農口杜氏さんの酒造りは当に全身全霊を込めたものですが、自慢の酒ができても決して自分の品質意見を押し付けない謙虚さがファンを引き付けて止まない酒を造り続けられるのでしょう。本年の造りで77歳になり引退もあることを匂わせておられましたが、本年の造りに自信が持て消耗した体力気力が蘇れば来造りには元気に姿を蔵に見せられるでしょう。日本酒は米の酒です。米は八十八ですから88歳までを次の目標に頑張っていただきたいものです。
下戸上戸
農口さんは下戸だそうである。少しのきき酒で顔が赤くなり動きも怪しく足に来ているようにも見えました。酒造りにはきき酒能力は非常に大切です。酒の鑑定能力は上戸と下戸どちらが向いているかといえば、どちらもというのが答えだと思います。経験的に感じたことは、下戸というか普段酒を飲まない人は判別能力に優れています。たとえば、きき酒会のきき当てテストにいい成績を収めるのは女性が多いことがあります。私も精緻さを求められる鑑定をするときは1週間ほどは節酒します。体内に酒が残っているとどうもよくありません。上戸はきき当てが駄目ということではありませんが酒飲みの好きな多く飲めるタイプの選別目的のきき酒にはうってつけです。甘口や吟醸香の嫌いなうわばみは多いのです。
薄口から濃口
農口さんは「濃い口」と読めます。今、造られている酒は濃い(コク、酷)があるのに切れが良い(どっかで聞いたことがあるフレーズ)わけで名前通りです。若いころは東海地方で淡麗といえば聞こえがいいが薄い酒を造られていたそうです。それが地元の石川県に戻って杜氏をしたところ薄いと酷評され、それで発奮され今の酒造りに繋がったとのことでした。
淡麗か濃醇か
昭和50年ころまで日本酒は甘い酒で甘さを競っていましたが、開高健の日本酒の三増酒甘口批判以降辛口化し、級別制度の廃止とも相まっていわゆる淡麗辛口ブームになって行きました。淡麗辛口のピークはバブル時代でしょうか。最近は淡麗辛口ということばはあまり聞かなくなってきました。ここ10年は濃醇化が芽生え進行しています。濃醇といっても単に濃い(何が濃い?甘さも濃醇です。)だけでは消費者の心を掴めません。甘酸バランスのとれた豊かな香りのあるかつ切れの良い酒が求められています。農口さんはその先駆けでしょう。
下戸上戸
農口さんは下戸だそうである。少しのきき酒で顔が赤くなり動きも怪しく足に来ているようにも見えました。酒造りにはきき酒能力は非常に大切です。酒の鑑定能力は上戸と下戸どちらが向いているかといえば、どちらもというのが答えだと思います。経験的に感じたことは、下戸というか普段酒を飲まない人は判別能力に優れています。たとえば、きき酒会のきき当てテストにいい成績を収めるのは女性が多いことがあります。私も精緻さを求められる鑑定をするときは1週間ほどは節酒します。体内に酒が残っているとどうもよくありません。上戸はきき当てが駄目ということではありませんが酒飲みの好きな多く飲めるタイプの選別目的のきき酒にはうってつけです。甘口や吟醸香の嫌いなうわばみは多いのです。
薄口から濃口
農口さんは「濃い口」と読めます。今、造られている酒は濃い(コク、酷)があるのに切れが良い(どっかで聞いたことがあるフレーズ)わけで名前通りです。若いころは東海地方で淡麗といえば聞こえがいいが薄い酒を造られていたそうです。それが地元の石川県に戻って杜氏をしたところ薄いと酷評され、それで発奮され今の酒造りに繋がったとのことでした。
淡麗か濃醇か
昭和50年ころまで日本酒は甘い酒で甘さを競っていましたが、開高健の日本酒の三増酒甘口批判以降辛口化し、級別制度の廃止とも相まっていわゆる淡麗辛口ブームになって行きました。淡麗辛口のピークはバブル時代でしょうか。最近は淡麗辛口ということばはあまり聞かなくなってきました。ここ10年は濃醇化が芽生え進行しています。濃醇といっても単に濃い(何が濃い?甘さも濃醇です。)だけでは消費者の心を掴めません。甘酸バランスのとれた豊かな香りのあるかつ切れの良い酒が求められています。農口さんはその先駆けでしょう。