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ほら ごらん
虹が
空へと
還ってゆくよ
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虹をみたのは本当に久しぶりでした。
不思議なくらいわくわくして興奮してしまうものですね。
ほら、虹!虹!!って、
車から指差して色んな人に教えてしまいました。
何だか急に元気になっちゃったりして。
神様からの素敵な贈り物でした。 . . . 本文を読む
ゆみこはストーカーに憧れている
ストーカーになるくらい愛するってどんなことだろうって、
ばかみたいに夢見がちな瞳で
毎日そんなことを言っている
ふみこが憧れてるのはバツイチ
将来なりたいものはなにかって面接で聞かれて
バツイチです、ってにっこり笑って答えて落とされた
たかこは花火職人に憧れてる
はっぴを着て大きな筒で自分で作った大玉を
打ち上げるのが夢だという
いつかはきっとって
無いもの . . . 本文を読む
唄をくれる人がいるの
暗く哀しい夜に
詞をくれる人がいるの
泣き濡れた孤独の夜に
わたしがそれ以上哀しまなくてすむようにと
わたしよりもずっと
哀しい唄を
わたしよりも寂しいその人が
わたしに詞を
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あなただけが
この暗い夜に点された
たったひとつの灯り
そう思えることが
私にはたくさんあって
あなただけが
寄る辺無く沈んでゆく絶望の湖に垂らされた
たった一本の光る糸
そう思えることが
私にはたくさんあって
ただただそれに
すがりつき
しがみつくしかできないような
心細く
哀しい哀しい夜に
あなただけが
いつも優しく光る
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あんまりにも雪がどんどん降ってきて
隣で君がとても寒そうに
かじかんで赤くなった手に息を吹きかける
それだけでもかなりきついのに
さらに君が
雪に足を取られて転びそうになるから
思わず抱きとめてしまったじゃないか
それからそのまま握った手を離せずに
無言で歩き出す
どうして君は何も言わないの
握ったままの手を離さないの
世界までが息を潜めてる
僕の心臓は今にも口から飛び出しそうなのに
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あの娘と彼と私
いつの間にか一緒にあそんでた
あの娘の誕生日にぐるぐる回るターンテーブル
ビールで乾杯
彼の誕生日にはあの娘とサプライズ
余りにも驚いた彼は
ちょっと悔しそうに次は君の番だと笑った
楽しかったね私たち
やがて知らぬ間にふたりはつき合いだして
いつのまにか私の前からいなくなった
ひとりでむかえたバースデー
ハッピーバースデー・トゥ・ミー
まあ人生なんて多分
こんなことの . . . 本文を読む
覚えていて
覚えていて
わたしがいたこと
わたしという人間が存在したこと
わたしと過ごした時間
わたしと笑ったこと
わたしと行った場所
わたしという人間がいて
あなたという人がいて
わけあった時間
わけあった想い
わけあった喜び
わけあった哀しみ
忘れないでという言葉より強く
覚えていて
覚えていて
どうか
覚えていて
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あの日
私に夢を語った少年
まるで
風が吹いてくるかと思った
まっすぐな瞳で
遠くをみつめて
やがて少年は
大人になり
夢を忘れた
違う幸せを見つけて
穏やかであたたかな
日々を送っている
それでも
あの日の少年は
今も
私の胸の中に生き続けている
何からも自由になって
夢見たままに
かけて行けるように
今 解き放つ
風の少年
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あなたがきらい
あなたなんかだいきらい
そう言える幸せ
そう言っても
去っていかないことを知っている幸せ
あなたがすき
胸がくるしいほどすき
そう言ったら
去っていってしまうことを知っている哀しみ
あなたがすき
ほんとうはあなたがすき
そう言えない事の苦しみ . . . 本文を読む
ほんのささいな一言だったのに
すぐに仲直りすると思ったのに
結局あれが最後になった
たくさんの約束も
まだまだしてあげたかったことも
全部全部
夏と一緒に過ぎていった
意外に人生なんて
そんなものなのかもしれない
脆いものなのに
いつもは気がつかないでいる
だからたまにこうやって
あまりにも鮮やかに
足元をさらっていくんだ
大好きだったのにな
あれが最後になるとは思わ . . . 本文を読む
。
さよならまたね
ぎゅっとした後で
君は右側
僕は左側
階段を下りてまたこんにちは
なんだかちょっと照れくさくて
時々ちらりと顔を見ては
また戻して
線路の向こうのプラットフォーム
歩く君の速度に合わせて
柱で君が見えなくなるたびに
わけもなく不安になる
次の柱の影から
君が出てこなかったらどうしよう
ひとつひとつ
君の歩調に合わせて
君は右側
僕は左側
真ん中まで来て
君が . . . 本文を読む
どんなに周りが騒いでいても
噂や
陰口や
そういう
つまらないことに心の力を使っていても
どうしてだかあなただけ
いつもそういうことから自由に見える
ひとり
いつも
胸を張り
涼やかに
まっすぐに前を向いて立っている
灯台みたい、って
いつも思ってた
私には見えない遠くを
見ているのだと
苦しくて目を上げると
確かなあなたにいつもほっとさせられる
あなたのように
立っていられたらいいの . . . 本文を読む