散文「中熟年からの親交」ー石川勝敏
ノートとペン
画材にスケッチブック
何かを持ち込むのが
私のカフェへのならわし
周りのおしゃべりは気にならない
おしゃべりしたい 私も
仕事ばかりでもいい
仕事がすべては けれど おかしい
友だちが欲しい
仕事生活の邪魔になろうはずがない
オンとオフの切り替えぐらい
この歳になると 大したことじゃない
友だちが欲しい
いずれきっと 周囲に溶け込んで
そのおしゃべりの羅列に入る きっと
騒がしいその集団の中へ
私の嫌いなやつを 一人こっきりで 入れてやる
そんな意地悪も 浮かんでくるけど
そんな考え巡らすほど 私は若くはない
そしておしゃべり相手も きっと そんなに若くはない
つい一週間前には
私は一人 お寺で除夜の鐘をきいた
友だちが友だちである限り
それは108つの煩悩に入らなく
自分の中で 滅しほろぼす必要もない
万事が友だちで
万事が極く普通
性交でなく 肌を重ねるのはお嫌?
よし 私はゲイだけど
普通でしか生きられないから
広範に捉えられるよう
ヘテロの友だちを欲そう
私は精神的には 女性も愛する バイだけど
やっぱり
男と男
友情と友情
絆と絆
そろそろ時間だ
誰もがいつかは死ぬのだから