The Diary of Ka2104-2

詩「あるかないかの心音」 ー 作・石川勝敏

         詩「あるかないかの心音」/作・石川勝敏

 

浅い眠りから目覚めるとき

言葉にならない声を発した

がーあーがあ

生きている感じがした

 

隣で解体工事をしているとき

幻声が消えて

破壊音だけがしていた

ドカーンドカーン

生きている感じがした

 

多肉植物の一葉が誰かにもぎとられていた

心が破られる音がした

ビリビリビリビリ

生きているんだとわかった

 

メダカを表で飼っているので

カラスの襲来を耳にしたらば

思わず戸を開けて無事を確認した

おーいおーいおい

生きているんだとわかった

 

雨にたたれて自転車がひどく汚れていた

軽快な走りを見せた

サーッサーッ

生きているんだとわかった

 

 

私は同性愛者だのに

なんらの男性を見たり聞いたりしても

電話が切れてるように

何も感じなくなっていた

ツゥーツゥーツゥー

死んでるような気がする

 

 

 

 


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