Ha!っくしょんっっ~~!!
突然向かい席の客が大きなくしゃみをしたので、
慌ててその客寄りに置いてあった紅茶のカップを引きよせ、お茶を飲むふりをした。
ここは行きつけのカフェで、ただいま眺めのいい窓際で読書中。
私は長テーブルのはしっこに座っており、そこは向かい合わせの六人掛けとなっている。
とても大きな窓なので、水色の半透明に突き抜けた空も、古びた建物もダイナミックに目に入る。
一人掛けの席は皆壁沿いに面し設置されているため、残念ながら外を臨めない。
ここはさながら図書館喫茶か。
まるで暗黙の了解か、ほとんどの客が一人で、そこには本やらノートやらを持ち合わせ、
勉強や物書きと(私なんかはこっそりスケッチなんかしたり)して使ったり、
黙々と本を読んだりして、基本とても静かなのだ。
吉田篤弘さんの『圏外へ』は約五百ページほどもあるとても分厚い本で、
読み進めたいのだが、買ってからとうに一年は経っているのにまだたった二十ページたらずしか読んでいない。
基本私は速読なんぞ出来ず、作者の文の一字一句を丁寧に味わいながら、その情景をじっくり思い描かないと
読み進められないのだ。
そして一日の中で読書時間というのを決めればいいのに、家に居るとなかなか他のことをしてしまい、
作れるのに作ろうとしない。
そこで思いたったのが私的には独特だと思っているこのカフェで
この分厚い本を読破してやろうではないかと(もちろん何日かかけて)企てたのである。
四百円のカップ一杯の紅茶をちょびちょび飲みつつ早一時間。
もう一時間くらいは粘れそう。
というわけで再び私は『圏外へ』の世界へ入ります。
時刻は夕暮れ。
雲が薄桃色に染まりノスタルジィを運んでいく。
ふと見渡せばおよそ三十席ほどある小さな店内は客でいっぱいに満たされていた。
もじゃもじゃ頭の眼鏡をかけた店員さんがぽそぽそと丁寧に客の注文をとっている。
突然向かい席の客が大きなくしゃみをしたので、
慌ててその客寄りに置いてあった紅茶のカップを引きよせ、お茶を飲むふりをした。
ここは行きつけのカフェで、ただいま眺めのいい窓際で読書中。
私は長テーブルのはしっこに座っており、そこは向かい合わせの六人掛けとなっている。
とても大きな窓なので、水色の半透明に突き抜けた空も、古びた建物もダイナミックに目に入る。
一人掛けの席は皆壁沿いに面し設置されているため、残念ながら外を臨めない。
ここはさながら図書館喫茶か。
まるで暗黙の了解か、ほとんどの客が一人で、そこには本やらノートやらを持ち合わせ、
勉強や物書きと(私なんかはこっそりスケッチなんかしたり)して使ったり、
黙々と本を読んだりして、基本とても静かなのだ。
吉田篤弘さんの『圏外へ』は約五百ページほどもあるとても分厚い本で、
読み進めたいのだが、買ってからとうに一年は経っているのにまだたった二十ページたらずしか読んでいない。
基本私は速読なんぞ出来ず、作者の文の一字一句を丁寧に味わいながら、その情景をじっくり思い描かないと
読み進められないのだ。
そして一日の中で読書時間というのを決めればいいのに、家に居るとなかなか他のことをしてしまい、
作れるのに作ろうとしない。
そこで思いたったのが私的には独特だと思っているこのカフェで
この分厚い本を読破してやろうではないかと(もちろん何日かかけて)企てたのである。
四百円のカップ一杯の紅茶をちょびちょび飲みつつ早一時間。
もう一時間くらいは粘れそう。
というわけで再び私は『圏外へ』の世界へ入ります。
時刻は夕暮れ。
雲が薄桃色に染まりノスタルジィを運んでいく。
ふと見渡せばおよそ三十席ほどある小さな店内は客でいっぱいに満たされていた。
もじゃもじゃ頭の眼鏡をかけた店員さんがぽそぽそと丁寧に客の注文をとっている。