cd shop songs

告知と作品紹介。

John Cage : Sonatas & Interludes / James Tenney(piano)

2019年02月13日 | Music


プリペアド(ピアノの内部弦に釘やゴムや木片などを挟んで音を変調させること)されたピアノの音には、綺麗に調律されたピアノとは違う気持ち良さがある。

捻れ。歪み。
西洋音階を外した音の並び。
壊れる快感、外れる歓び。
それは音の原初体験に立ち戻ることにもなる。
そして、長い時を経て正善と整理整頓されていった果ての西洋音楽の限界をも暗に示す批評行為でもある、と僕は受け止めている。

そんな、一般的には"狂った"ピアノがソナタと間奏曲という旧い形式の中に収まる奇特行為には、もしかしたら諧謔の意味もあるのかも知れない。

プリペアド・ピアノとソナタ/間奏曲。
約300年の年月。

この作品の聴きどころは、
300年の時空の飛び越えを
体感することでもある。

jame tenneyの演奏は、殊更プリペアドの響きを強調しない、エグ味の少ない音色。爽やかでさえある。だから、プリペアドの初体験に良い。

聴くたびに「ハロー!あなたはの耳は聴こえているか?」と、訊かれている気がする。


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John Cage(1912-1992) : Sonatas & Interludes(1946-1948) / James Tenney(1934-2006) piano(Hathut/2012/輸入盤)

1. Sonata 1
2. Sonata 2
3. Sonata 3
4. Sonata 4
5. Interlude 1
6. Sonata 5
7. Sonata 6
8. Sonata 7
9. Sonata 8
10. Interlude 2
11. Interlude 3
12. Sonata 9
13. Sonata 10
14. Sonata 11
15. Sonata 12
16. Interlude 4
17. Sonata 13
18. Sonata 14
19. Sonata 15
20. Sonata 16

Total Playing Time 50:26

在庫/ 品切れ中※再入荷予定あり
価格/
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882
送料/ ¥180より

Nels Cline & Julian Lage / Room

2019年02月11日 | Music


バンド「Wilco」のギタリストとしても知られる
ネルズ・クラインと新進気鋭のジャズ・ギタリストとして大きな注目を浴びるジュリアン・ラージ。

本作は、この2人のギタリストによるデュオ作品だ。

ジャケット写真を見てもわかるように、
本作はジミー・ジェフリー3『1961』(ECM/1992)
の兄弟的作品とも言える。

父と息子程年の離れた2人が
膝を突き合わせ、1つの部屋で
音を重ね合わせていく。

曲芸を披露し合うのではなく
お互いの音を空間に放つ様に。
会話をする様に。

フリー・ジャズを通過しながらも
簡素で気品漂うフレーズ。
複雑だか繊細で優しい和音を
時折忍ばせる。

特に幾つかの曲には、
うた"を閉じ込めた
静けさがそこにはあり、
繰り返し聴いている。

初期ジミー・ジェフリー3でギタリストを務めた
巨匠ジム・ホールに捧げた「Blues,Too」は、
僕の好きなタイプの「ジャズ音楽家による"ブルースの新解釈"」のひとつだと思う。

本作を聴いていると、
フリー・ジャズと現代音楽、
実験音楽寄りの即興音楽が
それぞれがジャズの中で近しい存在なんだ
という事に気付く。

とは言え、ジミー・ジェフリー的なマナーで
上記した音楽達をサラリと着こなしている。
そこが堪らなく良いし、何より洒落ている。

スティーヴ・レイシーに捧げたと思しき
「Racy」のスマートで少し惚けた表情。

モダンなモビール・アートで知られるカルダーに捧げたと思しき「Calder」の持つ静けさ。

原色のカルダーのモビールが詩的に揺れる様子を
伝承を香らせた素朴なメロディに、少しだけ不協和音を滲ませ認める。引き込まれる瞬間だ。

どの曲も本当に素晴らしい。
出会えて良かった、という気持ちは
今でも変わらない。


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Nels Cline & Julian Lage / Room
(Mack Avenue/輸入盤)

1. Abstract 12
2. Racy
3. The Scent Of Light
4. Whispers From Eve
5. Blues,Too
6. Odd End
7. Amenette
8. Freesia / The Bond
9. Waxman
10. Calder

Total Playing Time / 57:00

在庫/ 1
価格/ ¥2,000+tax
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882
送料/ ¥180より


Jimmy Giuffre 3/1961(2CD)

2019年02月09日 | Music


米国のクラリネット/サキソフォン奏者、
ジミー・ジェフリー率いるトリオが
1961年に録音したアルバム『Fusion』に
未発表曲を加え、リミックスした2枚組。

密なる間合いの響き。
抑制された、投げ入れる様な
3音の織り成す音響空間。

背中合わせにあるのは静寂。
その静けさが、訪れる時間を捉える。

その心地良い緊張。

クラリネット、ピアノ。
そしてウッドベース。

投げ入れた空間に問う様に、
会話する様に。

行間は抽象性を帯び、
美しさへの見立てを呼び覚ます。

ストイックに捉えた3人の
モノクロームの写真の放つ
美は時間軸を超える。

ジャズの根の一つであるブルースが
近代音楽を通過し、フリージャズの
残り香を匂わした室内楽の体で
描かれる冒頭曲「Jesus Maria」の
離れ技に言葉をなくす。

ちなみにこの編成の案元は、
ドビュッシーの室内楽曲に
着想を得たものだとか。

ジャズの根とそれを深化させた
クラシック近代現代音楽、
フリー・ジャズなど様々な要素を
モダニズム建築張りの
無駄の無いミニマルな構造美でもって
困難な混淆を、サラリとやってのけている。

古くからある素材と新素材とを
伝統を踏まえた技法で作り上げた
それまでにありそうでなかった
建築の様な、家具の様な音楽。


聴くたびに新鮮さを感じる名盤だ。



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Jimmy Giuffre 3 / 1961(2CD)
(1992/ECM)

Disc1
1. Jesus Maria
2. Emphasis
3. In The Moining Out There
4. Scootin' About
5. Cry,Want
6. Brief Hesitation
7. Venture
8. Afternoon
9. Trudgin'

Disc2
1. Ictus
2. Carla
3. Sonic
4. Whirrrr
5. That's True,That's True
6. Goodbye
7. Flight
8. The Gamut
9. Me Too
10. Temporarily
11. Herb & Ictus


在庫/ 1
価格/ ¥3,982+tax
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882
送料/ ¥180より


【2019年2月の営業日です】

2019年02月06日 | News


【2019年2月の営業日です】
◯は営業日。12:00-18:00。
△はサンデービルヂングマーケットにて
出店(11:00-16:00。柳ヶ瀬商店街内モスバーガー前、旧MARUICHI 1階)

妻の営む店「maua」
と共に「maua songs」として
夫婦で出店します。
僕は選りすぐりのcdを。
妻は自然米のおむすびを。

よろしくお願い申し上げます。


連載「巡る音、辿る音」#4

2019年02月06日 | News

僕の連載「巡る音、辿る音」掲載の
ミクスチャー・エンタテインメント・ガイド
「MEG」のvol.49 2019.January号が配布されています。

今回は、スコットランドの作曲家/編曲家
クイレグ・アームストロングの新作について
書きました。

「MEG」の設置配布場所は以下のURLを
コピー&ぺーストしてお調べください。

http://www.meg-net.com/about/distribution_spot.html

「ぎふメディアコスモス」でトーク致します。

2019年02月06日 | News



弊店が参加している
まちライブラリー活動の一環で
「本について語り合う」イベントに参加します。


【本の語り場(Bar)Vol.2】
平成31年2月15日(金)
午後7時〜8時30分
みんなの森ぎふメディアコスモス
1階 おどるスタジオ

好評につき、第2弾。

「ぎふまちライブラリー」企画
みんなで本を持ち寄って、
テーマについて語り合いましょう
というイベント。

「ぎふまちライブラリー」参加の
6つの商店主と参加者が、
テーマに合わせた本を紹介し合います。

参加したいと思う
お店/テーマに
合わせた
本をご持参下さい。

第1部
1. 山本佐太郎商店 山本慎一郎さん(テーマ/食)
2. cdshopsongs 鬼頭黎樹 (テーマ/音楽)
3. YAJIMA COFFEE 矢島 明 さん(テーマ/香り)

第2部
4. maua きとう ゆみこ さん (テーマ/お水)
5. 長崎屋本店 牧野 浩之 さん (テーマ/和菓子と文学)
6. 麩兵 川島 徹郎 さん (粉)

第1部 第2部 それぞれ1テーマずつまで参加出来ます。

参加費/ 無料
持ち物/ 参加テーマに合わせた本
申込み/ 岐阜市立中央図書館 (窓口/電話/E-mail)
問合せ/ 岐阜市立中央図書館 電話/ 058-262-2924 E-mail / moushikomi@gifu-lib.jp)

Brandon Ross/Puppet

2019年02月04日 | Music


ブランドン・ロスはN.Y.を拠点に
活動している黒人ギタリスト。

10代の頃からフリー・ジャズや
ロフト・ジャズ界隈に出入りし
演奏してきた人。

彼が敬愛するのは
同じく黒人ギタリストの
マイケル・グレゴリー・ジャクソン。

それに大きく頷けるのが
2004年発表の『Costume』、
そして2006年発表の本作。

深い闇の中に微かな光を
見つけた様な冒頭曲「If You Come To Me」は、
ブランドンの歌とギター、消え入りそうな
小さな音で弦楽が鳴る、音と静寂の間合いに
息を呑む名曲。

続く「May As Well Know」は、
美しく優しい闇の中に包まれ、
落ちて行く様な感覚。

6曲目「Marigolds 4 LNOR」も
彼らしいギターと歌にうっとりさせられる
名曲。

優しい夜の、静寂と音の間合い。余白。


幽かな音の響きの優しい夜へようこそ。

************************************

Brandon Ross / Puppet
(2006/intoxicate/国内盤)※2011年再発盤。中古。
帯付き。

1. If You Come To Me
2. May As Well Know
3. Aloeifa
4. South
5. O People
6. Marigolds 4 LNOR
7. Other Side Blues
8. Cycle
9. Puppet
10. Love From Above
11. Ordinary Before You
12. News (Of You)

在庫/ 1
価格/ ¥1,482+tax
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882
送料/ ¥180より

Michael Gregory Jackson/Clarity

2019年02月04日 | Music


黒人ギタリスト、
マイケル・グレゴリー・ジャクソンによる
1976年作品。

フリー・ジャズ後の
ロフト・ジャズ界隈の
厳しく険しくも
開かれた世界で
表現活動を追求してきた彼。

本作は、そんな背景を持つ彼の
牧歌的で美しい感性を持つ側面が
垣間見える初ソロ作品。

僕はブランドン・ロスが敬愛している
という事を知り入手した。
そんな事も頷ける、繊細さを感じさせる
独特の音楽性を持った逸材だ。

フリー・ジャズ以降の空気を孕みつつ
柔らかでゆったりとしたアンサンブル
が良い。

殆どの曲は予め作曲されたのだろうか。
規律と統制を感じる。

程良い緊張感のある
美しい不協和音を伴った
牧歌的な、ポスト・ロフト・ジャズの
世界。

特に、彼の青さを湛えた歌声と遊ぶ様に
刻まれるギターリフが美しい冒頭曲「Clarity」、
素朴な音色に安穏を見出した様に、静かに
祈る様に演奏される「Ballad」、コラールの様に静粛に奏でられる最終曲「Iomi」が群を抜いて
素晴らしい。

僕にとって、songsにとって、
絶対に置いておかないといけないと
思っている大切な作品だ。

************************************

Michael Gregory Jackson / Clarity
(1976/ESP-DISK)

1. Clarity
2. A View of This Life
3. Oliver Lake
4. Prelueoionti
5. Ballad
6. Clarity (4)
7. Ab Bb 1-7-3°
8. Iomi

在庫/ 0 ※近日入荷予定
価格/ ¥2,028+tax
送料/ ¥180より
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882 迄

店舗2階。

2019年02月01日 | Music

店舗2階は、
僕の読書部屋である。

砂壁を剥がした。
この古いアコーディオンは
ドイツのホーナー製。

Lamp『ランプ幻想』の
冒頭を飾る「儚き春の一幕」の
録音で使われた実物を
譲って頂いた。

渋谷から岐阜迄担いで
運んだ。

とても重たかったけれど
良い思い出です。


Arthur Russell/World of Echo

2019年01月27日 | Music


チェロを抱え、
電子ノイズを纏った
ニック・ドレイク。

米国中西部の片田舎で生まれ
70年代のニュー・ヨークで
現代音楽の最前線の場と
当時勃興しつつあった
ディスコの双方に足を突っ込み
独自の創作へ走り抜けた奇才、
アーサー・ラッセルによる
1986年作品。

諦念の混ざった様な
素朴なメロディを呟く、
その周りを、
彼は打楽器の様に
チェロを叩き鳴らす。
電子のノイズが浮遊する。
声と音がこだましてゆく。
ドラムも出てこない、
リズムボックスがいくかの曲で
鳴る程度だ。

このアルバムの全体の
雰囲気はそんな感じだ。

その声は
ニック・ドレイクの様に
鬱然としている。

病みつつも何故か
なだめられる様な
導かれる。

鬱陶とした雑音と
くぐもる様な声とチェロの音色。

現代音楽なのか
テクノなのか
シンガー・ソングライターなのか。
そのいずれでもなく、
そのいずれにもあたる、
正に音楽の架け橋の様な作品。

鎮痛作用を持つ
静かなノイズと混沌を湛えた
内省的な美しい音楽。

素晴らしすぎる。


******************

Arthur Russell / World of Echo
(P-VINE/1986)

1. Tone Bone
2. Soon-To-Be Innocent Fun/Let's See
3. Answers
4. Being It
5. Place I Know/Kid I Like You
6. She's the Star/I Take This Time
7. Treehouse
8. See-Through
9. Hiding Your Present From You
10. Wax the Van
11. All-Boy All-Girl
12. Lucky Cloud
13. Tower of Meaning/Rabitt's Ear/Home Away From Home
14. Let's Go Swimming
15. The Name of the Next Song
16. Happy Ending
17. Canvas Home
18. Our Last Night Together

Total Playing Time / 70:00

価格/¥2,400+tax
在庫/ 1
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882 迄
送料/¥180より


Tigana Santana/The Invention Of Colour

2019年01月26日 | Music


チガナ・サンタナは、
ブラジルはバイーア出身の
シンガー・ソングライター。

繰り出されるリズムと声に
ブラジルの血と骨と根を先ず感じる。

奴隷船でブラジルに連れてこられた
アフリカ人の最初の到着地、バイーア。
彼は、このブラジル北東部の州の都
サルヴァドールで生まれた。

作品の中で頻繁に聞こえてくる
脈打つリズムは、ここから来ている。

だが彼の、抑えくぐもった影のある声を
聴いていて思い出すのは、イギリスの
ニック・ドレイクだ。

灰色の空に似合う
ブラジルの血と骨の
リズムを刻みながら
翳る声を吐き出す、
黒い肌したニック・ドレイク。


******************

Tigana Santana / The Invention Of Colour
(Apres-midi Records/2012)

1. Encarnacoes Em Kodya
2. Elizabeth Noon
3. Suite (Ogum De Ronda - Katende-Mukongo)
4. Black Woman
5. Dialogo
6. La Leyenda De Los Eslabones
7. Lusuki
8. The Invention Of Colour
9. Mama Kalunga

Total Playing Time / 44:17

価格/¥2,400+tax
在庫/ 1
通販/ songsrecords@gmail.com
090-9127-6882 迄
送料/ ¥180より

Marcin Wasilewski Trio w/Joakim Milder/Spark Of Life

2019年01月23日 | Music


夕暮れの空だろうか。
渡り鳥の隊列飛行を捉えた
美しい写真に先ず惹かれる。
撮影は、ノルウェーの写真家
Morten Delbækだ。

ポーランドのピアニスト、
マルチン・ボシレフスキ率いるトリオに
スウェーデンのサキソフォン奏者、
ヨアキム・ミルダーを加えた編成で
録音された2014年作品。

ブラッド・メルドー以降を想わせる
優美な曲線描きながら解釈を拡げて行く
ポップス名曲カヴァーも良いが、
ボシレフスキ自作曲の美しさの最たること。

冒頭を飾る「Austin」から
その温もりを湛えた健やかな美学が
解き放たれ、喩え様の無い満ち足りた
気持ちにさせられる。

空の向こう側。
静かに移動して行く
雲の切れ間。
それらが織り成す
光と影、色合い、重なり。

「うん。大丈夫。」
思わず、そんな言葉を口にする。

遠いこの空の向こう側で
この曲を聴いている誰かを想う。

美しい、実に、美しい作品だと思う。

******************

Marcin Wasilewski Trio w/Joakim Milder
/Spark Of Life
(ECM/2014)

1. Austin
2. Sudovian Dance
3. Spark Of Life
4. Do rycerzy,do szlachty,do mieszczan
5. Message In A Bottle
6. Sleep Safe And Warm
7. Three Reflections
8. Still
9. Actual Proof
10. Largo
11. Spark Of Life

Total Playing Time / 73:51



価格/¥2,269+tax
在庫/1
通販/songs records@gmail.com 090-9127-6882 迄
送料/¥180より


Marcin Wasilewski Trio/January(2008/ECM)

2019年01月19日 | Music

Marcin Wasilewski Trio/January(2008/ECM)

東京の友人に
贔屓にしてもらっている。

大体2ヶ月毎に
僕の推薦盤を送っている。

彼の元気の素になれば良いなぁとか
きっと仕事ばかりで疲れているんだろうから
たまには仕事を忘れて、感覚を素直に解き放つ
きっかけになる様な作品を、とか。

もうかれこれ3年近くになるだろうか。
そんな事を続けている。



或る日、彼から電話で
こんな事を訊かれた。

「鬼頭さん、彼は誰どきの音楽ってありますか?」

恥ずかしながら
"彼は誰どき"という言葉がある事を
知らなかった。

急いでその場で調べた
すれ違っても暗くて誰か分からない、
そんな時間帯の事を言うのだそうだ。

考えてみたら
僕の下の名前の「黎樹」の黎の字は
黎明から取られている。

黎明も、夜明けとか時代の始まり
とか言う意味だ。

「この依頼は面白そうだな。」
快く受け入れ、早速"彼は誰どき"の
音楽を調べていった。

そして、こんな作品に辿り着いた。

ポーランドのジャズピアニスト、
マルチン・ボシレフスキ率いる
トリオによる2008年作品である。

新しいところではブラッド・メルドー、
古いところではキース・ジャレット、
そんな名前が思い浮かぶ端正で優しい
音を出すピアノ奏者だ。

そんな彼率いるトリオによる
アルバムタイトルは『January』(=1月)。
しかも1曲目のタイトルは「The First Touch」とある。

ジャレットの写真が素晴らしい。
正に夜明け前の暗がりの様ではないか。

「これだ!」
心に決めた。
初の"彼は誰どき"の音楽だ。

念の為、数十回試聴した。
最初の好印象から変わらない思いが
今でも続いている。



メルドー以降のポップス/ロック新解釈が
北欧ジャズの優美さと、ピアノ大国ポーランド
独特の凛々しいピアニズムが美しく結実した
作品だと思う。

マルチン・ボシレフスキの自作曲が
群を抜いて良いが、プリンス作の「Diamonds And Pearls」など、カヴァー曲の
美しい解釈もとても良い。


早起きは三文の徳。

街が寝静まっている
彼は誰どきに、こんな作品は
如何でしょうか。

************************************

Marcin Wasilewski Trio/January
(2008/ECM/¥2,269+tax/輸入盤)

1. The First Touch
2. Vignette
3. Cinema Paradiso
4. Diamonds And Pearls
5. Balldyma
6. King Korn
7. The Cat
8. January
9. The Young And Cinema
10. New York 2007

Total Playing Time / 70:50

在庫/2
通販/songsrecords@gmail.com か
090-9127-6882 各種SNS迄
送料/¥180より


明日1/20は臨時休業致します。

2019年01月19日 | News
明日1/20は臨時休業致します。
柳ヶ瀬商店街にて開催の
「サンデービルヂングマーケット」
も休みます。

来月2月17日(日)の
サンデービルヂングマーケットには
妻 由美子が営みます
自然米おむすびと無添加デリの店
「maua」との夫婦のコラボ企画店
「maua songs」として
出店致します。

夫婦で作っているフリーペーパー
「maua songs」も2月のサンビルにて
配布します。

宜しくお願い致します。

******************

私事ですが、
昨年12月10日、
自然米おむすびと無添加惣菜の店
「maua(マウア )」を営む
平野由美子さんと入籍しました。

夫婦共々
宜しくお願い申し上げます。

cd shop songs 鬼頭黎樹



冬にわかれて/なんにもいらない

2019年01月16日 | Music


冬にわかれて/なんにもいらない
(2018/P-Vine Records)


寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎の3人によるグループ「冬にわかれて」の2018年作品。

寡作の詩人、
尾崎翠の詩「冬にわかれて 私の春を生きなければならない」から付けられたというグループ名が先ず奮っている。

尾崎翠を早速読んだ。
中でもこんな一節に惹かれた。
. 「戸のすきまから音もなく流れてくる黎明の色に染められた障子の紙の、ミルクをながした程のすこし水色がかった色がかるく閉じた彼女の瞳から心へ朝らしい影を投げかける。その影をいつまでも放さないでさきがたの夢の柔らかい快さに浸っていたい今朝の春路の心であった。(「悲しみの頃」より)


本作は、3人各々が作詞作曲した曲を持ち寄ったアルバム。
メンバーは、作詞作曲をするにあたり、事前に尾崎翠を読んだのだろう。曲調はバラエティに富んでいるが、詩の世界は空の向こうで尾崎に繋がっている。


尾崎の詩が持つ
日常と非日常の間の中で
揺らめく様な言葉の連なりと
この3人が放つ
率直でナイーヴな言葉を携え
ゆらゆらと幻想的なサウンドで
立ち昇る様は、隔世遺伝の如き
血脈を想わせる、なんて言い過ぎだろうか。


寺尾紗穂の声とピアノ。
それらを包むアンサンブル。
彼等の音は遠い、美しい世界から聴こえて来る。

このアルバムが湛えている世界そのものが、今では消えてしまった幻の街、幻の録音スタジオで録られた様な。

だからこそ今の心に響くのだろう。
夢を見させてくれる様に。

******************

冬にわかれて/なんにもいらない(P-Vine Records/日本盤/¥2,800+tax)

1. 君の街
2. 耳を澄まして
3. 白い丘
4. おかしなラストプレイ
5. 月夜の晩に
6. 冬にわかれて
7. 甘露日
8. なんにもいらない
9. 優しさの毛布でわたしは眠る
10. 君が誰でも

在庫/ 売り切れ※再入荷予定有り
通販/可※songsrecords@gmail.com 迄
送料/¥180より