本好き、古書好き界隈で話題の「本なら売るほど」(HARTACOMIX)。
一巻発売直後に書店へ向かったのですが、あいにく完売。
ほどなく増刷、手に入れ読了。
脱サラ開業した古書店「十月堂」店主が主人公。
作者の児島 青氏は本作が初連載とのことですが、すっきりした画風の中に作中に登場する選書がそうとう鋭い。本好きを唸らせます。
そして、期待していた第二巻が早くも先日発売されました。
(以下、若干ネタバレありますのでご注意を。)

今回はしっかり紀伊国屋書店に予約を入れておりました。
店頭では書店員さんの謎の笑みと共に、何と「本なら売るほど紀伊国屋オリジナルブックカバー」ゲット。

こちらのカバー、たまたま同時購入した文庫本につけていただきました。
(コミックスサイズは無いとのこと。なぜ文庫本サイズのみかは謎。)
帰宅後、深夜にチョビットづつ楽しんでいると・・・
第三話に紀伊国屋書店をパロった「井伊國屋書店」登場。
こりゃ、紀伊國屋書店との謎のコラボだ。
先日の書店員さんの謎の笑みもこの辺り発ですか!?
今回も鋭い選書は健在です。
作中登場の中島らも作「ガダラの豚」、らも作品は多少読んどりましたが、本作は未読。一昔前はブコフにらも作品は結構ならんどりましたが、最近は減少気味。ダメもとで近所のブコフへ行ってみると・・・
おお、「豚」三巻揃いであるではないか。

し・か・し!
何と、これら定価より高い値をつけておる!
(早くも本なら売るほど効果!?)
これじゃブック・オフじゃなくブック・オンじゃん。
ブック・オフといえば販売時期に応じた画一的な値付けがウリだったのはないのか?
(と、言いつつ購入。ちなみに、本作中にブック・オフをパロった「ブック・オン」がしっかり登場。)
そして、ブコフで同時に購入したのがこちら。

晶文社 文学のおくりもの①「タンポポのお酒」レイ・ブラッドベリ
何となく作中に似た表紙の本があったような・・・
と、思い購入。
帰宅後に確認すると・・・
おお、十月堂が表紙で磨いとるのはこの本ではないか!
(薄っすらタイトルが読み取れます。)
正に僥倖。
そう言えば、と更に一巻を見返すと・・・十月堂が会社員時代の外回りで、師と言える「岡書店」で購入するのがブラッドベリの「華氏451」。
「世界から本が消える時、それを糧に生きる人間もまた淘汰される」岡さんのたまう華氏451作中の台詞に将来の十月堂は転職を決めたのではないですかね。
PS.一巻、半七捕物帳のエピソードで登場したおせっかいな着物の中野さん、二巻では二度目、三度目の登場あり。どこか憎めないキャラです。
三巻にも期待しております。
おまけ
↓↓↓今回ブコフで購入した本たち。

「ガロ」を目指す雑誌「ザジ」。
そして諸星大二郎「スノウホワイト」。
ウチ●さん、結局本だけのエントリ-にさせていただきました。正直難しいことは私にはよくわかりませんが、徹頭徹尾身につまされながら読みました。特に後半、意識が怪しくなってきてからは切なさも入り混じり、一層身につまされました。
今年95歳になる母を近くで見ていて思い当たること。つれ合いとの二人暮らしの中で、どちらかが残されたときどのように生活をしていくのか?等々。「敵」は文芸書でもありますが、近い将来訪れずにはおかない我が事としてしっかり考えなさいというメッセ-ジと重く受け取らざるを得ませんでした。
そうそう、ウチ●さんはよくご存知だと思います。出久根達郎も「本好き、古書好き界隈」の人たちにウケの」の良い作家ですよね。
相変わらず遅コメすみません(汗)
duoさんは話題の本も結構読まれるんですね。
「宙わたる教室」はドラマ見たかったんですが、残念ながら見そびれてしまいました。
「敵」読まれたんですね。
本作は筒井康隆が我が身を投影した作品と言えるかと思いますが、本当に身につまされるところがありました。凛としていた儀助がだんだん弱気になってしまうところとか。
(方や筒井は老いてなおとんでもない健啖家の面も。新潮社の「波」にその辺り不定期連載されてます)
出久根達郎の本は好きでチョコチョコ読んでます。「佃島…」は未読なので読んでみたいんですね。先日、ちくま文庫「古本夜話」を読みましたが、とても良かったですよ。古本屋魂を感じました。解説をオカタケ師匠が書いていてびっくり。師匠が出久根達郎にインタビューをした際のことが書いてあるんですが、とても良い人であるのが滲み出ています。