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腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

ゆっくりと大きな声で。

2010年08月13日 13時01分10秒 | 日記
 月曜日に大先生の指示で、これまでのデータを発表することになった。
 
 大先生、ボス、中間管理職?の上司という少人数を前にしてのプレゼンテーションであったが、途中、大御所の先生から、
 「私は耳がよくないから、お前が言っていることが聞き取れない。よいデータは、よいプレゼンテーションで行われなければならない。Dr.○○○, speak more slowly, louder! 地声でカーネギーホールに響きわたるぐらいの声を出せるように発声練習をしなさい。」
 と注意された。趣味は、研究と、クラシックがほんの少しと公言されている人らしい独特の物言いである。

 われわれ日本人の発音の矯正には限界がある。ネイティブに理解してもらえる英語を話すためには、ゆっくりと大きな声で話す必要があるのだろう。たしかに、流暢な英語は無理でも、せめて通じる英語(working English)を使わないといけない。有難い助言である。

 データの一字一句を確認され、細かいところまで質問され、気が付いたら2時間近く経過していた。去り際に再び、「今日は面白かった。Dr.○○○, speak more slowly, louder!」と繰り返されるのを聞いて、ボスと上司に大笑いされてしまった。 
 まじめに仕事をしていても、どこかにユーモアの心があることは素敵なことだと思う。

 
 このような人物に対して「嘘やはったり」をかまして利用するような「プライド」がない人間にだけはなりたくないと改めて思った...。