スカパー漂流記

CS放送「スカパー」で放送されている番組について語れればいいなぁと思う次第でございまして・・・

File-035 WBS/5月10日 (for 日経CNBC)

2005年05月11日 | Weblog
 「WBS」こと「ワールド・ビジネス・サテライト」。
 地上波で午後11時から、CSでは午前12時15分から放送されている、TV東京の「看板ニュース番組」です。

 この番組、一見すると地味ですが、実はかなりの数のファンがいるらしく、最近のことに限ってみても「週刊アスキー」(パソコン雑誌)内の漫画でその名が出たり、番組内で扱った「農機具メーカーが作った有人ロボット」がネット上で話題になったりしていました(そういえば、先週は番組冒頭で「萌え」について取材してたな・・・)。
 もちろんプチヲタもかなり古くからの「WBS」ファンで、あの植草教授(手鏡で女子高生のスカート覗いたヒト。当時は「野村総研主任研究員」てな肩書きだったハズ)がコメンテーターをやっていた頃からずっとチェックしています。

 さて、今回この番組を取り上げたのは、昨日の放送で気になる特集を2つ組んでいたからです。
 まず最初のネタは、「好調な日本車メーカーと、不振にあえぐ米国車メーカー」について。
 この特集の中で、アメリカ(=世界)のトップ2のである「GM(ゼネラル・モータース)」と「フォード」の社債を、格付け会社が「ジャンク債」(「投機的債権」の意。平たく言えば「債務不履行などで損する可能性があるので、お金が大事なら買っちゃなんねぇよ!」ってコト)に格下げしたと伝えられていたけど、これを見てプチヲタはあることを思い出しました。

 今から7~8年ほど前だったでしょうか、「フォード」社製のSUV「エクスプローラー」が立て続けに横転事故を起こすという事件がありました。
 で、原因を究明していくと、事故は「エクスプローラー」と「ファイヤストーン」社製のタイヤの組み合わせでのみ発生していることが分かり、両社は賠償責任の矢面に立たされます。
 この時、「ファイヤストーン」社の親会社である日本の「ブリヂストン」は、「フォード」に対し「双方で話し合って原因の究明と補償に当たろう」と提案しますが、あろうことか「フォード」は「事故原因はファイヤストーン製タイヤの欠陥だ!」と一方的に決めつけ、さらにそれを同社の公式見解としてマスコミにも発表します。

 この話を読んでいて、何か思い出しませんか?
 悲惨な大事故を起こしながら、よく調べもせずに「事故原因は置き石かもしれない」と言い放った無責任な鉄道会社、日本にもありましたよね?

 上の事件では、一方的に悪役にされてはたまらんと、「ファイヤストン」側も「フォードはこちらが不適切だと指摘したタイヤ圧を強要(乗り心地をよくするため、タイヤの空気圧を下げるようにフォードは要求していた)してきた。それが事故の原因になった」と反撃。
 両社の関係は、取り引きを完全にやめてしまうほど悪化します。
 これ以後の経過についてはプチヲタも詳しく知らないのですが、「フォード」の業績悪化は「三菱自動車」と同様、ユーザーを軽視した天罰だとプチヲタは思ってるのですよ。(でも、「金に糸目を付けずに車を買うならどの車種にする?」と問われれば、迷わず「今年発売予定の新型フォード・マスタング!」と答えますケドね。笑)

 もう1つの特集は、このブログの「File-014」でも取り上げたアメリカの「軍産複合体」に関する話題。
 なんでもイラク侵略戦争の影響もあって、今年のアメリカの軍事関連支出は60兆円(!)にも届く勢いだとか・・・(60兆円って言ったら、日本が戦後最大の好況に沸いていたバブル期の国家歳入と同額ですよ。なに考えてんだ、あの国は・・・)。
 で、軍事産業最大手の「ロッキード・マーチン」社の工場を取材し、最新鋭戦闘機「F-35」(添付画像参照)の生産現場を写してましたが、同工場では生産コストを抑える手段としてトヨタの生産方式(「乾いた雑巾を更に搾るような」と形容される、世界最高の効率的生産法。「カンバン方式」の名でも有名)も取り入れる予定だとか。

 最近の米軍事産業は調子こいて1機2000億の爆撃機(B-2爆撃機。軍艦1隻分にも匹敵するその価格に、さすがの米軍も20機ほどしか買えなかった)とか、1機200億円の戦闘機(F-22戦闘機。こちらもそのあまりな値段に、購入機数を半減された)などと、常軌を逸した値札を製品に付けていましたが、ここに来てようやく自分たちの馬鹿さ加減に気付いた様子。
 ただ、件の「F-35」の開発担当者は「全世界でこの戦闘機を5000機売る!」と気の触れたようなことを宣っていましたので、馬鹿さ加減に気付いてもバカが治ったワケではなさそうです。(そんなクソ戦闘機なんざ売れねぇよ!byプチヲタ)。

 ちなみに日本の航空自衛隊は現在、次期戦闘機の選定作業に入ったばかり。
 それ系の雑誌では導入候補の機種についてあれこれ書いたりしていますが、たぶん運が良ければ安い「F-35」、運が悪ければ法外な価格の「F-22」を買わされることになるでしょう(アメリカ以外の機体を買うなど、親方メリケンが許すはずありません。ただし、それまでに日本の財政が破綻すれば話は別ですが・・・)。

 では、最後に蛇足を一つ。
 プチヲタは植草教授がコメンテーターをしている時からこの番組を観ていたと書きましたが、同氏の痴漢事件の一報を聞いたとき、すぐに納得できました。
 と言うのは、同氏は番組の中で論理的な良いコメントをするのですが、討論する場面などでは弱気な性格が災いしてか、よく相手に発言を遮られては、眉間に皺を寄せつつ言葉を呑み込んでいました。
 プチヲタはその様を見て、「うわぁ、このヒト絶対ストレス溜め込んでるわ」とずっと思っていたので、痴漢の話がでたときには「あぁ、やっぱり・・・」と。
 でも、痴漢は許されませんが、植草教授は頭のイイ人ですよ。「ミスター・yen」などと呼ばれて調子に乗ってる榊原某とかから比べれば、正味100倍は優秀です!(オイオイ、断言してるで・・・^^;)