無言館のこと

信濃の丘の頂きにある遺された絵画の美術館です。60年前の若い画学生の青春と対話してみませんか?

よかった、、、、無言館が「菊池寛賞」を受賞!!

2005年10月16日 | Weblog
 
第53回菊池寛賞が決まりました;

野見山暁治、窪島誠一郎の戦没画学生慰霊美術館「無言館」
絵を描き続けることを願いながら戦没した画学生たちの遺作を集めて展示し、人々の心に感動を与え続けている営為に対して。

広く文化活動一般の分野において、その年度に最も清新かつ創造的な業績をあげた団体等が対象で、贈呈式は12月2日(金)午後5時よりホテルオークラ東京にて。


なんともうれしいですね。
「JR福知山線の事故に際して、社員約二百三十人が現場へ急行、負傷者の救助に当った日本スピンドル製造株式会社」などとともにお選びになった選考顧問委員会の姿勢に感激です。


Asahi com(10/15) から、窪島誠一郎館主のことばを引用します;

 「受賞はうれしいが、個人的には罪深さを感じる。遺族が50年以上保管してきた作品を受け継いで10年足らずしかたっていない自分が受賞するのが『罪深い』」
 「画学生の作品から、戦時下という八方ふさがりの時代でも人間は表現する存在だと知ることができる。受賞して改めて、創造力の尊さを伝えるという抜き差しならぬ使命感を感じる」
 「素直に喜べるのは、副賞100万円で収蔵作品の4、5点を修復できること。受賞式には30人の招待枠があるので、遺族に『おしゃれして出席しよう』と呼びかけることも楽しみ」

憎たらしいほど真剣で、ワルだけどシャイな、窪島館主ならではのコメントですね。
97人の画学生のご遺族、全国に散らばっていらして、かなりご高齢です。でも、是非おしゃれして出席してください!


「画学生たちの遺作を集めて展示する」と言うのは簡単ですが、長く家庭に保管されていた作品ゆえに修復が半端じゃない、さらに、増え続ける作品の収蔵庫、その維持・・・・大変なことなのです。


秋の上田市塩田平、「無言館」をぜひおたずね下さい。

また、全国巡回「無言館 遺された絵画」展は、
12月23日から広島県尾道市立美術館です。
なお、その図録(このブログの多くの写真)は、
NHKきんきメディアプラン
℡06-6945-7101
にて入手できます。