西夏文字 その解読のプロセス
新装版 西田龍雄著
図書館の新書コーナーで見つけて借りてみました。
こういう本を普通に入れてくれるあたり、やはり図書館はありがたいです。
西夏文字は中学生の時に井上靖さんの敦煌を読んで知りました。
漢字みたいだけど読めない・見たこともない、とても不思議な感覚に陥ったことを覚えています。
この本は、著者が西夏文字を解読したプロセスが詳細に記されています。
西夏国は1032年~1227年まで続きました。
西夏文字は西夏国の初代皇帝だった李元昊(りげんこう)の臣が作りましたが、西夏語のほかに、少なくとも漢語と漢字、それにおそらく契丹語と契丹文字(現在の中国北部とモンゴルあたり)に通じていたに違いない、と著者は書いています。また、西夏は翻訳が盛んだったようで、「論語」や「孫子兵法」やチベット語の仏典などを西夏語に翻訳したものが発見されているそうで、このように資料が豊富にあったことも解読を進めることにつながったそうです。
とはいえ、ひとつの文字のこの部分はこういう意味、右にこれが追加されるとこういう意味になる、ということを膨大な数の文字に対して行ったわけで、すごいとしか言いようがありません。
細かいプロセスは飛ばし読みしたので2日で読了しました。
著者の西田さんは2012年にお亡くなりになっていますが、敬意を表します。