Seriously?

ひとりごとです

映画 ◾️◾️肉弾◾️◾️

2024年08月15日 | 映画
終戦記念日の特別上映
満席でした

笠智衆や北林谷栄も出てきた
ものすごい豪華キャストだ


映画 ◾️◾️肉弾◾️◾️

岡本喜八監督の作品
名前は聞いたことあったけど
初めて見ました

岡本喜八監督は1924年生まれ
ということは太平洋戦争中は
17歳〜21歳

戦況の悪くなった1945年招集され
陸軍予備士官学校で
終戦を迎えたのだそうです


この映画が作られたのが1968年
監督が44歳の時

戦時中の男性の平均寿命は
1968年よりも21.6歳も短かった

偶然、この物語の主人公も
21歳と6ヶ月だった…
というところで映画は始まる


この映画は
神風、回天、震洋、桜花などの特攻隊や
タコツボと呼ばれる穴を地面に掘って
敵の戦車が来たら
爆弾を抱えて下に潜り込むという
若者の命を恐ろしく軽視した数々の作戦に
強烈な怒り、批判をぶつけている

負けると分かっていたなら
どうして多くの犠牲が出る前に
降伏しなかったのか
特に特攻のように成功率の低い攻撃で
まるで弾丸のようにバラバラと
浪費させられたたくさんの若い命は
なぜ死ななければならなかったのか

そのように
痛烈に問いかけているように思ったが
シニカルな笑いも随所にあり
笑っているうちにいつのまにか
苦い批判は胸の奥底まで潜り込んだ



ネタバレ感想

ラストシーンは
映画が撮られた1968年
かつて
たくさんの命が散っていった海は
海水浴客で芋洗いのように
ごった返している

「ああ、平和になってヨカッタネ」
いう気持ちもあるのだろうけど

「あの時の苦しみを悔しさを
不条理さを怒りを
お前らは分かっているのか

あの時
我々が自分の命を賭して守った命が
お前らの命に繋がっていること
分かっているのか」

という憤懣遣る方無い叫びのようにも
感じた


「忘れてはいけない」
というメッセージは
今もTVで繰り返し流されているけれど
2024年のメッセージの声色と
映画の中の叫びの熱量は
明らかに違う

映画からは
戦時中の記憶や怒りがハッキリと
燃えるような勢いとエネルギーを持って
ガンガンと伝わってきた
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