資料室の逵です。
昨日(2024年1月7日 晴)の旧取水口の水位は107cm、石は3つ見えました。水が澄んでいて、遺構がよく見えました。
2024年今年の資料室始動は昨日1月7日の「(水のない)枝下用水路を歩こう会」で始まりました。
歩くコース
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集合場所は枝下用水開削者・西澤眞蔵が祀られている枝下川神社です。少しわかりにくい場所なので、豊田土地改良区の方たちが幟を持って、入り口まで出ていてくれました。
みなさん集合時間前に揃い、27名でスタートです。まずはそれぞれ自己紹介してマイクロバスに乗り込みました。枝下町遺跡調査隊・MMさんが運転手を引き受けてくださったので、豊田市福祉センターからマイクロバスを借りることができました。
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枝下用水路のスタート地点・取水口がある越戸ダムから歩きます。
1929(昭和4)年に越戸ダムができるまでは、下に見える風景と同じような岩と矢作川の姿が枝下町のあたりにもあったのだろうと思います。歩いているところがダムができる前の枝下用水路になります。左の高い塀の上に、今は枝下用水路に向かう水が流れています。
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枝下用水路のスタート地点は中部電力の管理下にあるそうで、豊田市民芸館の先まで用水路を見下ろしながら脇を歩きました。
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さあいよいよ用水路に下りて歩きはじめます。一番歩きたがっていたMMさんはバスの運転があるため断念、用水路の上からポーズ!
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水がないとはいっても、ところどころは水が抜けきらないため長靴は必須です。いつもは水が入っているところがどこまでかわかります。
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第一放水門に到着しました。47災害の後、枝下用水幹線に4つあった放水門は11に増やされました。用水が川に落ちていく様子がよくわかります。
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11号線を用水路がくぐります。
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ここからは名鉄電車が平戸橋駅を出る時間が気になって急いだのですが、長靴では通ることができない地点があり、一度用水路から上がりました。
もう一度下りようとするところは、昔枝下用水を生活用水として使っていた名残のあるところでした。水のあるところまで用水路に面した家には階段がついています。
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タイミングよく次の名鉄電車がきました。こちらから手を振ってもまさか下から覗いているとは誰も気づきません。
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工事中のところがあり、もういちど用水路を上がりました。まもなく完了の時期なので、日曜日のこの日も作業が続けられていました。水路の中央に仕切りをつけて、用水を流しながら工事ができるような水路に改修されています。
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用水路はきれいなところもありますが、落ち葉や切られた木がいくつもあるところもあります。日頃水が流れているときは水路に覆いかぶさるような木を切ることができず、この期間、用水管理人さんたちが一気に伐採していきます。
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MTさんがなにやら2つのカメラを使ってずっと撮影しています。どんな映像?それはあとで。
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約4キロの用水路を無事に歩いて、みなさんお疲れさまでした。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e8/06512da5f5778563925e0129ab43ff36.jpg)
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今回のコースは1883(明治18)年に初めて枝下用水が開削されたところ(唐沢川=水無川)までというコースでした。歩いた距離に加えて、本当は枝下からダムまでの上流部分があったので、当時の工事がどれほど大変なものだったか想像できます。
ゴール地点で用水路を上がって気づいたのは、寒いということでした。水路のなかは風がなく、今日は結構暖かかったなと思っていたのですが、それは水路のなかは風が当たらなかったからでした。
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すべてをご案内できませんでしたが、いかがでしたか?
この続きはまた来年歩きたいと思います。年1回の5年企画というのんきな企画です。
水のない用水路の時期が長い(1ヶ月だったのが2ヶ月半になっています)のはいつまで?と思われるかもしれません。ご安心ください。枝下用水路幹線の耐震工事は2019年度に始まり、なんと2035年度まで続きます。
時折、用水路脇の道を散歩する方が「何やってるんですか?」と声をかけてくださいました。「水のない用水路を歩いているんです」と答えると、不思議そうな顔をしていらっしゃいました。興味のない方にしたら、なぜ?と思われるようなことかもしれません。
でもそんなことがとても面白い。私も面白い、そんな仲間が集って、みんなで枝下用水路を歩く。そうするとますます面白くなっていきます。
今年も枝下用水資料室は枝下町の方々と、そして枝下用水をもっと知りたいという方たちと、そんな面白いを重ねていきたいと思います。今年もよろしくおねがいいたします。
さきほどカメラを持って歩いていたMTさんがさっそく映像を送ってくださいました。360度映るカメラで撮ったスタート部分だそうです。こんなこともできるんですね。