12年に及ぶ内戦で30万人が死亡したアフリカ中部ブルンジの議会(定数162)は19日、多数派フツ系の反政府勢力だった「民主防衛軍」(FDD)の指導者ピエール・ヌクルンジザ氏(40)を、圧倒的多数で新大統領に選んだ。任期は5年。
同国では隣国ルワンダなどと同様に、政権を握る少数派ツチと多数派フツの民族対立から、93年に内戦に突入。反政府で最大勢力だったFDDは03年10月、和平協定に調印したが、もう一つの主要反政府勢力「解放国民軍」(FNL)は停戦に応じておらず、現在も散発的な攻撃を続けている。ヌクルンジザ氏は「FNLとの停戦合意を最優先したい」としている。
ソース
http://www.asahi.com/international/update/0820/007.html
小さな国の、大きなニュースではないだろうか。
新大統領に選出されたヌクルンジザ氏は、ツチ族とフツ族の間に産まれた人物だ。
両族の架橋に若くして選ばれたその人望は、未だ続くFNLとの停戦も成し得ると期待したい。
が…
このアフリカの部族間紛争は、ヨーロッパの植民地化に由る、無機質なまでに直線に引かれた国境線と、主にイギリスがかつて支配地に強いた部族分離政策の、負の産物だ。
このような問題はアフリカだけに限らない。
ボスニア・ヘルツェゴビナ…中東…南米…そして極東は朝鮮半島…
21世紀になって尚、燻っては燃えるこれらの火種に、武器を供給し続ける国がある…
その上位を挙げてみると、
1位…アメリカ
2位…イギリス
3位…フランス
4位…ロシア
5位…中国
…誰でも気付く事実は、この5ヵ国が、国連常任理事国だということだ…
呆れるしかないね。
仮にも世界平和を謳う国連トップが、紛争を止めるどころか囃し立てているのだから。
何故、貧困に喘ぐ途上国が、安くもない武器を買えるのか?
簡単な構造は、
途上国に有る地下資源を未加工のまま安く買い叩く
↓
途上国が安く買え、子供でも扱える小火器(短銃、ライフル、地雷等)を売る
↓
紛争により働き手の青年、若年層(少年兵然別)が減り、貧困は更に進む
↓
ODA(政府開発援助金)が無知な非常人理事国(日本)から使用状況の管理も無しに注がれる
↓
その金で支配層は武器を買い、死なない程度の食糧と武器を飢えた人々に"配給"して恩を売り支配し、貧困の元は対抗部族のせいだと吹き込み、少年は銃を取る
↓
終わらない紛争は武器を消費させ、新たな需要と難民を産みだす
↓
途上国は武器を買う為、豊かな地下資源を未加工のまま安く売り捌く…
武器を輸入している発展途上国の内、オマーン、シリア、ビルマ、パキスタン、エリトリア、そしてブルンジにおいては、国家予算のうち、武器関連予算の額が保健や教育向け予算を合わせた額を上回っている。
情報と技術のグローバル化だけが進み、富の価値を知って尚、その恩恵を受けられないと知った人に、武器を取るなと言っても聞きはしない。
先進国の都合で見れば、テロリストの温床を増やしただけとも言える。
イギリス同時爆発テロ未遂の方の逮捕者に、ソマリアからの移民がいたのは記憶に新しい。
このループの末路を辿った国が南アフリカかもしれない…
アパルトヘイトが終わり、平静を装いたい南アフリカ共和国では、政策に由り、生産体系が工業に傾いた
雇用を増やし、失業率を下げ、内政を安定させたかったのだろう…
しかし、農業を蔑ろにし、都市に民衆を呼び込んだこのやり方は、スラムを産み、思惑とは逆に情勢不安をもたらした。
都市に溢れた人々に、限られた雇用が割り当てられる筈もない。
収入の無い女性は簡単に稼ぐ手立てと体を売り、日銭を稼げた男はそれを買う…
アフリカでのAIDS感染経路は、ホモではなくヘテロがメインだ。
19世紀は奴隷貿易に…
20世紀は内紛に…
そして21世紀、疫病に働き手を奪われ続けている…
にも関わらず、1999年、南アフリカ共和国政府は、フリゲート艦、潜水艦、航空機やヘリコプターなどの軍備調達に合意し、これに600億ドル(6兆5,688億円)が使われた。
これは、南アフリカでエイズに苦しむすべての患者500万人に併用療法を含めた治療を2年間提供するのに充分な額だという。
南アで既存の施設を使い、ホワイトバンドを作るのは大いに結構な事業だと思う。
…
WB公式ブログ『ホワイトバンド生産現場より』
しかし前述の南ア内情を考えると、諸手を掲げて喜べ無くなる。
…
WB公式ブログ『ホワイトバンドについにキッズサイズ・スモールサイズが登場です!』
なんて、公式で宣伝してる場合かよ…
『金じゃない。貧困に思い巡らしている意思を示す為のホワイトバンドだ』
ならば、政変忙しい今こそ、各政党に、世界の貧困についての公開質問状送るなり、やれる事があるんじゃないだろうか?
常連理事国入りを思惑に、じゃぶじゃぶ後先考えず金を注ぎ込んだ日本も、武器輸出国と同罪なのだから。
…ブルンジでは内戦で多くの難民を出した。

行く先は隣国タンザニア。
その比較的平和なタンザニアでも、95年と2000年の選挙でザンジバル島において政治的対立が生じ、2000年時には死者、タンザニア初の難民が発生する事態が生じている。
まさに袋小路だ…
広大な大地にさ迷う人々を救う術を、…今、僕は知らない
でも、世界史から消え、忘れ去られようとしているアフリカから、目を背けずにいよう。
アフリカを救えるのは、やはりアフリカに産まれた人間だけだろう。
新大統領のように部族間を越え、難民のように国を越え、そして少年兵が絶望を越えたときに、希望の岬を、きっと見せてくれる筈だから。