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声優を目指して邁進中10代のだいたい日記ブログです Twitter: Juuty_0w0

『猫の墓』

2008-12-10 00:30:18 | 日記
国語の問題やってたらでてきたんですよ。
この作品は初めて読んだんやけどw
なんか‥ね。問題忘れてすっかりこの文章にふけってた。
すごくやるせないような、温かいような、ヘンな気持ちになったね…。
多分、好きな文学作品のひとつになったと思う。
漱石さんは猫好きだよねw
確かに、動物は良いものですよ…w
我家にも色々居ますけどw多分...イイ意味で…ww;

なんか、シチュエーションがリアルだからね、この話。
この猫すごく「大好きだぁー!」ってやってあげたいような気がした。きょ‥今日だけだけンな…w

ぁ、ちなみに“猫”の部分を“ヌコ”と読んでこの話を読んでもらっても結構ですよwww
午後猫~GOGO、NUKO~


ctrl+Awwww

『猫の墓』 夏目漱石・筆

2008-12-10 00:11:18 | 日記
 猫は吐き気がなくなりさえすれば、依然として、おとなしく寝ている。このごろでは、じっと身をすくめるようにして、自分の身を支える縁側だけがたよりであるというふうに、いかにも切り詰めたうずくまり方をする。目付きも少し変わってきた。はじめは近い視線に、遠くのものが映るがごとく、悄然(ショウゼン)たるうちに、どこか落ち着きがあったが、それがしだいに怪しく動いてきた。けれども目の色はだんだん沈んでゆく。日が落ちてかすかな稲妻があらわれるような気がした。けれども放っておいた。妻も気にかけなかったらしい。子供はむろん猫のいることさえ忘れている。
 ある晩、彼は子供の寝る夜具のすそに腹ばいになっていたが、やがて、自分の捕った魚を取り上げられる時に出すような唸り声をあげた。この時変だなと気がついたのは自分だけである。子供はよく寝ている。妻は針仕事に余念がなかった。しばらくすると猫がまた唸った。妻はようやく針の手をやめた。自分は、どうしたんだ、夜分に子供の頭でもかじられちゃ大変だと言った。まさかと妻はまた襦袢(ジュバン)の袖を縫いだした。猫はおりおり唸っていた。
 明くる日は囲炉裏の縁に乗ったなり、一日唸っていた。茶をついだり、やかんを捕ったりするのが気味が悪いようであった。が、夜になると猫のことは自分も妻もまるで忘れてしまった。猫の死んだのは実にその晩である。朝になって下女が裏の物置に薪を出しに行った時は、もう硬くなって、古いへっついの上に倒れていた。
 妻はわざわざその死態(シニザマ)を見に行った。それから今までの冷淡に引きかえて急に騒ぎだした。出入りの車夫を頼んで、四角な墓標を買ってきて、何か書いてやってくださいと言う。自分は猫の墓と書いて、裏に「この下に稲妻起こる宵あらん」としたためた。車夫はこのまま埋めてもいいんですかと聞いている。まさか火葬にもできないじゃないかと下女が冷やかした。
 子供も急に猫をかわいがりだした。墓標の左右に硝子(ガラス)のびんを二つ活けて、萩(ハギ)の花をたくさん挿した。茶わんに水をくんで、墓の前に置いた。花も水も毎日取り替えられた。三日月の夕方に四つになる女の子が――自分はこの時書斎(ショサイ)の窓から見ていた――たった一人墓の前へ来て、しばらく白木の棒を見ていたが、やがて、手に持った、おもちゃの杓子(シャクシ)をおろして猫に供えた茶わんの水をしゃくって飲んだ。それも一度ではない。萩の花の落ちこぼれた水のしたたりは、静かな夕暮れのなかに幾度か愛子の小さいのどを潤した。
 猫の命日には、妻がきっと一切れの鮭と、鰹節(カツブシ)をかけた一杯の飯を墓の前に供える。今でも忘れたことがない。ただこのごろでは、庭まで持って出ずに、たいていは茶の間のたんすの上へ乗せておくようである。