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本を読むのだ

主に飛躍した感想文。

トウ・シューズ 水沢めぐみ

2015-08-04 20:44:59 | 漫画
 久々に無料以外から。りぼんの巨匠水沢めぐみ先生の「トウ・シューズ」全5巻

 私はこの作品がめぐみ先生の描かれた中で一番好きです。めぐみ先生といえば、言わずと知れた名作、スマップ主題歌でアニメ化もされた、いけいけゴーゴージャーンプでお馴染みの「姫ちゃんのリボン」が有名ですが、「おしゃべりな時間割」もちょー好きでした。
 でも一番は「トウ・シューズ」でしょう! 絵がちょーかわいいの。話も世界観もとっても優しい。全てにめぐみ先生の溢れんばかりの愛がこもってる。水沢作品の最高傑作と言っても過言ではないでしょう。
 ざっくりあらすじ言うと、うーんうーん…バレエの話。かつてないほどざっくりだ! 主人公は中学生バレエ少女くるみちゃんです。
 以下ネタバレありです!


























 ところで、なんでいつも大量改行してるんだろう…。自分でもよくわかんないw 一応ネタバレ防止なのだけど、効果あるのかなwww
 さてさて、トウ・シューズですが、話自体は非常にシンプルです。王道ですよね。一人未熟気味の主人公、憧れの人を目指して努力を重ねるが、挫折もあり、仲間の応援あり、最後には……という。りぼん娘だったので実は昔リアルタイムで読んでた! でも買っちゃった(/ω\*)

 あの頃はねー、一臣とカップルにならなかったのが微妙に不満だったのね…。なんで智也なんだ! って。今思えば若かった。
「いっしょに踊ってみたい」は必ずしも、「同じ道を歩みたい」わけではなかったのよね…。くるみちゃんにとっての「いっしょに踊ってみたい」というのは、恐らく、「はづきと同じレベルまでバレエの技術を高めたい」という意味だったのだろう。
 
 対して、一臣のは何だったんだろう…。うーん…。思いつくのは、1巻のくるみの舞台での失敗は、くるみだけの失敗ではなく、一臣にとっても大きな失敗となっていたのかなというところかもしれない。責任を感じていたのだろうか…。
 でも何だかしっくりこないよねー。後悔って感じではない気がする。
 次に思いついたのは、ちょっとロマンチックな答えになるけれど、彼自身も魔法にかかりたかったのだろうか、ということだ。バレエの魔法。1巻の最後の方で、一臣とはづきのロミオとジュリエットをみて、くるみは一臣に「魔法みたい」と言っていた。彼は魔法をかける側でありながら、同じような魔法使いになれる子を探していたのかもしれない。だから、技術的には上の杏奈よりもくるみの方を評価したりしていたのだろう。
 
 杏奈ちゃんもね… 嫌いだわー でも、彼女の物語を色々想像してしまう。涼子はバレエを愛していたけれど、嫉妬で努力できず、せっかく掴んだ主役の座を手放してしまった悲しい子というイメージ。
 杏奈はよくよく考えるとひどくねと思うのよね。コンクールで。技術はあるけど、心がないので…ってなー…。確かに、実際に心はなかった。バレエを愛する心がなかったと思う。もっと好きなものを見つけたらもっと輝く子かもしれないとは思う。
 良く解釈をするならば、もしかするとだけど、くるみと同じ金平糖の精をやってしまったことで、逆に、杏奈の心のなさが目立ってしまったのかもしれない。

 それから、このストーリーで最も重要な人物、はづき。昔嫌いだったなーw 例えば、涼子とか杏奈みたいに嫌な子ではないのよ。だから嫌いなのよ。女子ってこの手の子が一番嫌いw むしろはっきり言う涼子の方が好感持てるとか言ったりするw
 くるみにとってはバレエの面でも恋愛の面でも目標であった人。でありながら、はづきは、何だか、ずるい。バレエの留学もしなかった。多分、彼女はバレエの技術の向上よりも一臣の近くにいることを選んだ気がする。
 ここなんだよな…きっと、決定的だったポイントは。昔もなんとなく思っていたことだけど、恐らく一臣は、バレエを踊れなくなったからはづきを選んだ気がするの。この切なさだよね…。なかなかうまく表現できないけれど、どうしても最終話が悲しく見えてしまう。良い終わり方なんだけどね。恐らくだけど、くるみ、一臣、はづき、それから智也、2つのカップルができながら、全員の恋が叶っていないような気がする。そんな不思議な構図に見えるのだ。

 あの頃はもちろんだけど、今、全巻見直しても、良いなと思う貴重な作品でした。また優しくてこんな愛あふれる作品に出会いたい! そう思ってまた今日も本を読むのです。


1 コメント

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はじめまして (あやみまりか)
2015-11-23 00:38:53
突然コメントなんかしてすみません(((^^;)
ヒメゴトの試し読みをしたら面白くて、いろいろ検索をしていたらこちらのブログに辿り着きました。
トウ・シューズ。懐かしいです。
小4ぐらいのときに、古本屋でこのタイトルが目に止まり、初めて少女漫画たるものを買った覚えがあります。というのもバレエを頑張って練習していた時期だったので、この手のワードには過剰に反応していました。
そこから水沢めぐみ先生の作品を読むようになりました。特に私が好きなのは「空色のメロディ」です。あ、もちろん「トウ・シューズ」も好きです。特に4巻が。
バレエシーンが多い漫画が好きなようで、結局「アラベスク」や「SWAN」にも手を出してしまいました(^_^;)
前ふりが長くなってしまいましたが、記事があまりにも面白く、こうしてコメントを書かせていただきました。
記事の感想は、なるほど~!という感じで、当時では理解できなかったことが今深く解ったという感動でいっぱいです。
たしかに一臣殿下とはくっつかないのか~とは思っていました。
でも、くるみと一臣とでは少し価値観が違っていたというのは納得しました。
かわいい絵柄なので、軽いタッチの話に思えていましたが、実はこんなに深い話だということが、5年越しに解ってすっきりしました。
素敵な思い出を振り返ることができて楽しかったです(^_^)
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