寡(すくな)きを患えずして均しからざるを患う
――不患寡而患不均
『論語』
孔子が政治の要諦について語ったことばである。「丘(きゅう)や聞く(私はこう聞いたことがある)」と前置きして、つぎのように語っている。
「国を有(たも)ち家を有つ者は、寡きを患えずして均しからざるを患え、貧しきを患えずして安からざるを患う」
「国を有(たも)ち家を有つ者」とは、為政者を指す。そういう立場にある者が心がければならないことは、国を富ますより、まず富の不平等をなくすこと、人口をふやすより、まず人民ひとりひとりの生活を安定させることにあるのだという。
「なぜなら」と孔子が語っている。
「不平等をなくせば、国は自然に豊かになる。人民が安心して暮らせるならば、人口が減ることはない」
そして孔子は「民生の安定こそが、国を安泰にする基礎なのだ」と断言している。これは現代にもそっくり当てはまるであろう。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
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