でした。ニュージーランドが自分の医者の資格を認めないと言っていました。勿論、英国人であろうと同等に審査されるのでありました。
さて、私は日本から不足している書類を一通り集め始めました。大学は一応NZQAの認定される学校だったので、一番時間がかかったのが警察証明書。日本領事館から申請依頼するのですが到着まで最低2ヶ月かかってしまいます。私たちは神に誓って駐車違反以外の日本における犯罪歴はありませんでしたが、お役所仕事にそんなことは関係ない!といった感じで、到着するのが遅かったこと。運命は我々に中々味方してくれようとはしてくれませんでした。
私たちが焦っていたのは、その2ヶ月間で移民政策の法律が急変し、その年の6月の末ポイント数が当初の25ポイントから28ポイント(ニュージーランドの永住権申請はポイント制度)に上がってしまったことでした。
申請時にポイントを達成させるためには、何がなんでも仕事を見つけなければならなくなってしまいました。仕事のポイント数は大きいのです。
しかし学生ビザで入国した私が一体どうやって、仕事を探せるというのだろう?私は毎日、新聞やInternetを眺めては出来る限りの仕事情報を集める毎日でありました。しかしビザなしの人間には世間はとても冷たいものでした。特殊技能などありません。ワーキング・ホリデービザを持った日本人が、簡単に仕事を見つけられることがどれほど羨ましく思えたことか。いろいろな販売店を脚で回り、何度も断れ馬鹿にもされながら、数少ないチャンスを待つだけでありました。
≪次回へ≫