晴晴ブログ

このブログは私の見たり・聞いたり・感じたりした事柄を忌憚なく書き記したものです。

「墓仕舞い」

2017-03-23 17:46:12 | 日記
最近、良く耳にしますのが、お墓を建てるのではなく、先祖代々受け継いできたお墓を処分するという「墓仕舞い」。

終活を迎えつつある私にとっても、先祖のお墓を守る後継者がおらず、身につまされる話として聞くようになりました。

「墓仕舞い」とは「お墓から遺骨を取り出し」「墓石を撤去・処分し更地に戻し」「遺骨を新たな場所に埋葬する」という一連の手順ですが、遺骨を取り出すためには、お墓がある自治体から「改葬許可証明書」という許可書を取得しなければなりません。そのためには、お墓を管理する墓地や寺院が発行する「埋葬許可証明書」と、移転先の墓地が発行する「受入証明書」という2つの書面が必要になるようです。勝手に遺骨を取り出してお墓を処分してはいけない仕組みになっています。

そして、遺骨を取り出すためには必ず移転先を決めなければなりません。その方法にはお寺が遺骨を永久に管理して将来的には合葬する「永代供養墓」や「納骨堂」への埋葬、墓地の中で墓石ではなく樹木のそばに遺骨を埋葬する「樹木葬」、そして海などに遺骨を撒く「散骨」といったものがあります。最近では夫婦両家のお墓をひとつにまとめる「両家墓」、目新しい所では「宇宙葬」も出てきているようです。

「墓仕舞い」では、故人と縁のある親戚への説明と合意形成も大事ですが、何よりも重要なのは、「墓仕舞い」をして後悔しないために、遺骨の次の安置場所を考えることです。そして「墓仕舞い」によって、自分自身が故人との縁を失ってしまうことのないように、どうすれば故人のことを末永く想える形ができるかを考えて「墓仕舞い」を行う必要があります。

「墓仕舞い」への関心が増加している背景には、少子高齢化や家族形態の変化による“お墓の跡継ぎ不足”があるようですが、そもそも団塊の世代あたりから、先祖を敬い、親を敬う気持ちが気薄になってきたのかも知れません。

私達はお墓参りをするのはご先祖様に結婚や出産などの家族の出来事を報告するためとか、亡くなった方のご冥福を祈るためであるとか言われていますが、それ以上に大切なことは、お墓参りをすることによって、冷静に自分自身を見つめなおすことができるということです。

日本人の古き伝統が崩壊していくのを見聞きするにつけ何か寂しい気がしてなりません。

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