はだかの王様は よい王様でありました。
奥様や友人をとても大切にしました。よい王様でありました。
「それにしても王様、どうして王様は裸なのですか?」 ある日、ひとりの国民がたずねました。
王様は少し怒っていいました。「わたしが裸のわけないじゃありませんか。裸だったら辞めますよ。」
大臣たちも言いました。「王様は裸ではございません。」
官僚たちも言いました。「王様は裸ではございません。」なん百ぺんも言いました。
本当のことを言いそうな正直者夫婦は牢屋に入れて、出られなくしてしました。よい王様でありました。
王様の裸が写った写真は、役人たちが黒く墨で塗りました。一生懸命に塗りました。
とくに王様の大事なところは、丁寧に丁寧に塗りました。ボカシまで入れました。
ただ、このボカシがいけなかった。ボカシは法律違反だったのです。
「誰だ。こんなボカシなんて入れたのは。誰が、何の目的で、信じられない。」官僚が言いました。
「誰が、何の目的で、信じられない。徹底的に調査します。」大臣も言いました。
王様も言いました。「誰が、何の目的で、信じられない。徹底的に調査させます。」。。。よい王様でありました。
王様は、法律も変えました。憲法も変えました。
大人たちはいつしか、本当のことをいわなくなりました。というより、本当のことに興味がなくなりました。
そんなこと、どうでもよくなったのです。
ある晴れた日、こどもがまちの広場で叫びました。
「王様は裸だー。はだかの王様だー。」 こんな物語だったか。
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