上高地は二度美味しい

　初日は雨だったので、（書き忘れてしまったが）実はこういうコトもあったのです・・・。

　帝国ホテルでの昼食を終えて、傘立てにあった傘を、母が先にとって渡してくれました。
　雨だったので、ボクはそこから河童橋までの道のりを、ずっとその傘をさして歩いていたわけです。
　河童橋についた頃になって、母がボクのことをずっとジロジロみてたヒトがいると、言い出し・・・。つまりは、その傘はそのヒトたちの傘であり、母が間違ってボクに渡してしまったのでした。
　ボクは、その傘自体、特に自分のものというわけでもなかったので、そうとは知らずにさしていたわけなのだが、帝国ホテルから河童橋までの間、ずっと疑いのマナコでみられていたと、いうわけなのでした・・・。　

　というわけで、その傘は母の手によって、持ち主の元にかえりました。
　我が家に傘をひとつ奪われてしまったそのヒトたち（ご夫婦）は、ひとつの傘をおふたりで使われていたようでした。知らなかったコトとはいえ、ゴメンナサイ！　

　そうなると、うちの傘は、帝国ホテルに残されたままということになります。
　とはいえ、今から河童橋から帝国ホテルに歩いて戻るというのもナンですし、後でクルマで行こうにも、マイカー規制がある・・・。
　河童橋からは、近くのバスターミナルからバスに乗って戻るのですが、このバス、行きは途中下車できても、帰りはできません。
　後で、バスで帝国ホテルに行って、そこからバスで帰るにしても、帰りのバスは混んでいて、途中から乗るのは困難らしいのです。
　そこで、ひとまず傘はあきらめると、いうコトになったのでした・・・。

　そして翌日。
　みなさんの祈り、とりわけ桐葉さんトコのカッパ君の神通力が通じたのか（！？）昨日の雨がウソのように、青空が顔をだしたのです！　
　ここは上高地。ほかに行くところもないわけだし、それならば、もういちど河童橋まで歩いてみようか・・・と、いうことになりました。
　そうなると、帝国ホテルに寄って傘も取ってこれるじゃないかと、いうコトにもなります。
　
　雨があがれば、ひとびとは傘をしまいますし、山々だって雲の帽子をとってくれます。同じ景色でも、視界がひらけ、昨日とは違って見えてくるというものです。　「ＬＯＯＫ」
　日曜日ということもあって、昨日以上のひとびとで上高地はにぎわっていました。

　帝国ホテルに寄り、傘を受け取ったのはモチロンですが、今度はケーキセットをいただきました。
　ケーキは、数種類から選べるのですが、ボクは「ミモザ」にしてみました。「ミモザ」という曲があるなと、いうくらいのものなんですが・・・。そもそも「ミモザ」って、なんなんでしょ？
　ラウンジでコーヒーを飲んでいると、建物のつくりなど雰囲気があり、一度くらいはこんなところに泊まってみるのもいいなと、思わせられるのでした。
　ここも大変にぎわっていて、昨日食事したレストランの外にはイスがならべられ、待ってるヒトもいるほどでした。

　昨日きた道のりをたどり、（多少ちがったコースを通ったりしましたが・・・。）河童橋までたどりつきました。
　ここも、凄い人出です。
　昨日とはうってかわった天気のおかげで、穂高連峰が見渡せます。
　こんなに気持ちのいい景色なのですから、外での食事がいいだろうと、弁当を買って、河原で食べることにしました。
　穂高連峰の山々を前に、弁当を食べていると、カモたちが寄ってきます。
　とはいえ、我が家は、野生の動物にはエサはやらない主義（！？）なのです。
　ものほしそうな顔で、じっとみつめるカモを尻目に、弁当をパクつきます・・・。
　そうはいっても、カモだって礼儀はわきまえたもの（！？）、弁当をわけてくれないからといって、癇癪をおこして、つっついたりなんてしませんからだいじょうぶです！　^^;

　河童橋からは、前をみれば穂高連峰、ふりかえれば焼岳（だと思う。）が見え、やっぱりボクはついていたのだ！と、うれしくなってくるような旅行になったのでした。
　　　
　

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