内部の部品の取り付けはなんとも大胆…というか、すごいの一言。
ヒューズや抵抗といった部品が、片側が空中に半分浮いた状態で斜めに実装されている…。
内部のスペースに「実装可能なサイズの部品」を選択するのが普通だと思っていたが、甘かった。部品を斜めに実装することで、通常の実装方法でははみ出てしまうサイズの部品も見事に納められている…というか、部品がちょっと曲がって取り付けられてリードが隣のパーツに触れても不思議でない、すごい実装。初心者の自作以外では初めて見た。
この製品では、右手の抵抗のリードがヒューズの金属部分に接触している。パターンを追うと、この接触のためにヒューズがバイパスされていて、過電流でもヒューズが切れない…。正常時には問題なく動作するから、工場の出荷検査はパスしてしまうのだろうが、これはまずいだろう。有名メーカーのOEM製品もこのノリで作られているのであろうか。
気を取り直して部品チェック。値段からシリーズレギュレータかと思ったが、ちゃんと効率のいいスイッチングレギュレータになっている。ICは、定番の MC34063A。ロゴがついていないが、中国メーカー製のセカンドソースか?簡単な改造でアップコンバータにも改造できそう。それは後の宿題としよう。
あと意外だったのは、電圧を決める抵抗に、高精度のもの(1%? 2%?)が使われていたこと。アバウトなつくりからして、てっきり5%品を使っているものと思っていた。変なところで律儀だ。通常の5%品とあまり価格が変わらないのだろうか???
効率や信頼性でキーになる出力段のコンデンサは、よく分からないメーカーの、通常の電解コンデンサ。さすがに高ESRのものは使われていない。ここにあまりいいかげんなものを使うと、高負荷時に加熱して破裂する元になるのだが、コストを考えれば仕方ない。(きっともっと高価なアダプタにも同程度のものはあるのでは)
とりあえず、抵抗のリードを整形して接触を直し、あとは出力段の電解コンデンサを国内メーカー品に付け替えれば、(自分的には)本来の使い方ができそうだ。