台風の通過で、福島第一原発の収束作業にあたっていた人たちは、さらにきつい思いをしていたようだ。twetterのタイムラインを追うと、その危機感が伝わってきて、彼らに矛盾と危険を押し付けて暮らす我々の問題を感じずにはいられない。
そんな中で、こんなtweetがあった。
これは、関西電力系統からの応援が今まであったが、再稼動を控えて引き上げていく、ということのようだ。そのことはとても問題だが、本題と違う別の疑問が湧いてきた。
なぜ、PWRとBWRの2系統が日本に存在するのか?
という前に、用語の解説を。
加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor)をPWRと呼び、沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor)をBMRと呼ぶ。
PWRは核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、一次冷却材である加圧水(圧力の高い軽水)を300℃以上に熱し、一次冷却材を蒸気発生器に通し、そこにおいて発生した二次冷却材の軽水の高温高圧蒸気によりタービン発電機を回す方式。
BWRは核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出す。
つまり簡単に言えば、PWRは二次冷却の蒸気でタービンを回し、BWRは炉心を通った蒸気を直接タービンに送る。
PMRが先に開発され、BMRはその後開発された。その割に、世界のPWR:BWR採用比率は7:3位のようだ。
日本では採用比率はほぼ5部5部で、
北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力各社の全原子力発電所、および日本原子力発電の敦賀発電所の2号機(1号機は沸騰水型)がPMR、
東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力各社の全原子力発電所、および日本原子力発電の東海第二発電所と敦賀発電所の1号機(2号機は加圧水型)でBMR、
と、電力会社によって採用が異なる。
福島第一原発は、BWRだ。wikipediaにも、「原子炉としては単純な構造ということもあり、日本国内で運転可能な原子炉の中では、最も多いタイプであるが、原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導くため、放射性物質に汚染されることにより、耐用年数終了時に放射性廃棄物が、加圧水型原子炉 (PWR) より多く発生し廃炉コストが嵩む可能性が高い。また、その汚染のため作業員の被曝量が加圧水型原子炉よりも多い」とある。そういう問題のあるものを、なぜ、採用しているのだろう。
その事情らしきものを考察したサイトを見つけたので、リンクを示しておく。
ちなみに、同じ著者がBWRの欠陥についても指摘していた。
BWRの構造的欠陥
このサイトの筆者を僕は知らないので、あくまで参考に、というところです。僕自身は、あまりきちんとした知見がないので、確認はできません。詳しい方があれば、補足情報どいただければと思います。
2013.9.16記事。「つまり簡単に言えば、PMRは二次冷却の蒸気でタービンを回し、BMRは炉心を通った蒸気を直接タービンに送る。」などに「PWR、BWR」の誤植(?)。