


Vagner Cunha convida Guinga "Depois do Sonho"(輸入盤/¥2,200+tax)
ブラジル現代音楽の世界で活動するヴィオラ奏者、ヴァギネル・クーニャが彼女率いる楽団カメラータ・オントアルテと共にブラジル希代の作曲家ギンガを楽曲に取り組んだ一枚。
ギンガの音楽の根っこの複雑さと滋養の強さ。
それは彼の中で独自に混ざったクラシック音楽とジャズとブラジル大衆音楽とブラジルの土着音楽の混合体故だと僕は思っている。
だからギンガの音楽をグイッと入る込むように聴き込んでいくと、彼の紡ぎ出したメロディや和声やリズムにその足跡や痕跡を辿ることが出来ると思います。
その珍しい程に精の付いた漲りは、彼の地の巨匠クラシック音楽家のヴィラ=ロボスやハダメス・ニャタリにも通じながらも、彼らが到達し得なかった"大衆音楽界での開花"を成しえていると思います。
その複雑で世紀の経年と記憶の湛えをポピュラー音楽界で淡々と描き続けたギンガ。
彼の音楽がいかに多方向への架け橋になっているのか。演者の主人公のヴァギネル4クーニャは、その事の本質を彼女の中のエレガンスと共に表現しています。
クラシック音楽とブラジル音楽の分かち難い感性の繋がり。簡単に言うとこれかなと思います。
ちょっと変わっている例ですけれど、ある意味ここからブラジル音楽とクラシック音楽、ジャズの感覚的な繋がりを面白がりながら、旅して頂けたらと思います。