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知的障害のことがよくわかる本

2020-03-04 17:28:02 | 障害者支援の本

 

そもそも知的障害とは何なのか?

支援をしていく中で、そんな基本さえ
おぼろげにしか把握できていないことに気付き 買ってみた本。

定義から発症の理由、対応の仕方、療育、相談機関、将来の事など
掘り下げた内容では有りませんが
子どもの生涯にわたるケアに関してを網羅した本です。

発達障害や対応が難しい子どもの支援については
他に詳しい本が出ていますので、そちらの方が参考になるでしょう。
ただし知的障害の定義に関しては、この本が一番良く理解出来ました。


■知能とは
人が自立していくために必要な能力。
生活に必要な知的能力と適応能力の2つの面があります。

■知的障害を判断する基準は
1.知的能力が低いこと
2.適応能力が低いこと
3.発達期に現れていること

※知的障害の度合いは概ねの基準でIQが70以下となっていますが
 たとえIQが70以下であっても適応能力があれば
 知的障害者ではありません。

定義の他にも苦手なこと、伸ばして上げられる能力
同じ脳の障害がもたらす他の障害などの記述もあります。
全般的で大まかなイメージを掴むためには
読んでおいた方が良い本と言えるかもしれません。

 


発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ

2020-02-17 20:08:48 | 障害者支援の本

 

自閉症スペクトラム

ADHD

 

支援の支の字も知らないまま就職した私は

知的障害以外にも様々な特性を持った方々と

向き合う事になりました。

 

「自分の言う事を聞いてくれるようにしたい」

「そのためには、なめられたら終わりだ」

そんな偏見を持っていた初任の頃が懐かしい。

 

そんな貧弱な思いで支援していた物だから

少しも上手く行かず、凹んでばかり。

 

そんな当初の頃に買った本

 

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ

この本は凄かった。

何が凄いって、それまでと真逆の支援を、躊躇無く出来るようになったから。

 

確かに自分なら、こうされた方が良い。

「褒める」というのは確かに魔法の言葉だ。

そう疑いなく信じた気持ちは今も変わりませんし

この本に書かれているコンプライアンスを築くとか

ラポール形成とかは、私の支援の指針として強く心に留めています。

 

まあそれでも私の支援が「甘やかし」とか「何もしない」とか

言われて、否定されているのも事実ですが。

それが良いか悪いかは別として、この本は素晴らしいです。

 

どこを見ても頷ける物ばかりで

私はそれを忘れたくないので いつでも読めるように枕元に置いてあります。

 

支援方法も納得行く内容ですが

第9章の「子どもの療育にのぞむ あなたに伝えたいこと」 は、

療育の経験を通してshizuさんが最も伝えたかった気持ちではないでしょうか。

心が揺さぶられました。

 

発達障害の有る方も無い方も

親としても支援員としても誰になったとしても

お互いが良い関係を作り出せて

幸せになれる一冊だと思います。

 


ユマニチュード入門

2020-02-09 10:24:23 | 障害者支援の本

 

高齢利用者さんが退院したとき

治療の対象になった症状は良くなっていたが

歩けなくなっていた。

「これって本当に治ったと言えるの?」

 

施設も高齢化の波が押し寄せ

認知症や機能低下に対する支援(介護)が必要になる中、

病気の治療だけでは その方の健康や普通の生活を維持して行くのは難しい。

それは人としての尊厳を失いかねない事。

そんな思いを抱いていたときに出会ったのが「ユマニチュード」という考え。

 

「ユマニチュード」は、フランスで考案された、知覚・感情・言語による

包括的なコミュニケーションにもとづいたケアの技法です。

詳しく知りたかったので買って読んでみました。

 

ユマニチュード入門

目からウロコという感じでした。

書いてある事は、普段から想像出来る範囲ですが

日々のケアの中で忘れていたり気付かなかったりして

施されていなかった大切な内容でした。

 

身体機能の維持・回復は、精神機能の回復にも影響します。

その人がその人らしく生きる当たり前の生活。

それは最も守られるべくして忘れられやすいことでもあります。

 

この本は、その事を再度考え、評価し、実行するために

解りやすい言葉と挿絵や実際に行ってみた介護職の方の意見などが

盛り込まれた解説書です。

 

とても見やすく頭にスーッと入ってくる感じです。

ユマニチュード自体は、何も特別難しい技術ではなく

数時間で覚えられるでしょう。

しかし時々読まないと、すぐに以前の合理主義なやり方に戻ってしまいます。

簡単に読めますので、私は定期的に読んでは頭に入れることを

繰り返しています。

 

目からウロコと最初に書きましたが

介護が必要な方だけではなく、より広いケアに適応できる

とても大切な技術なので私も出来るだけ実践していこうと思います。

 


障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて

2020-02-04 11:06:19 | 障害者支援の本

利用者さんの保護者の方が一番気にかけておられること。

それは自分たちが居なくなった、あるいは介入できなくなった後に

「安心安全に暮らしていけるか?」

と言う事だと思います。

私もその事に興味があり、購入しました。

それは第六章に書かれております。

 

 

障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて

読んでみて、知らない制度やサービスが沢山有ったことを知りました。

乳幼児検診から年金のことまで

受けられるサービスが丁寧に紹介されています。

申し込みの仕方から気をつけなければならないことまで

解りやすくまとめられており、とても見やすい印象です。

 

この中から個々の事情に合ったサービスを

効率よく受けていくことが安心安全に繋がっていくことになろうと思います。

 

実際にサービスを受けてからの事は、それぞれの思いが生まれましょうが

その意見を取り入れながら、サービスも より実情に沿った形に変わっていく事でしょう。

 

保護者の方の心配が軽減されますよう、利用者さんの自立する力を

養っていくようなサービスが求められると思いますが

「はじめに」に、こう書かれています。

 

■自立とは、子ども自身がすべてのことを自分でするという意味ではありません。

それは障害があってもなくても一緒です。「自立」とは、一人でできないことや

困ったことがあったときに、適切な手段や支援してくれる制度や仕組みを使える事

ではないかと私は考えています■

 

まったく その通りですね。

私どもは、幾多のサービスの中から

私どものサービスを選んで頂いた要望に応える義務が有ります。

今の支援が提供するサービスに沿っているか。

それを常に確認しながら支援というサービスを施していかなければなりませんね。

 

この本は、私たちが他のサービスに劣ることなく

プロとして為すべき事を教えてくれているような気がします。

利用者さんの将来も見据えた支援

それが求められているのだと思います。

 


自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本

2020-02-01 14:06:40 | 障害者支援の本

 

自閉症スペクトラムの本と一緒に

自閉症を理解する上で、基本情報を得るために読んでいる本があります。

 

 

自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本

支援という観点から読んで、とても参考になります。

これら2冊の本を頭に叩き込んで、それをなるべく応用して考えて行く。

 

図解が多くあり、文章も子育てや支援を見据えた物なので

そのまま実際の支援に役立つと思います。

自閉症スペクトラムの特性に接し、自分の支援を見失いそうになったとき

この2冊の本と向き合えば、また確信として指針を想い出せます。

 

もう十数回は読んでいると思います。

いつも手の届く場所に置いてます。

読む度に新しい感慨があるのは、忘れているだけではないと思います。

実際の支援をしながら また新しい気持ちで読み深められる

良い本だと思います。

 

これらの本がなければ私も、自閉症の特性を持った利用者さんに

きつく叱るだけの支援員になっていたでしょう。

 


福井達雨 「やさしい心をもっていますか?」

2020-01-27 10:26:13 | 障害者支援の本

 

ブログ仲間から教えて頂いた本。

2回目を読み終えた。

 

私が障害者支援で悩み苦しんで やっと得た答えが

こんなに前に書かれた本に、ごく初歩の基本のように当たり前に書かれていた。

 

どうしてもその内容を頭に入れたくて真剣に読んだ。

何度か止めどなく涙が流れ、頷きながら読み終えた。

 

福井さんは こんな想いを初めから持って止揚学園を立ち上げた。

迷いを払拭してくれると共に一字一句が胸に突き刺さる。

 

今まで支援方法の本は多く読んできたが

観念的な本は読む必要を感じていなかった。

でも本物の優しさに触れると、本当は一番必要な本だったと思う。

 

私の粗末な紹介では とてもこの本の良さを表現出来ないので

時間を掛けて読み解きながら、支援の指針として活かしていこうと思う。

 


図解 よくわかる大人のADHD

2019-11-30 19:38:37 | 障害者支援の本

 

自閉症スペクトラムの傾向が有る利用者さんを

合併症と二次障害についても理解しておこうと買っておいた本。

 

図解 よくわかる大人のADHD

ADHD全般について、解りやすくまとめられています。

合併症や二次障害関連の事や薬の話

行きづらさの軽減対策や予防法など。

当事者ではない私も「なるほど」と頷きながら

飽きずに読み終えることが出来ます。

 

さて、このADHDにつきましては

利用者さんの それらしい振る舞いをADHDとして認識すべきかどうか

それに悩んで居たときに典型的なADHDの方が目の前に現れ

私は正直驚いてしまいました。

 

様々な本を読んで参りましたが

これほど本と合致する例は希だったでしょう。

大人のADHDは なかなか理解されにくく

また、明らかなADHDだとしても本人には伝えにくい物です。

その辺りが本人の行きづらさ解消と仕事への適応性向上を妨げる

結果になってしまうようです。

 

ただし、本を良く読んでADHDというものを理解した上で

ADHDの方と接すれば、怒りや理不尽な思いは軽減されます。

それは一般社会でも施設においても同じ事であろうし

お互いに認識し会えれば投薬治療や環境調整などで

様々な問題を改善できるはずです。

 

否定するのではなく受け入れることで

お互いに良くなるのであれば、その受け入れ体制を

少しでも良くするための理解は惜しみたくないですね。

 

この本は その点、基本的な資料としても最適のような気がします。

ここに書かれている基本情報を元に

その場の状況との兼ね合いを推し量りながら

最善の方策をお互いに認識しながら決めて行ける。

 

今まで誤解されていた部分を払拭し

新しい働き方、生き方、支援の仕方を模索する教科書として

本書やその他のADHD関連の本は必ず役立つ物と思います。


自閉症スペクトラムの本

2019-10-09 15:46:09 | 障害者支援の本

私は障害者支援施設に就職してから
利用者さん達の中で強いこだわりがある方が
何人も居る事に気付きました。

その方々は診断基準に照らし合わせると
「自閉症スペクトラム」に該当すると思っています。
医師でもない私が自己判断するのはラベリング、
いわゆるレッテル貼りに繋がってしまい、危険なことなのですが
支援をしていく中で、その傾向が有れば、その支援の仕方は
本の中で紹介されています。

その内容を理解した上で支援をすると
納得行くケースが多かったり、自分自身が落ち着いて支援できるようになりました。
ただしそれは個人的な見解であり
他の支援員の多くは、本に頼らない直感的
あるいは感情的、あるいは経験則から推し量る支援をされている様です。

カナー型自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群などは
自閉症の連続体というとらえ方で扱うことになり
「自閉症スペクトラム」という名称で呼ばれることになりました。
それは、その傾向が有れば含まれてしまう広範囲な物になります。
空気が読めない「お前はアスペか?」などと言われてしまう
その疑いのある方も、連続体でとらえるなら
自閉症スペクトラムの範疇に入ってしまうかもしれませんね。


自閉症スペクトラムの本

この本は自閉症スペクトラムの事を解りやすく
バランス良くまとめてあると思います。
医学的に深入りしすぎず、簡単な言葉で挿絵も多い。
見やすい分、何回か読めば自閉症スペクトラムに関することが
大まかにつかめるでしょう。

私は、この後何冊も自閉症スペクトラムに関する本を買いましたが
まず一冊となれば この一冊をおすすめします。

障害者総合支援法

2019-09-30 15:10:26 | 障害者支援の本

障害者支援は他のブログで綴っているので
こちらでは主に関連書籍を紹介していきます。

まずはともあれ障害者支援の基本となる法律
「障害者総合支援法」の本を紹介します。



障害者総合支援法

障害者支援に関する法律は、その時代の世相を背景に
何度も新しく変えながら発展してきました。
この法律は「障害者自立支援法」の改正法として平成24年に成立した法律です。

この本では その成り立ちから仕組み
これからの問題点にまで言及し、細かくバランス良くまとめられています。
その後、平成30年4月に改正で変更された点も良く網羅されています。

障害者とは。基本理念は。と言う事から始まり
それぞれの障害に合ったサービスの種類や
その受け方まで書かれており
とても参考になる、障害者福祉の基本を知る事が出来る本です。

個人的な見解としては、この法律は
施設から地域社会に移行するためのサービスが主流になっていて
施設勤務の身としては多少複雑な想いが有ります。
ですが、何度も法改正を繰り返す内に
住み分けができることになろうかと思います。

自治体に対し、障害福祉計画を策定することのみならず
それを実行する目標も設定するように配慮しており
各人に合ったサービスが確実に提供できるような配慮も見られます。
しかしながら それでも問題は多く残っているようで
次の改正では、現状を踏まえた修正案が盛り込まれることになるでしょう。


本のまとめ方として、とても見やすくなっており
知りたい事が探しやすい印象があります。
発達障害の方へのサービスをもっと知りたいと思いましたが
発達障害についてはまだまだ不十分のようで
法改正で更なる充実を期待するとします。