2017年9月
『何でもありの句の会』
秋風が
リビング吹き抜け
舞う書類 (みなみ)
伝えたい
想い託し
家路つく (賀子)
夕焼けも
優しく萌えて
仲直り (昌暘)
鈴虫も
鳴く時を待つ
秋暑し (姫)
人のフリ
見ても直せぬ
わが不倫 (ビクトル)
澄み渡る
秋を探して
空仰ぐ （柊子）
住む人の
こころ清ければ
水清し (昌暘)
蝉もやみ
緩む陽射しに
老い重ね （さとし）
朝寝坊
静かな夜明け
秋の仲 (賀子)
鼻ボ－ル
アシカのような
夕暮れ雲 (Ranko)
秋の午後
幼なじみと
ハンモック (姫)
秋の蝶
ぱたりぱたりと
飛んでゆく (歩々)
風光り
雲衣替え
気づく朝 （さとし）
サラサラと
心を満たす
恋しさよ (みなみ)
コオロギの
声も淋しき
街灯り （柊子）
空高く
刷毛で掃いたの
だぁ～れだ ? (みなみ)
暴力!?
太鼓以外を
叩くのは (ビクトル)
みみずくに
形を変えた
すすきの穂 (姫)
いまの世は
地球儀規模で
語る不安 (昌暘)
何事も
楽しく細く
長続き (ウィルバ－)
夏の末
命惜しむか
蝉は啼く （柊子）
美味しそう
メモとり
メモ忘れ (Ranko)
アキアカネ
季節の隙間を
泳いでく (みなみ)
ボウという
忘が招きし
愉しみひとつ (賀子)
連絡なし
いつも通り待機に
ありがとう (ウィルバ－)
この葉書き
昔の恋が
かくれてる (姫)
喧嘩も
夕焼け空に
仲直り (昌暘)
メッシュ着る
それとも革ジャン
秋峠 （さとし）
秋空が
天をめざして
のぼりゆく (歩々)
愛しく
別れ惜しむよ
清き花 （柊子）
尊きは
犠牲にあらじと
ダンケルク (ビクトル)
華やかに
橋下の鳥ダンス
雨上がり (賀子)
きれいな音出すね
はじめて言われ
びっくりニッコリ (ウィルバ－)
暴対記者も
起これ起これと
事件待ち (昌暘)
嗚呼こころ
乱れ焦りし
鰯雲 (Ranko)
秋雨や
友と別れて
電車待つ (歩々)
夜景見て
月もキレいと
男の子 (ビクトル)
気が付けば
もう23時半
翌朝大あくび (ウィルバ－)
寝不足だ
そんな寝言に
腹抱え （さとし）
妻 病んで
夫(ツマ) 妻(ツマ)となる
秋の宿 (歩々)
恒例コンサ－ト
わいわいラブコ－ルで
夏も終え (Ranko)
新涼や
あとしばらくの
冷奴 (歩々)
我もみな
花と実となり
散りゆく (昌暘
唯一の被爆国が
世界の非核批准に
賛成できない
わが国の
国民の静けさに
なにか
こころ淋し
2017.9.13
今 川 昌 暘
