仙人のブツクサ日記

風立ちぬのジレンマ

風立ちぬ見てきたんです。
初日のそれも9:30上映の初回。

そんなに見たかった?と問われると、そうでもない。
スキマが空いたのと、ヒマな土日は無駄に使ってしまうので、朝から行動したかったという理由。

とはいえ、ジブリ好きですよ。
未来少年コナンが、好きですからね。

朝イチでしたけど、満員でしたね。


で感想なんですが...
(ネタバレはしてないと思います)

オッサン以外にはウケないかもしれません
子供には全く響かないと思います。
女性は男のわがままに憤慨するかもしれません。


でもって、私はこのストーリーといいますか、もはや思想信念にまで行き着くんですが、
どっちつかずのモヤモヤ感がですね...嫌いじゃないです。


監督自身が抱えている思想の矛盾がカタチとして現れている気がします。


反戦だけど、兵器は大好き。
トンデモ兵器はもっと好き。


理性で抑えてるけど、実は多分戦争も好きなのかもしれない。


美しい飛行機がつくりたいのであって、戦闘機がつくりたいわけじゃないというエゴ。
それが作中に垣間みれて何ともスカッとしない(のが個人的には逆に良かった)。


劇中、主人公の夢の中でイタリアの設計技師がこんなこと言った。

「キミはピラミッドのある世界、ない世界、どちらを選ぶ? 私はある世界を選ぶ。」

主人公は答えない。

矛盾の解決法として、空想(物語)の中だけで文明を描き、更には争いを描くという方法もあるだろう。
であれば、世界が文明で崩壊することはないものね。
反面、文明を放棄するのだから自然の驚異には、あらがえなくなるわけだ。

そもそも現実を踏まえて、空想はできているわけで、
文明を放棄してしまえば、空想のヒントもささやかなものになるだろう。

『覚悟』の問題になるわけだけど、大多数の人はソコまで達観できない。


未来少年コナンは文明を否定しながらソレを描写しないと成り立たない。
ナウシカもそう。ラピュタもだ。
自然に対峙する空想メカが見るモノをワクワクさせるとしたら、結局そこには趣向の矛盾があるのだろう。

制作者の矛盾が視聴者に感染して、結果私のような同類が育つ。


思想としては博愛主義なのだが、メカが好き。


文明を肯定しながらも、コトが起るとその信念に懐疑的になる。
そして恐怖に対して短絡的になる。
突き詰めると何もかもが矛盾だらけ。
なんだけど...多分それが健全なんだとも思う。


極端にはなれないのですよ。確信がないからね。


風立ちぬは宮崎監督が抱える心情がカタチになっているようで、人間味溢れる映画なんじゃないかな~と私は思いましたよ。
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