湘南鎌倉総合病院 総合内科

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SKGH画像カンファレンス

2013-04-19 14:54:07 | 紹介
こんにちは。Dr.Waveです。

今年度も『SKGH画像カンファレンス』が開始となりました。


2013年度は毎週金曜日午後1時~2時に開催となります(2012年度は火曜日でした)。
形式は昨年度と同様で、2例の症例検討と李先生による読影レクチャーで構成されます。

プレゼンテーターは1年目初期研修医となりますが、プレゼンテーションは画像読影のための臨床情報提供用のものが求められます。
普段行っている鑑別診断のためのプレゼンテーション、コンサルテーションのためのプレゼンテーションとは違うことを意識して行います。
プレゼンテーションがpoorであったり、間延びしたものになるようであれば、同じチーム内の上級医がプレゼンをサポートします。

発表症例の登録は水曜日の午後1時までとしています。
症例は先着順で2例までです。
3例目で登録しようとする場合は翌週の枠で登録してもらっています。
これらは勿論クローズドの院内コンピューター内で行ってもらっています。

登録時にはIDなどの基本情報と必ずタイトルを入れてもらいます。
タイトルは聴衆となる研修医やスタッフの注意をひくようなものにします。
たとえば
「全身状態不良な病態に至った肺炎の一例」⇒重症な肺炎は何か通常の肺炎とは違う所見があるのだろうか?
「粟粒結核とサルコイドーシスと診断に苦慮した60歳女性の一例」⇒臨床症状だけでなく、画像所見で鑑別点はあるのであろうか?
「診断に苦慮した脳腫瘤の一例」⇒自分だったらどのような画像診断をあげるであろうか?
などです。

これはプレゼンテーション全般で言えることですが、「タイトル」作りからプレゼンテーションは始まっていると考えねばなりません。
聴衆をひきつけるone sentenseを作れる能力もトレーニングしてもらいたいと考えています。





本日の2例は「肺結核と粟粒結核が混在している一例」と「心内膜炎治療後に再燃した無症状の骨髄炎・硬膜外膿瘍の一例」でした。

色々なtipsがありましたが、いくつかのメモを。。。
・画像所見は画像読影を行うモニターで違うことを覚えておく。
・重症な患者さんだと呼吸コントロールができず、詳細な画像評価ができないことがある。とくに境界の評価は難しい。
・Patchy consolidation、sreaky opacity。
・結核の血流転移と経気道散布は分布を注意深く評価しなくてはならない。葉間にそった部位に微小結節があれば胸膜付近の分布として考え血流転移の可能性が高いと考える。癒合傾向も参考にする。
・硬膜外膿瘍は神経障害をきたす可能性があるので、骨髄炎・椎間板炎のときには合併を注意深く観察する。
・硬膜外膿瘍を疑う場合は、造影の脂肪抑制T1強調画像がよい。
・硬膜外膿瘍は菌血症や医療処置で起こることが多い。


いよいよ今年も始まりました。



新1年目初期研修医も早速プレゼンをやってもらいます。



最初は準備しながら要領を得ていくのが成長の最短ルートです。



一例目から結核患者さんでした。



小結節影の場合、気道散布か血行転移かを判断せねばなりません。



特徴をつかむには解剖学を知らないとなりません。



1年に数例は粟粒結核の患者に遭遇します。様々な臨床症状です。


結核血行転移では鑑別診断はあげておかねばなりません。大切なのは臨床症状と経過です。



リンパ節もときには参考になります。



2例目は硬膜外膿瘍の一例でした。



彼女も1年目初期研修医です。英語が流暢です。



脊髄・脊椎・硬膜周辺は解剖学が非常に重要な部位です(解剖学が不要な部位はありませんが)



やはり鑑別診断はもっておかねばなりません。



実際にあった様々な硬膜外膿瘍を提示していただきました。



臨床経過とともに評価するとまた趣が変わります。



臨床経過がなくても見落とさない技術と経験は必要ですが、やはり臨床情報は重要です。



当院であった様々な症例を提示してくださるので、臨場感があり、学習の場としてより効果的となっています。

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