お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

バレンタイン・デー 五題

2011年02月14日 | Weblog
 チョコの神様は笑っていた。
 今日はバレンタイン・デーだ。
 一年で一番目立てる日、つまり、崇拝される日だ。
 しかし、その後ろで虫歯の神様が、次はオレの番だとほくそ笑んでいた。

 
 彼は真面目で優しく責任感が強かった。
 そんな彼だから、女性に人気があった。
 バレンタイン・デーで抱えきれないほどのチョコを貰ったのも、当然の事だった。
 しかし、彼は死んでしまった。
 真面目で優しく責任感が強い彼は、もらったチョコを全て、その日のうちに食べてしまったからだった。


 男が彼女からチョコをもらった。
 私の手作りよ、新しいチョコよ、と、微笑みながら彼女は言った。
 帰宅後、男はワクワクしながら包みを解いた。
 ハート型のチョコが真っ二つに割れていた。
 新しいでしょ? 縁切りチョコよ、さよならバイバイ。
 添えられていたメッセージカードにそう書かれていた。


 さて明日からどうなるんだろう、オレ達は・・・
 今日の閉店後、売れ残ったチョコたちのつぶやき。


 女性が女性にチョコを渡す新習慣が生まれたようだ。
 じゃあ男性が男性にチョコを渡してもおかしくは無いだろう。
 しかし、渡された男性は嬉しくはない。
 複雑な男心。
 たかがチョコ、されどチョコ。



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