Three Views Of A Secret

罪と音楽 小室哲哉

最近また図書館を利用し始めました。
以前は図書館巡りをして貴重な音源などを漁っていましたね。
既に廃盤になっている音源を探すならば「世田谷図書館」がオススメですよ
最新のJAZZを聴きたくなったら「稲城市図書館」ですね
音楽雑誌は近所の「川崎市図書館」で借りていましたよ

数年前に現在のところへ引っ越ししてからは、一時期図書館の利用を抑えていました。
特に理由はありませんが、図書館は以前よりも近所にあるのに利用しないのはもったいなぁ~とは思っていましたよ

先日借りたのはこちらです。

「罪と音楽」小室哲哉(2009年9月発行)



このブログ内でもよくカキコしていますが、私は小学生の頃からTMネットワークのファンなんですよ
以前の記事「TMネットワーク」
特に小室さんのファンでした

本の内容は、あの詐欺事件についてですが、半分以上は小室さんの音楽理論が盛り沢山で面白いですよ~
事件については2008年11月4日に逮捕されて、保釈される11月21日まで拘置所に収監され、その後裁判...という流れが記されています。

主任検事さんがいい人で、やさしく相談に乗ってくれたそうです。
拘置所の職員も番号ではなく「小室さん」と呼んで、何かとやさしく接してくれたそうです。

それでも地獄の17日間だったことが細かく記されています。

2009年1月21日から始まった裁判でのやり取りも詳細に記されていました。
刑が確定してからの執行猶予が5年だったので、ちょうど終わったころだったのかな。

この本の中でも一貫して小室さんが主張していますが、音楽に対する熱意はどんなときでも楽曲に注ぎ込んできたと・・・。
そんなことが汲み取れるエピソードが沢山記されていて面白かったですね。

幾つか紹介しますね。

小室さんは逮捕直前にglobeでTMのヒット曲をカヴァーしようとしていました。
その手法が面白い!
デジタル録音で最終段階まで作業を進め、最後だけアナログ録音の作業工程を施します。
するとアナログ録音で使用する録音テープにデジタル録音した音源が滲んでくるそうです。
それが不思議なことに日をおうごとに滲み方が変化してくるそうです。
なんかお酒の製造工程のような話ですよね
聴いてみたかったですね。

マイケル・ジャクソンにネバーランドに招待されて、そこで楽曲を3曲提供したそうですが、使われなかったそうですね。
でも未だにマイケルの事務所には音源として残っているかも・・・。
レコーディングまでしていたら凄いですよね

他にも沢山の事を試行錯誤していることが分かります。

■CDはプレスする工場によって音質が異なること。

■♪に乗せる日本語の伝達速度の遅さ。

■体内グルーヴ

■高額な機材について
TMNのレコーディングで使用したシンクラヴィアという機材は極限まで音質を高めることができるそうですが、当時のレコーディング・メンバーのギタリストのブラット・ギルズ(ナイト・レンジャー、オジー・オズボーン)が「俺ってこんなに下手なの!」と言わしめたほどの音質のようです
勿論ブラッドはめちゃ凄い方ですよ~ 

■倍音構成の声質について。
プロになる人は、オクターブ上の音を同時に発声できる持ち主が多いそうです。
ハスキーボイスも倍音のひとつです。
逆に響きが鈍い倍音の声質もあるそうです
そういう声質を持った友人や上司の話を聞いていると、人柄に関係なくイラッとなるそうです
倍音が不協和音しているようです。

■Jポップは「言葉型」と「音型」に分かれる、最近は歌詞が聞き取れることが大事になってきているそうです。
その二つの型をどちらも持っているのが斉藤和義さんだそうです。

■憧れを成就させる経緯
小室さんは大阪万博で観た冨田勲さんのシンセサイザーに憧れ、その後はロックに憧れ・・・という感じで常に憧れがあったそうです。
その憧れを成就させるためには10の経緯が必要でそれが、①出会い ②衝撃 ③憧れ ④観察 ⑤真似 ⑥分析 ⑦応用 ⑧自在 ⑨個性 ⑩放出
この①から⑩は流れになっていて再び①に戻るのですが、それは次の世代と自分が①になれば最高ですよね

最後に小室さんは、新しい試みで新作はエイベックスの新人の方達と一緒に50曲もの新曲を一気に発表したいと記されていました。
凄いですね~
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