成安造形大学環境デザインニュース

このブログは成安造形大学環境デザインクラスの活動を掲載しています

千本丸太建築塾』結成!

2007年11月29日 | トピックス
11月18日、京都市上京区千本丸太町の交差点近くにある磯野宅で、第1回目の『千本丸太建築塾』が催された。この塾は、この混迷の状況の中で来るべき建築のあり方を問い、かつ提案する場として考えられた。
命名は、磯野宅の所在地名であるということと、丸太でも千本集まれば建築になる=一人一人は非力でも集積すれば大きなものになるという意味を込めている。
第1回目は、磯野が「現代建築批判」を講義し、議論をおこなった。参加者は、水野非常勤講師(2期生、)、奥田紘太朗(5期生)、大原正路、木村準、對中剛大(8期生)で、いずれも設計事務所に勤務している(1名は退職し、休職中)。
議論は、昼2時頃から始め、夜9時過ぎまで続いた。
次回は、「木造建築の可能性を探る」をテーマとするということになり、散会した。(I)

よしランプづくり

2007年11月26日 | トピックス
西堀榮三郎記念探検の殿堂主催「灯りを楽しむ展」の企画展関連イベント「よしランプづくり」に11月23日(祝)に立神・佐久川・山本がヨシと私達の生活環境の関りや、ヨシが持つ素材の性質を作品制作を通して伝えてきました。
今回、小学生低学年から大学に通う学生まで、15人と様々な年齢層のなか各々がヨシを見つめて作品づくりに時間を費やしていました。全体の作品を見るとヨシとヨシを交互に積層していく方法とワイヤーメッシュなど既製のカタチにヨシを沿わしていく方法が見られ、光源を入れた時の造形物の照らし方は、内側から外側に向かって照らす方法が多く見られた。どれも製作者の熱意がヨシとヨシとの透き間から溢れ出す光りというカタチで表れ空間を埋め尽くし、その場にいた人達に伝わっていたと思えます。一日という限られた時間内で完成までこぎつけた事は、探検の殿堂のスタッフさんの補助やワークショップに参加した学生や小学生の集中力があってのことだと思えます。ヨシのワークショップを通して私達も様々な事を学ばせていただいと考えています。(Y)

ワークショップ風景1

ワークショップ風景2

 今回はもう一つのイベント「サバめし」に挑戦しました。『鯖飯』ではなく『サバイバル飯』でした。この方法を覚えていると、いざという時に役立つなと関心し、自分で作った飯はやはり美味しく感じました。

サバ飯に挑戦

「ヨシ造とヨシ子」休憩時間に作ってみました。

「かまどプロジェクト」 工事報告 NO-4

2007年11月26日 | トピックス
 11月23日、祝日を利用して再び、かまど工事をおこなう。今日は「愛農かまど」の技法の伝承者である野呂由彦氏に来ていただいて、もっとも難しい炉の周りの工事をおこなった。炊飯、湯沸かし、オーブンの3つの機能を備えたこのかまどは、燃料を節約するため、通常のかまどとは違って炉の内部が曲面になっている。そのため木型を用いて、内部の施工をおこなう。耐火煉瓦のまわりに赤煉瓦で埋めて、空隙は赤土とセメントと消石灰を水で練って埋める。
 明くる日の24日、いよいよ木型を取り出すと無事、炉の内部が完成した。あとは表面の仕上げを残すのみとなり、ようやくあと1日で完成の予定だ。(H)




椅子の詩(うた)~“座る”を支えるカタチ

2007年11月19日 | トピックス
 

 長大作氏と村上太佳子の両氏による椅子をめぐるシンポジウムは去る11月17日、大学のホールでおこなわれた。
まず村上氏はデンマークの王立美術大学建築家家具コースに留学した際、著名なデザイナーであるポール・ケアホルム氏の「日本をよく研究するように」との助言をきっかけにして、日本的なるものとは何かをテーマに椅子のデザインを考えるようになったいきさつを述べられた。「透ける椅子」や座禅のかたちを念頭に置いた「祈りのかたち」などの低座椅子はこうして生まれた。さらに「組み立て椅子」や「和紙の椅子」、「杉材を用いた椅子」、などはすべて、本来家具を必要としない日本の伝統のなかでいかに「調度」として存在させるかを問いかけた結果であるという。
長氏は椅子は本来プロダクト(工業製品)であるとし、見かけのかたちよりも、より座り心地のよい椅子づくりを心がけている。心地よい椅子はそのまま美しいというのが彼の信念だ。50年間、ベストセラーで有り続けている名作「低座椅子」の独特の形をした背もたれが「柿の実を切ったときのかたち」から発想を得た話をはじめ、おむすびのかたちをしたテーブルやストゥールのかたちが生まれた時の秘話は興味深く、聴衆に感銘を与えた。
公演後の質疑応答はこのシンポジウムのきっかけをつくった学生の大野真和君を始め、聴衆のなかからも発言が続き、会場を去り際には、それぞれ会場に置かれた4点の椅子に実際座ってみて、さらに講演者との歓談が続くという光景が見られた。(H)



黒壁 ガラスのワークショップに参加

2007年11月19日 | トピックス
㈱黒壁で11月9日(金)ガラスのワークショップに参加しました。ブロースタジオ チーフ土橋隆弘先生のご指導のもと学生8人がガラスという素材に触れ、各学生が思い描く造形物を制作しました。参加した学生からの感想は「ガラスという素材は融通がきかず、製作者の技術によって作品の仕上がりに顕著に現れること」また「制作工程の基礎を理解せずに制作すると、自由な発想で思い描く作品は制作できないこと」各々学生から声を揃えて聞こえたのは「次回ワークショップが開かれる機会があれば、学んだ技術を生かしてぜひ参加したい」という声が聞こえた。

素材という一つのキーワードを取り上げても、数多くの情報を製作者に訴えてきます。音であったり色であったり熱であったり他に様々あると思います。机上で知った知識は、素材の表面を理解しているにすぎず、素材に触り、手に取って体験した学生達は数多くの貴重な発見が身体に伝わったと思います。(Y)

作品制作風景

作品完成

合同作品展芸術系大学作品展『ART UNIV 2007』開催!

2007年11月14日 | トピックス
「京都の芸術系10大学による合同作品展 ART UNIV.2007」で4作品展示
11月13日から25日まで、「京都の芸術系10大学による合同作品展 ART UNIV.2007」が、元立誠小学校とキャンパスプラザ京都で開かれている。成安造形大学住環境デザインクラス4年生、桑原、越前、渡辺、奥嶋4名の作品が元立誠小学校校舎3階廊下に展示されている。

 桑原作品は、折れ曲がった壁の内側は吹き抜け空間とし、その外側にさまざまな空間を造り込み、子供のための遊空間を提案している。内部が裏返されて外側に露出したような建築で面白い表情をしていると思われたが、外部は壁で囲まれてしまったため、その先鋭な表情が薄れてしまったことが惜しまれる。

『お気に入りのある幼稚園』桑原秀彰(4年生)
 
 越前作品は、折れ曲がる一枚の板が屋根と壁と床を兼ねる、いわば一筆書きの住宅建築である。内部の家具も同じ原理で提案され、家具と建築が共鳴しているところが良い。模型の精度も高い。

『そこにある風景』越前良太(4年生)

 渡辺作品は、子供の時の住まいの記憶を想起しながら、習い覚えた表現技術を通して造形化した建築であるが、イメージの表現としてはやや硬い感じがするところが、模型の完成度は高いだけに、残念だ。

『記憶の棲家』渡邉渉太郎(4年生)

 奥嶋作品は、火葬場と墓地を提案している。歩きながら体験する空間=シークエンスはよく考えられているが、それぞれの施設の形の純度が高く孤立しており、やや全体が平板に見えるところが惜しい。

『追憶の道』奥嶋亮平(4年生)

 4作品とも、まじめに建築に取り組んでおり、模型の完成度も高く、3年次後期の作品として、レベルは高いと思う。4年生最後の作品となる卒業制作もこの調子で制作に取り組んでほしい。(磯野英生 記)


「ヨシ原の中津門」現る!

2007年11月14日 | トピックス
ウエルカム・ゲート「ヨシ原の中津門」は黄金色に輝いた!
11月10,11日の2日間、大津市の浜大津を中心とした地域で、「第27回全国豊かな海づくり大会・びわ湖大会」が催された。すでにレポートしたように、成安造形大学住環境デザインクラスは、会場のウエルカム・ゲート「ヨシ原の中津門」を担当した。磯野英生が監修し、立神まさ子非常勤講師兼T.A.と山本拓朗非常勤講師兼T.Aとともにデザインを考え、制作指導および制作は、立神と山本が中心になって学生有志とともにおこなった。穂先を残した柱と穂先を切った柱が計25個並べられ、会場と国道沿いの歩道をつなげた。夕刻になると、夕日を浴びたヨシの茎が輝き、さらに暗くなると点灯され、黄金(こがね)色に輝き、とても美しく感じられた。たった3日だけでの夜間点灯であったことが惜しまれるが、記憶に残る姿であったと思う。(I)

昼間の作品風景

夜間の作品風景

来場者と作品風景

ヨシによるウエルカム・ゲート=『ヨシ原の中津門』を制作中!

2007年11月08日 | トピックス
この11月10日、11日の両日、滋賀県大津市の大津港およびなぎさ公園で開催される「第27回全国豊かな海づくり大会・びわ湖大会」で、成安造形大学住環境デザインクラスは、会場のウエルカム・ゲートを担当している。
港のある浜大津の地域性を考え、作品のテーマを日本の神話的情景である水辺のヨシ原と設定し、アイデアを練った。ヨシの高さは通常4mほどもあり、その高さにはいつも驚かされる。その高さを生かし、それを1m四方に束ね集めて柱とし、二十数個制作。それを群として配置してゲート=門とした。
日本の原風景であるヨシ原を想起し、それを開墾することで新しい国造りが始まったという神話に基づき、そのヨシ原を喚起させるヨシ柱群を抜け、会場=新たな世界に出会うというストーリーを組み立てるつもりである。
ヨシの柱には根元に照明が仕込まれており、夜間はライトアップされる。
どのような空間が出現するか、ご覧あれ!(I)


スタディ模型とユニット配置スタディ

イメージスケッチ

作品制作中

「かまどプロジェクト」 工事報告 NO-3

2007年11月07日 | トピックス
11月3日(土)再び工事を再開した。モルタル調合も慣れたもので素早く準備する。レンガを切るのに前回は高速カッターを用いたが、金属用の刃だったため、すぐにすり切れたので、今回はディスクグラインダーに奮発してダイヤモンドの刃をとりつけた。相変わらず、埃がすざましく舞い上がるが、仕事は快調。途中、どこからか迷い込んだ子猫が仕事のじゃまをするが、予定したレンガ積みをこなした。
次回はいよいよ焚き口まわりの難しいレンガ積みとなる予定だ。

大工さんに頼んでおいた上屋や流し、薪置き場に用いる木材の見積もりが、予定よりも大幅にオーバーするとのこと。急いで設計図を見直す必要がでてきた。(H)