Uni(うにではないですよ!)について
今日は「一つ」の意味を持つ、ラテン語源の「ユニ」をクローズアップします。
もう一つ、「一つ」の意味を持つ語源としては、遠い昔のギリシア語源の「モノ」がありますが、モノ「mono」については次回ふれます。
どちらも「一つ」という意味と言いましたが、ユニの方は統合して一つにする感じがあります。
たとえば、これはとてもスケールが大きいですが「ユニバース」。
分解すれば、"verse"は、ラテン語の「回転する(turn)」という意味です。"ユニ(一つ)・バース(回転)で「宇宙」です。
宇宙が一つになって回転している状態をイメージしてください。
宇宙と言えば最近ブルーバックスという科学を扱う本で「地球外生命9の論点」という本を読みました。
様々なジャンルの研究社がそれぞれの立場から地球外生命の存在可能性について語る本でとても興味深かったです。是非、読んでみて下さい。
地球外生命 9の論点 (ブルーバックス)
さて、話が飛んでしまいました。戻しましょう
英語だと、大学はカレッジ(単科大学)とユニバーシティー(総合大学)に分けます。
ユニバーシティといえば、ユニバーシアードを思い出しますね。
学生のオリンピックですが、
ユニバーシアードの名称は、大学(University)とオリンピアード(Olympiade)からきています。
あと、大阪のユニバーサル・スタジオ。universe(宇宙)の形容詞です。やっぱりユニバースから来てます。全世界の、とか普遍的な位の意味があります。だから、あそこの入り口を入るとおなじみの大きな地球のオブジェがありますね。
つぎに、福祉の分野の言葉でしたが、最近では普通に使われてますね。
「だれもが使えるデザイン」という意味で、ユニバーサル・デサインUniversal Designという言葉もあります。
宇宙よりはだいぶ小さくなりますが、次は国連です。
UN「United Nations」と略されますが、これはユナイテッド・ネイションズです。諸国が集まって一つになっているイメージですね。
さらに小さくなると、USA、ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ。諸州が集まって米合衆国(原語の通り「米合州国」にすべしという人もいます)を作ってます。ちなみに今はなきUSSR(ソビエト社会主義共和国連邦)は、ユニオン・オブ・ソビエト・ソーシャリスト・リパブリクス「Union of Soviet Socialist Republics」と英訳されますが、ユナイテッドでなく、ユニオンを使ってます。ところが米国も大統領教書演説のことは、ステイト(状況)・オブ・ユニオン(国家)・アドレス(演説)と言い、自国のことをユニオンと呼んでいます。英国はユナイテッド・キングダム、その国旗はユニオン・ジャック(Union Jack)とも呼ばれますが、ジャックとは海事用語で「船の国籍を示す旗」を意味し、正確には「イギリス船籍を示す旗」のことをいうそうです。
要は、スッコトランド、イングランド、アイルランドの国が合わさって出来たので統合という意味でユニオンが使われるのでしょう。
あと、ユナイテッドでなじみのあるものと言えば、航空会社のユナイテッド・エアラインズでしょうか。航空関連企業数社の連合体として設立されたため、名前に跡が残っています。
それから、ずばりユニオンと言えば、労働組合です。あのマルクスの有名な言葉「万国の労働者よ、団結せよ」が思い出されます。
次はユニコーンです。ユニ(一つ)・コーン(角)で一角獣。多分想像上の動物です。見たことありませんので。それからユニットです。これは一組になって機能するものを言います。Jポップのユニットとか、ユニット家具と言った具合です。日常語になっているものをもう一つ。チームのユニフォーム。ユニ(一つ)・フォーム(形)が元の意味です。
最後になりますが、オニオン。
実は、あの玉ネギです。ユニでなくオニですが、同根なのです。多くの皮が統合されているのです。