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政治風刺ネタがおもしろい

2022-07-25 13:22:30 | 日記
ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略 ユーラシアの大変動を読み解く』(作品社)を読み始めているが、とても読みやすく面白い。
トレーニンの肩書は、カーネギー国際平和財団モスクワ・センター所長とある。ウィキペディアでは「カーネギー国際平和基金」とある。
軍拡競争から軍縮へとむかう東西冷戦構造下のソ連については次のように言う。
「1961年フルシチョが首相として「ソ連はミサイルをソーセージのように(簡単に大量に)」と豪語していたのは有名な話だ。それから30年後、ソ連の大衆は逆のことを求めた。彼らはミサイルを食べることはできなかったし、ブレジネフ書記長の時代にはミサイルはソーセージのようにではなく、ソーセージの代わりに生産されていたからである。」(P30)
単純明快に答えるフルシチョフのソーセージ理論をこんな風刺を込める。
これをロシアではアネクドート(アイロニーを込めた政治風刺)と言うらしい。
ソ連時代刑法58条により、体制批判をすると最高で処刑となってしまうので、度々このような技法で政治体制や生活の不満をユーモアを交えて風刺を行うようになったのだとか。
この種のアネクドートをつい最近もポーランド映画、主にクシュトフ・キェシロフスキ監督を見ていてそういう技法で展開するシーンを何度もみかけた。
実は、このような厳しい政治体制の下でさえも、庶民は必死で政治家を批判したりするお笑いを求めているともいえるのではないでしょうか。むしろ笑うしかないという境地なのでしょうか。
そのフルシチョフネタでもう一つ。1956年フルシチョフは「スターリン批判」を行います。これは、ソ連邦だけではなく、東欧、中国、各国共産党も驚天動地の話ですが、当のフルシチョフのアネクドートも面白い。これは確かヴォルフガング・レオンハルトの『ヒトラー=スターリン協定の衝撃 裏切り』に出ていたと思う。
フルシチョフは、演説の最後に「何か質問はないか?」というと後ろの方からおずおずと声がした。
「では、お尋ねしますが、その時あなたは何をしていたのでしょうか?」
フルシチョフは真っ赤になってテーブルを叩いた。
「誰だ、今の発言は?」
会場はシーンとなり、誰も名乗り出なかった。
フルシチョフはさらに大声を張り上げて怒鳴った。
質問したのは誰だ!」
しばらくの沈黙の後、フルシチョフは一同をジロリと眺め回して言った。
「そう、君たちと同様こんなふうに沈黙していたのだよ。」
私たちはやもすると「政治と言ったって何も変わらない」という事を口にする。しかし、私たちが選んだ議員たちによって社会福祉や教育の向上のために法律を作っているはず。ですが、フルシチョフのソーセージとミサイルの話や政治や会社の前では沈黙のアネクドートネタは、彼の国の話ではないのではないと思います。
2013年に漫才グランプリで一位とって芸能界で絶賛されていたウーマン・ラッシュアワー。政治風刺や時事ネタをやっているうちにテレビで見なくなってしまったと思っていました。
ウーマン・ラッシュアワーの村本大輔さんは、現在活躍の場をユーチューブなどに移しているようです。
彼こそ日本のアネクドートを代表していると思うのです。


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