吹く風ネット

地元の英雄

 近くの町に、有名な元アスリートが住んでいる。
 年配の方なら憶えておられるだろうが、1968年のメキシコオリンピックマラソン競技で、銀メダルを獲得した君原健二さんだ。

 実は、ぼくはこの君原選手と競争したことがある。と言っても、こちらが一方的にそう思っているだけで、君原さんはぼくのことなんか知らないだろうが。

 ぼくが高校に通っていた頃、新日鐵に勤務していた君原選手は、社宅から会社までマラソン通勤をしていた。
 その通勤途上にぼくの通った高校があった。

 部活の練習中、窓の外を見ると、一人のおっさんが人が走っていた。それを見ていた部員の一人が、「おい、あれ君原選手やないんか?」と言った。
「え、君原選手!?」

 ぼくたちは練習を中断して外に飛び出し、君原選手を追いかけた。が、ぼくたちが道路に出た時、君原選手はすでに遙か彼方を走っていた。二百メートルほど全力疾走で追いかけたものの、その差は広がっていくばかりで、最後には君原選手の姿は見えなくなった。

「くそー、今度は負けんわい」
 と思ったが、なぜかそれ以降、その時間に君原選手を見ることはなくなった。

 君原さんは、現在80才を超えているらしいが、まだまだご健在で、テレビの市民マラソン中継などで、時々お目にかかっている。

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