Journey of Shims (JOS Trip Tips)

ある自然科学者の旅ノート

外部資金・科研費・財団・採択のコツ―Research Fund GET TIPS

2022年03月29日 09時00分17秒 | OddJobs
外部資金・科研費・財団・採択のコツ―Research Fund GET TIPS




職業柄、たまに当たった科研費や財団の申請書の書き方のコツが最近なんとなく分かってきたので、マル秘情報を紹介したい。

ところで、申請はアピールなのでものを売ることに似ている。ある技術系会社の社長が話していたが、ものを売るビジネスには、N:ネーミング、D:デザイン、B:ブランディングの3点が重要という。申請書をアピールする点でも共通するところがある。

審査員は、同分野で、どうしても同じ学会の方が多いので、日ごろのアクティブな学会活動や付き合いは大事にしたいと言われてきた。ところが昨今は、ちょっとした知り合い一人ぐらいがお情けの一票入れたぐらいでは単純に採択できないようにフェアーになっている。それはすごくいいことであるが、では、ほぼ知らない人、おそらく少し専門外の人にも高評価されてファンドを勝ち取るにはどうしたらよいか考えてみた。

以下、順不同である。

1.まずは、タイトルいわゆるネーミングである。タイトルはかなり重要だ。分かりやすく、シンプルかつ、斬新な単語を入れる。何がしたいのか中を見なくてもわかるぐらいがよい。審査委員は短時間に多くの審査をしなくてはならないのでどうしても目立つタイトルが記憶に残る。<新規、開発、設計、構築>、などホットなKeyワードも使いたい。

2.共同研究者は、迷うところである。ファンドの大きさにもよるが、科研Cぐらいは単独で良いが、科研Bでも共同研究者は0-1名ぐらいで良いようだ。ただBクラスは申請書が長いので、共同研究者が1名いると文章は書きやすい。また、科研B程度なら、強力な共同研究者を入れる時代は終わった。ただし、自分が種々のファンドのイベントに参加できない場合の公式な代理になるので近くの協力者1名ぐらいははあった方が無難だ。科研A、科研S、JST-CRESTのような数千万クラスになると、これは共同研究者が必須となる。経済産業省のNEDOや環境省、文部科学省が出す大きなファンドは企業等の共同研究先が必要なるが、ここではその話は外す。

3.科研は、普通の財団の申請とは大きく異なり、すでに走っているテーマをさらに大きく発展させるのではなく(審査員が知っているからであろう)、これを母体にして飛躍させるか、全く新規にやろうという大胆なテーマが採択されやすいようだ。ただし、ただの空想では実施能力を疑われるので、面白そうなアイデアを自分の過去の研究実績に乗せていくのが良い。これは上記のデザインに相当しそうだ。

4.実は、経費は重要である。適当に帳尻を合わせることが多く、筆者も大体適当に記載してきた。ただ、何を必要としているのか、どう使うのかは、レフリーは大変気になるもので注視される。必要な備品はなるほどと思われるものをきっちり挙げ、スペックも調べて、しっかり見積もりもとって記載すべし。学会参加費、分析費など細かいところもきっちり見積もって記載する。国外旅費は、高額になるので、なんという学会でどこに行くかまで旅費も調べて記載。人件費やバイト費も単価と時間と人数を計算してからしっかり記載したい。研究人員が不足しているのであれば、人件費を多くとるのは逆に筋が通る。当然、申請のストーリーに合わせる必要がある。

5.ポンチ絵、これもあると違う。最終目標の図は必須で、既往の自分のトピック研究、役割分担などがあると分かりやすい、図を入れると文章も減るので、見栄えも良くなる。

6.あと、決定的なものが、論文、特許、招待講演である。特に、論文は必要。特に直近が良く、最近3-5年の論文をできる限り掲載し、さりげなく今の頑張り度を見せたい。これは上記のブランディングに相当しそうだ。ずばりいうと、どんな論文でも構わないが過去3年でコレスポか1stが10報以上ないと科研Bクラスには採択されないようだ。科研A、科研Sならかなり高級な論文がないと相手にされないということ。日ごろ頑張っておけば、それなりに評価されるものである。人事昇任後に、科研に採択されやすいのはよく知られているが、それはその時にある程度の論文実績があるからである。

終わりに、以上、著者はこれまでに、文科省のファンド、JST、科研、財団をそれぞれ運よく数件とってきた。会心の申請書が落とされたり、誤字脱字あり修正すべきところありが採択されたりと、なんだと思ってきたが、結局は上記の通り、日ごろから頑張っておけばファンドをとれるのである。参考になれば幸いです。当たった方はコメントください。


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