おおたジャーナルに記事を書きました。とりあえずは画像で。
毎年11月~12月に「人権週間」と称して大田区報に特集がされる。その「微温的」な提案に毎年辟易とするのだが、これでよしとする区民の意識にも問題はないか。
2つの区の「人権啓発」の違い
左は大田区、右は品川区。大きな違いは二つ。
大田区は人権週間に合わせて「『違い』を受け入れる」。
品川区は人権週間に関係なく、区庁舎壁面に「これからも ヘイトスピーチ 許さない」の垂れ幕。
大田区にとって差別とは、「(心ある多くの市民は差別などしないのだが、)『なにげない言葉や行いで他人を傷つけてしまうことがあります。』というもの。「違いを受け入れる」以外には、「思いやりの心」が大好き。
一般市民に受けのいいのは大田区の方だろう。そりゃあ、大半の人たちは「人権」だの「差別」だの言うのは嫌いなのだから。
だが、実際に差別を受けている人たちにとって、どちらが心強いだろう。思いやりの心が大切でないとは言わない。だが、現実に起こっている差別と向き合う時、思いやりを強調することは、差別される少数者にとって利益とはならず、むしろ差別を強化するものでしかない。
「差別を許さない」を明確にしない大田区
今日の差別の実態で言えば、ヘイトスピーチを典型とした、「確信犯的な差別犯罪者が大手を振って、公衆の面前で見せしめ的脅迫や暴力を行使している」深刻な状況がある。インターネットの世界はさらに「ヘイトの天国」と化している感がある。
人権を守るためにまず行政に問われているのは、何よりも「差別を許さない」という態度を明確にすることである。
また、啓発とは、人権週間などの年1回のアリバイですますことではなく、365日、そのことを意識するための取り組みを拡大継続することに他ならない。
そのことがいつまでも理解できない人権推進担当や区の幹部こそ、研修や啓発が必要なのではないか。