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旧ソ連で生まれた格闘技『サンボ』の研究所

サンボの技術・トレーニング法を徹底的に研究します。

初級編

2006-11-09 14:36:27 | トレーニング理論

 「ロシアンパワー養成法・初級編」のトレーニングは従来の筋トレという意識を捨てないと、なかなか慣れるのが難しいと思います。

 体力と筋力はどう違うの?

 筋力をアップさせ、力の連動法(技術)を覚えれば同じ事なのでは?


 この様な質問がよくきます。

一般的体力とは全身を使い発揮される力で、一部分に負担がかかってしまう事を避ける身体の(楽な)使い方です。仕事(肉体労働)などは一般的体力が要求されます。1ヶ月やそこらで、筋力がアップするとは私も思いません。しかし、キツイ仕事もしばらく続けていれば、楽な身体の使い方を覚えてくるように、初級編のトレーニングはバランスを崩さない条件の下、全身の力を連動させ、楽に動くクセをつける方法であるのです。上級編のトレーニングでは更にそのレベルをアップさせるものです。

ロシアンパワー養成法の172ページ(襟をもたれたときの切り方・バージョン1)をご覧下さい。私はわかりやすくするために、両手を使い、かなりオーバーなアクションで組手を切っていますが、実際は片手で、上体をかぶせる力や身体を引く力は動きとしてほとんど見えないものです。上手く切れない場合にその動作を単純に上腕三頭筋の筋力不足と解釈しトレーニングを行い、組手が切れる様になるかと言うと、やはり一部の力だけでは難しいと思います。そして、よほど身体の使い方が天才的な一部の人間を除いて、トレーニング時と練習時にパッパと切り換えるのは難しいと思います。



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代謝速度

2006-10-10 19:58:52 | トレーニング理論
 サンボに適したトレーニング或いは、適さないトレーニングに拘らず、どのような方法でも私はすぐに結果が出ます。ゆえに私は自分の身体を実験材料にして、様々な方法を試す事が可能なのですが、何故それが可能なのかという(効果があらわれる)ことはスポーツ選手にとって、知っておくべきとても大切なことではないかと思います。

神経系のメカニズムを除けば、身体を適応させるスピードや怪我(大きなものから顕微損傷まで)を回復させるスピードは代謝の速度によって左右されるのです。もちろん怪我の場合は代謝の速度が早くても修復法が間違っている時に長引きますが・・・。

回復法を無視せずキチンとした知識があれば、同じ練習内容でも実力をもっと伸ばし、怪我を防いで選手生命を長くする事も可能ではないかと思います。


トレーニングや技術練習はもちろん大切ですが、回復法なくして実力を最大に伸ばす事は不可能なのです。


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朝の課業

2006-03-05 20:12:26 | トレーニング理論
 旧ソ連のトレーニングシステムでは、準備期(2段階)、試合期移行期の区分でトレーニング内容は異なり、長期のプログラム(一般的には1年~半年、サンボでは半年~3ヶ月のサイクルが多かったようです)が組まれていました。

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 しかし、どのシーズンでも「朝の課業」についてだけは毎日変わらず行われており、旧ソ連勢(ソ連崩壊後でも、どこの共和国の選手団も)が遠征時、やっているのをみかけました。

 「朝の課業」を日本風にいうなら「朝練」でしょうが、長距離走やサーキットトレーニングといった体力トレーニングという考え方ではありません。朝食前に代謝のレベルを高め、回復のサイクルを早くさせ、それによって身体的な諸資質も発達させて技術的な習熟も早めるためのものです。時間は30~40分位、内容は準備運動で行う各種ステップ手徒体操です。

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 現役時代の私は、少なくとも毎日10キロ程度走っていましたが、今考えると明らかにやりすぎです。長距離走は積極的休養か特殊なプログラム以外に用いられるべきでなく、技術の習得を阻害します。

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ストレッチ

2006-01-31 13:52:20 | トレーニング理論
 このブログをずっと読まれている方はもう大丈夫だと思いますが、準備運動として練習前にスタティックストレッチを行っている人が未だにいるようです。

 この間カイロプラクティックの勉強会に参加してきましたが、そこの講師も「スポーツを指導する人間が、準備運動としてストレッチを教えているのは勉強不足もはなはだしい!だから怪我をする選手が絶えないんだ!」と怒ってました。島根に同じような考えの人がいて嬉しかった反面、何の為に、何を、どの様に行うのかを全く考えないまま、指導者となる人が溢れている事には驚かされます。

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 ストレッチを準備運動として指導している人を見かけたら、質問して下さい。「筋肉や腱を伸ばす事が準備運動になるのですか?」  そして、教えてあげましょう。「怪我が多いのはそのせいですよ!」と。また、スタティックストレッチによって、筋力も一時期低下するという事もわからせてあげれば、その間違いに気づくはずです。腕を体側から上に挙げ肩の筋力を調べて(上から押さえる形で負荷を加えます)、ストレッチ後にもう一度調べてみましょう。筋力の違いが明らかになります。

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回復その4:水療法

2005-12-11 11:10:07 | トレーニング理論

 水による回復法プールホットバスなどいろいろ種類はあるのですが、ここでは、シャワーを使った回復法を書いていきます。

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 練習後のシャワーは、身体を清潔に保つものというイメージがあるかもしれませんが、旧ソ連においては、これも回復法として考えられており、温水シャワーがないような所は(野外においても)体育施設としては認められなかったようです。というのも、シャワーは練習、或いは試合後に最も簡単に出来る回復法であるからです。

 理想としては、「水圧や波動を変化できる特殊なシャワーヘッドを利用する」とされますが、そもそも物資不足のロシアで、一流のアスリートが利用する施設以外では、その特殊なシャワーヘッドを、見かけることがありませんでした。実際モスクワの体育大学でも、特殊なシャワーヘッドどころか、シャワーヘッドそのものがついておらず、管から直接水が出てくるものでした。

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 方法としては、まず温かいシャワーから始めます。水温は約46度で、それを30秒浴びます。次に冷たいシャワーを浴びます。水温は約15度で、これも30秒です。

 以上を1セットとし、5セット行います。

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 温水と冷水を交互に浴びる事によって、代謝の改善や、乳酸や毒素の除去、そして強壮効果が生じます。

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